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先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

参院選 杉田氏公認を抗議 自民党に市民団体 /北海道

2025-04-26 | アイヌ民族関連

毎日新聞2025/4/26 地方版有料記事425文字

 ブログなどにアイヌ民族や在日コリアンへの差別的投稿をした杉田水脈元衆院議員を自民党が夏の参院選比例代表で公認したことを巡り、アイヌ民族や研究者でつくる市民団体「アイヌ政策検討市民会議」は、公認を取り消すよう求める抗議文を党本部に送付した。24日付。

 市民会議は抗議文で「問われているのは差別主義者である杉田氏を公認した党の見識」と指摘。・・・・・

https://mainichi.jp/articles/20250426/ddl/k01/010/029000c


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私たちを観光資源としか見てない…」5年経ったアイヌ施策推進法は「抜け殻のような法律」

2024-05-30 | アイヌ民族関連

東京新聞2024年5月29日 12時00分

 アイヌ民族を日本の先住民族と明記したアイヌ施策推進法が2019年に施行され、24日で5年が過ぎた。同法は付則で施行5年を過ぎた段階で「必要であれば見直し」と規定している。アイヌ民族からは、相次ぐ差別発言への罰則規定の導入など法改正を求める声が強い。だが政府の腰は重く、議論は低調だ。先住民族に関して、この国の無関心の根本原因は何なのか。(木原育子)

◆先住権を認めず、ヘイト発言への罰則規定もない

 「役所の方はなぜ顔を出せないのか。私たちは日本の同化政策の被害者であるのに、身銭を切って遠路かけつけたのに…」

 15日、法改正を目指して国会内で開かれた集会の冒頭、北海道平取町からやってきたアイヌ民族の木村二三夫さん(75)が声を震わせた。出席を求めた省庁担当者や与党系の政治家の姿は、会場にない。木村さんはこう続けた。「先住民族としての権利や違反行為に対して罰則行為が何も書かれていない、抜け殻のような法律だ」

アイヌ民族の人らがアイヌ施策推進法の”作り直し”を求め、声を上げた集会=国会内で

 札幌から駆けつけたアイヌ民族の沖津翼さん(43)は「アイヌ民族の名前を使った当事者不在の法律だ。アイヌ民族の私たちを観光などの資源としか見ていない」と切々と語った。

 アイヌ民族の人らは、法の主体にアイヌ民族を位置付けていないと憤る。先住民族としながらも、地元でサケを捕るなどの先住権は認めず、ヘイト発言についても罰則規定はなく、理念法にとどまるからだ。

◆遺骨返還の項目を設けることを求める

 集会を主催した研究者や当事者らでつくる市民団体「アイヌ政策検討市民会議」は明治期以来の歴史的不正義を明示せず、市町村の意向と計画に基づき財政投下の措置がとられる仕組みになっていることを「国際法の流れをくんでいない」と指摘。「国の責務」として、大学などが保管するアイヌ民族の遺骨返還の項目を設けることを求めた。

 アイヌ民族らでつくる「少数民族懇談会」の原島則夫会長(74)は、同化政策の謝罪と「法律名をアイヌ基本法に」と訴えた。

 都内に住むアイヌ民族の宇佐照代さんは「アイヌ民族は全国にいる。北海道に住んでいないと声が届かないのはおかしい」と訴えた。

◆省庁担当者たちの「出席できない理由」は

 なぜ、省庁担当者らは出席できなかったのか。集会終了後「こちら特報部」が担当部局がある庁舎に出向くと、大半の職員が出勤し、仕事をしていた。

 アイヌ施策推進室の梶本洋之参事官は「いろいろな市民団体がある。一つの団体の行事に参加すると不公平が生じる」と説明。そして「集会は15日で、施行5年となる24日の前でもあったから」とも話した。

 では、菅義偉前首相はどうか。官房長官時代に法制定を進め、アイヌ民族の文様が入ったマスクを着けるなど熱心だったはず。だが、事務所に取材を申し込むと「受けられない」の一点張り。理由も「言えない」とかたくなだった。

◆世界の潮流に反する日本の無関心、原因はどこに

 そんな中、24日の閣議後会見で、自見英子地方創生担当相は「法の施行状況について、アイヌの方々のご意見を広く伺って、検討を進めていく」と表明。ただ前出の梶本参事官に詳細を尋ねると「特定の団体にだけ意見を聞くことはないが、どういう方法で意見を聞くか、検討に少し時間をかけたい」とした。

