「十全大補湯」=「じゅうぜんだいほとう」と読む。人間の免疫力を高める薬として現在注目されている漢方薬の一種である。
1月12日にNHKハイビジョンで放映された番組「サイエンスロマン」でその効能が紹介されていた。要約してみると次のとおり。
・不老長寿は古来からの夢であるが、実はそのヒントが人の体の中に隠されていた。
・人には、傷ついた細胞をひとりでに直す再生力が備わっており、その力をうまく生かせば日本人の三大死因である、心臓病、脳卒中、ガンを治療できる可能性が見えてきた。
・その再生力とは、骨髄に含まれている特別な細胞「幹細胞」で、体のあちこちで傷ついた細胞のところに駆けつけて修復し、さらに新たな細胞をつくるなど自然治癒力の源となっている。
・ドイツ、韓国などで心臓病、脳梗塞などの患部に幹細胞を注入する人体実験がなされており、高い治癒率を示している。
・従来、脳の神経細胞は再生不能といわれてきたが、この方法で再生の可能性がみえてきた。
・中国医学では1000年以上も前からこの幹細胞に気づいており、この幹細胞を活性化して自然治癒力を高めるために漢方薬を処方してきた。
・その漢方薬の代表的なものが、10種類の生薬を合わせた十全大補湯である。
・関西医科大学の研究でこのエキスに骨髄の造血幹細胞を活発(実験結果では7倍増加)にするものが含まれていることが分った。
・日本における実例として1歳の女の子が血液を造れない病気になり、西洋医学ではお手上げだったが、この十全大補湯3グラムを1年間処方したところすっかり元気になったことが紹介されていた。
・ガンの撲滅にも幹細胞が大きく関っていることが、分かってきた。
テレビ放映の概要は、以上のとおりで天下のNHKだからあの「あるある大事典」の納豆ダイエットのねつ造のようなこともあるまいと思い、この漢方薬を早速試してみようかという気になって、またぞろ健康の虫が疼きだしたので、ネットで調べてみた。
その結果、十全大補湯は各種の貧血傾向の虚弱状態に用いる漢方処方で病院でも外科手術で体力が低下した状態を改善する場合に頻用されているようだ。漢方薬関連の各社からもいろんな種類が発売されている。
常用してもあまり危険はないようだが、それかといって副作用も全く無いワケでもないようだ。現在は毎日の運動習慣が功を奏して、それほど虚弱状態でもないのだが、予防も大切なのでウーンどうしようかと迷っているところである。
十全大補湯 10種類の生薬