「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

「芸術作品」の域に達したオーディオ機器

2013年11月08日 | オーディオ談義

前々回のブログ「オリジナル版と復刻版の違い」でSPユニット「AXIOM80」(以下、「80」)に関する記事を登載したところ、さっそくオーディオ仲間のSさん(福岡)からメールが届いた。

ちなみにSさんは同じ「80」でもオリジナル版を愛用されている方で、お許しを得たのでそっくり掲載させていただこう。

「私がAXIOM80購入時に調べたユニットの見分け方の情報があったので、ご参考までに添付しておきます。確かに、カンチレバーもコーン紙もオリジナル版は復刻版よりも軽く造られています。反面、復刻盤は耐久性を重視したのかも知れません。それと、第Ⅰ期のものはマグネットの材料と磁束も異なるようです。ただしその分、時代が経っているのでかえって復刻版より磁束が落ちているかも?ですが。」
 

   

   第Ⅰ期

    第Ⅱ期

   第Ⅲ期

 

    オリジナル

 初 期

後 期

   復 刻

製造年

 

 

 

1950年代末

~1960年代前半

 

1960年代

   後半

 

1970年代

   前半

 

1984年

~1985年

製造工場

 工場名

 場所

 

WEMBLEY

ミドルセックス州

 

WEMBLEY

ミドルセックス州

 

HAVANT

ハンプシャー州

 

HAVANT

ハンプシャー州

マグネット

形状

材質

総磁束

磁束密度

 

Rエッジ

チコナル

62,000maxwell

17,000gauss

 

   45°角エッジ

   アルニコ

   58,000maxwell

16,000gauss

 

  45°角エッジ

  アルニコ

   不明

      不明

カンチレバー

材質

厚さ

 

  ベークライト

    薄

 

ベークライト

 薄

 

強化繊維PT 

  厚

 

  強化繊維PT

    厚

高域用サブコーン

 材質

 色

 

 ベークライト

茶or 黒

 

ベークライト

  黒

 

パルプ

 

   パルプ

    黒

フレーム

 材質

 製造法

 塗装

 

亜鉛合金

ダイキャスト

無塗装

 

亜鉛合金

ダイキャスト

    無塗装

 

   鉄

   鋳造

   グレー塗装

コーン紙

 形状

 厚さ

 コルゲーション

 

 折返しエッジ

    薄

   表・裏

 

折返しエッジ

  薄

 表・裏

 

切放しエッジ

  厚

  表

 

  切放しエッジ

    厚

    表

さらに追加して、ご自身が所有されている(最初期の)「80」の写真を添付していただいた。機能に徹した“姿かたち”と見た目の美しさが渾然一体となって実に素晴らしい。

     

ここまでくるともうオーディオ機器というよりも芸術作品に近い絶対に他のユニットでは出せない音がするのも十分頷ける。

Sさん、貴重な資料をどうもありがとうございました。

同じ「80」でも 作られた年代によってこれほど多様なタイプがあるとは夢想だにしなかったが、自分が持っている復刻版とオリジナル版との間にはおよそ30年もの開きがあるのだから、大きな違いがあっても当たり前だと納得。

それぞれに違った良さがあると思うのでオリジナル版にはないところを復刻版から引き出してやるのも楽しみのひとつ。けっして負け惜しみではありませんぞ(笑)。

その一環として昨日(7日)の午前中、「80」に使っているSPコードを代えてみることにした。廉価版のベルデンの普及タイプからPADの「コロッサス」へ。

            

このPADのSPケーブルは10年以上も前に購入していたもので、なにぶん線径が太いものだから我が家のようにシステムが3セットも同居するとSP周辺がコードだらけになり取り扱いが不便だし、見た目も悪いので倉庫にずっと保管していたのだが、いよいよ“なりふり構わず”の心境(笑)のもとに「出番」がやってきたというわけ。

端末が錆びついていたので、計8か所(2か所×4本)の処理に小1時間ほどかかったものの、ようやくWE300Bアンプ(モノ×2台)とオリジナルエンクロージャーに容れた「80」との接続が完了して試聴してみた。

最初のうちは、あまり変わり映えしないと思ったが時間が経つにつれ、明らかに音が豊かになっていく!長年鳴らしていなかったので、エージングが不足していたのだろう。

「叩けば叩くほどよくなる法華(ほっけ)の太鼓」ではないが「80」の今後の変身が楽しみ~。

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする