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「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

真空管の交換

2014年11月18日 | オーディオ談義

この1か月間あまり、着々と真空管の交換作業を進めてきたがようやく一段落したのでその経緯を記してみよう。

一口に真空管といってもいろんな役割があるが用途別に大きく分けると、電圧増幅管、出力管、整流管といったところになる。

今回は電圧増幅管に使っているミニチュア管の「12AU7」をある真空管、仮に「ロング管」としておくがこれに代えると抜群に音が良くなるという話。しかも差し換えるだけで回路の変更などは伴わないというから助かる。まあ、厳密に言えば少し手直ししたほうがいいのだが、それはこの際ひとまず置いておこう。

これはアンプづくりの達人ともいうべき超ベテランの方からもたらされた情報なので信頼度は100%に近い(笑)。ちなみにこの両者の真空管の互換性についてはどんな雑誌にも書かれておらず、完全に仲間同士での口コミの世界である。

「12AU7」は比較的ポピュラーな球として知られており、我が家の真空管アンプにも頻繁に使っていて、プリアンプ2台、パワーアンプ3台に使っている。全部交換するとすれば10本(5ペア)必要になる。

さあ、大変!この「ロング管」はやや値が張るし、オークションにも滅多に出ない稀少管だが何としてでも手に入れたいところ。

こういう時に助かるのが真空管を大量にストックしているMさん(別府市内)。困ったときにはいつもお世話になっている方で、まさに駆け込み寺的な存在。ときどきメール交換している間柄だが、今回ばかりは性急に電話で依頼すると「在庫ありますよ~」とありがたいご返事。

クルマで15分ほどの所なので一目散。

別にお店を構えられているわけでもなく、自宅の空き部屋に置いてあるのだが物凄い在庫量である。

           

これでもほんの一部なのだから恐れ入る。

この「ロング管」にもメーカー別に値段の差があるようで、一流ブランドものを2ペア、やや値段が落ちるブランドを2ペア、計4ペアをゲットした。一流ブランド物は最後の庫出しだそうで滑り込みセーフだった。これはプリアンプに使わせてもらうことにしよう。

久しぶりにお会いしたのでひとしきり話が弾んだが、つい最近のブログでも記載したように我が家の「AXIOM80」を鳴らすのに一番相性が良かった「1920年代製の真空管」の在庫を、“藁(わら)おもすがる思い”でお訊ねしたところ、「ああ、あれはAさんから依頼があったので売ってしまいました。今のところ在庫はありません。」

ちなみにAさんとは、真空管関係の著作では必ずと言っていいほど名前が出てくるほどの全国的にも著名な方である。

こういう地方のマニアにもちゃんと網を張っておられることに驚いた。と同時にその道ではMさんも十分に名を馳せておられることに感心。

ところで、「この1920年代製の真空管はとてももったいなくて、オーディオ仲間が来たときだけ挿し替えて聴かせてあげてます」と、言ったところMさんから次のような返答があった。

「そんな使い方をしていると逆に真空管を傷めますよ。ガラス管などは挿すたびに微妙に熱膨張しているのですから、刺激を急に与えない方がいいです。使うときは少なくとも1時間ほどは整流管を引き抜いてウォーミングアップするべきです。真空管の故障の大半は挿した瞬間に起こりますからね。古典管となると特にそうです。」

いやあ、いい話を聞きました!古典管はまるで生き物を扱うように大切に扱ってやらねば・・・。

さて、自宅に持ち帰ってさっそく「12AU7」をこのロング管と差し換えて試聴したところ、音響空間がひときわ大きくなってこれまでにない雄大なスケール感に包まれた。何よりも音に躍動感が出てきたのがありがたい。たった初段管を替えるだけでこんなに変わるんだから、これだから真空管アンプは止められない(笑)。

       

左が「12AU7」(映像はムラードの高信頼管M8136)、右がロング管。長さに比例してプレートも随分大きい。信頼度100%の仲間が言ったとおりで、期待に違わぬ性能だった。

こんなことなら残る1ペアがどうしても欲しいところで、以後毎日、暇さえあればオークションでググっていたところ3週間目ぐらいの一昨日(16日)ようやくアンテナに引っ掛かってスペアを含めて4本落札。

これでフィリップス、ヴァルボ、シーメンス、タングスラムと4つのブランドが揃ったので、聴き比べするのも面白そう。


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