 先住民族に関する施策の推進は世界の潮流だが、日本における無関心の原因はどこにあるのか。

 先住民族に詳しい鹿児島純心大の広瀬健一郎教授は「日本では、学習指導要領にも体系的にアイヌ民族を学ぶ機会は位置付けられておらず、知らないことが無関心につながっている」と指摘。「カナダでは先住民族学習が教科としてあり、学ぶ環境が当たり前にある。日本でも、大学共通テストの外国語にアイヌ語を選択できるようにするなど、機運を広げるやり方はいくらでもある。法律制定で終わりではなく、抜本的な改革が求められる」と続けた。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/330052


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アイヌ新法「強い憤り」 東京で当事者ら集会 見直し訴え

2024-05-16 | アイヌ民族関連

伊藤友佳子 会員限定記事

北海道新聞2024年5月15日 18:21(5月15日 23:05更新)

アイヌ施策推進法の見直しに向けた機運を高めたアイヌ政策検討市民会議の集会

 アイヌ民族や研究者らでつくる「アイヌ政策検討市民会議」は15日、東京都内でアイヌ施策推進法(アイヌ新法)の見直しを求める集会を開いた。

 2019年施行の同法は付則で、施行5年を過ぎた段階で必要があれば見直すとしており、今年がその年に当たる。市民会議は、同法に先住民族としての権利が盛り込まれていないこと、差別禁止の罰則規定がないことなど6点を指摘する提言書をまとめ、14日に国会議員に配布した。

 集会にはアイヌ民族や道内選出の国会議員ら約40人が参加。・・・・・

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1011986/


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アイヌ差別、罰則求める声 自民・杉田氏投稿で論議

2024-05-06 | アイヌ民族関連

時事通信 2024年05月05日19時03分

アイヌ施策推進法が可決、成立した参議院本会議を傍聴席から見る北海道アイヌ協会の関係者ら=2019年4月、国会内

 アイヌ民族への差別を禁じたアイヌ施策推進法は、24日で施行から5年を迎える。同法付則は、5年の経過後に施行状況を検討し、必要があれば「所要の措置を講ずる」と明記。自民党の杉田水脈衆院議員による差別的投稿をきっかけに、罰則規定を求める声が強まっているが、政府は慎重姿勢だ。

杉田水脈氏、傷つけたか「分からない」 アイヌ差別的投稿で発言

 杉田氏は2016年、国連の会議に出席した際に「アイヌの民族衣装のコスプレおばさんまで登場。同じ空気を吸っているだけでも気分が悪くなる」と自身のブログに投稿。昨年9月に札幌法務局から人権侵犯と認定された。アイヌ関連事業を巡り、「公金チューチュー」と関係者をやゆするなど、その後も物議を醸す言動を繰り返している。

 同法は、アイヌに対する差別を禁じているが、罰則規定はない。アイヌや学者らによる「アイヌ政策検討市民会議」のジェフリー・ゲーマン代表は「現行法は全く効果がない」と訴える。

 野党からは、速やかな対応を求める声が上がる。立憲民主党の水岡俊一参院議員会長は、2月の参院代表質問で「今こそ改正の検討を始めるべきだ」と主張。別の立民幹部も「政府はこの問題を真剣に受け止めてもらいたい」と強調した。

 ただ、政府内で法改正の機運は乏しい。政府関係者は、アイヌ差別のみに罰則を設けると他の差別行為との整合性が問われると指摘。「現在も名誉毀損(きそん)罪や侮辱罪で訴えることはできる」との認識を示した。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2024050500101&g=pol


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札幌でアイヌ新法の改正求める集会 先住権の保障など6点を提示

2024-04-21 | アイヌ民族関連

武藤里美 会員限定記事

北海道新聞2024年4月20日 20:45

アイヌ施策推進法の見直しのポイントを説明するアイヌ政策検討市民会議の小坂洋右運営委員

 アイヌ民族や研究者らでつくる「アイヌ政策検討市民会議」は20日、アイヌ施策推進法(アイヌ新法)の見直しを求める集会を札幌市北区で開いた。

 新法は付則で施行後5年で必要に応じて見直すとしており、今年がその年に当たる。

 同会議運営委員の小坂洋右さん(63)は、岸田文雄首相が2月の参院代表質問で新法の改正についてあいまいな答弁に終始したと指摘。改正すべきポイントとして、先住権の保障や日本政府が過去に行った同化政策をはじめとした不正義への反省、差別を根絶するための実効的な規定など6点を提示し「新法には不十分な点が多々あり、抜本的な改正が必要。皆さんの声を国に届け、国会議員にも理解してもらわなければならない」と述べた。

