「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

主(あるじ)なき「オーディオ・ルーム」

2013年11月21日 | 独り言

一昨日(19日)の午前中に去る10月中旬に亡くなられたオーディオ仲間のEさん(大分市)のお宅にお悔やみに行ってきた。別府からクルマでおよそ50分ほどのところ。

奥様にご挨拶し、ご霊前で焼香を済ませてから詳しくお伺いしてみると、今年の2月頃から容態が悪くなって入院し、手術して一時快方に向かったものの、7月から再入院してそのまま帰らぬ人となられたそうで享年79歳。

「沢山のオーディオ仲間の方々がお見えになっていただきました。主人もさぞや喜んでいることと思います。」

「直接、ご葬儀に出席したかったのですがようやく1週間ほど前に訃報をお聞きしたものですから・・・。ご本人は最後まで意識があったのですか?」

「はい、意識はちゃんとありました。」

「そうですか。入院中はさぞや、オーディオがやりたかったでしょうね・・・。」

「もう・・・・」

ひとしきりEさんとの思い出話をしてから、「よろしかったらオーディオルームの写真を撮らせていただけませんか?」

「ええ、どうぞ。窓際のところを少し片付けていますが1年くらいはそのままにしておきたいと思ってます。」

自分が知っている限り、オーディオ仲間の中でEさんほど熱心なマニアを知らない。それこそ毎日、毎日、仕事を終えると夜中までオーディオルームに長時間こもっていろんな音響実験をされていた。創意工夫したオーディオアクセサリーは数知れず。

          

スピーカーはアルテックのA5でそれにJBLの075(ステンレスホーン付き)を追加されていた。アンプは低音域が真空管EL34のパラレル・プッシュプル(出力100ワット)で中高音域がWE300Bアンプ。チャンデバはアキュフェーズのF25。

音の印象を一言でいえば「スッキリ爽やかでまったく濁りのない音」だった。たしか20年ほど前のことだったと思うが、Aさん(湯布院)のご紹介で初めて聴かせてもらった時のことを“まざまざ”と覚えているが「世の中にこんなにいい音があるんだろうか」と驚嘆したことだった。

            

音質向上のためにさまざまな工夫が施されたWE300Bアンプが上記の写真。その道では“知る人ぞ知る”著名なウェスタン・マニアの地元新聞社のN社長さんが使用されていた逸品だとお伺いしている。

試聴席の背後に立てかけてある反響材の真竹も今となってはたいへん懐かしい。

           

Eさんのお宅を最後に訪問したのははたして何時のことだったかなと、ブログの過去記事を探してみたところおよそ2年前の2011年7月20日だった。その時の記事が「オーディオ訪問記」(2011.7.23)(クリック可)

あの頃はあんなにお元気だったのに、ほんとうに人の命は儚い。


オーディオ一筋に打ち込まれたEさんのご冥福を仲間のひとりとして心から祈らせてもらおう。

それにしても自分はいったいあと何年オーディオを楽しめるんだろう?



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