 会場の参加者らからは・・・・・・

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1002898/


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アイヌ民族から学んだ神髄 「人間中心から自然と共生へ」 和辻哲郎文化賞の元北海道新聞記者が伝えたいこと

2024-03-17 | アイヌ民族関連

東京新聞2024年3月16日 12時00分

哲学の巨匠、和辻哲郎(1889~1960年)のようなダイナミックな発想で、分野を超えたユニークな著作をたたえる「和辻哲郎文化賞」に、長年アイヌ民族を取材してきた元北海道新聞記者、小坂洋右(ようすけ)さん(62)が選ばれた。学芸員から記者になり、海外での民族調査にも加わってきた。今、伝えたい思いとは。(木原育子)

◆カヌーなどで歴史を追体験、世界観に迫る

 「アイヌ民族への偏見やデマは減らないどころか増えている。多くの人にアイヌ民族を知ってもらう機会になればうれしい」。3月上旬、札幌市内。小坂さんが受賞の喜びをそう語った。

アイヌ民族に学び、新法見直しの議論の必要性を訴える小坂さん=札幌市内で

 賞は和辻の生誕100年を記念し、出身地の兵庫県姫路市が1988年度に創設。一般と学術の2部門がある。アイヌ民族が同化政策の下で失った伝統的生活や文化に光を当てた小坂さんの著書「アイヌの時空を旅する―奪われぬ魂」(藤原書店)が、今年の一般部門で受賞した。カヤックやカヌーなどで歴史を追体験しながら、アイヌ民族の世界観や自然観に迫る異色のルポルタージュ。和人(アイヌ民族からみた日本人)の立場から描かれた歴史とは違う生身の物語を切々と紡ぎ出した。

◆江戸後期に共存願った人たちの史実を掘り起こす

 歴史的価値も受賞の評価につながった。

 江戸後期に蝦夷地探検を行った松浦武四郎が、道都建設を担った開拓判官・島義勇をアイヌ民族の長老に引き合わせていた史実を丹念に掘り起こした。

 「アイヌ民族を排除した和人がいた一方で、共存を願った人らもいた。そういった和人は更迭されたり辞任したりして、東京側から同化政策が進められたが、抵抗した人がいたことは記録しておきたかった」

 1875年の樺太・千島交換条約に関わる樺太アイヌ、千島アイヌ政策の経緯も取材。ロシア側の資料分析はウクライナ侵攻下で十分にできなかったが、巻末の注釈にウラジオストクの国立極東歴史文書館の公文書番号を惜しげもなく記した。「戦争が終われば調べられる。万が一ぼくがいなくなっても、いつか誰かが資料を発掘してくれる」

◆学芸員から記者へ、海外調査団にも参加

 小坂さんは異色の経歴を持つ。札幌市で生まれ、北海道大卒業後、学芸員として東京・台東区立下町風俗資料館や埼玉県川越市の博物館立ち上げに関わった。その後、北海道に戻ってアイヌ民族博物館に勤めた。

 冷戦崩壊に歴史の潮目を感じ、28歳になった1989年に北海道新聞社に入社。会社の理解もあり、警察取材などの合間にアイヌ民族の取材は続けた。翌年にはロシア極東でウリチ民族の調査団に参加。2003年には英国のオックスフォード大ロイター・ジャーナリスト・プログラムに参加し、復活する優生学への懸念をテーマに学び直した。

◆差別や過去とどう向き合うか

 アイヌ民族の取材の意義をこう語る。「アイヌ民族は元来、狩猟民だが、狩りでも『俺が取った』ではなく、『相手(神様)が矢を受け取ってくれた』という発想だ。自分たちも自然の一部と捉え、現代社会と真逆の考え方だ」とし、「そんなに人は強いのか、偉いのか。人間中心主義が結局、人間を誤らせているのではないか。そう思いとどまらせてくれるのがアイヌ民族という存在だ。アイヌ民族がこの大地で養った自然との付き合い方は守り伝えていく必要がある」。

 現在は市民団体「アイヌ政策検討市民会議」のメンバーだ。新法のアイヌ施策推進法施行から5年後の今年、見直しの必要性を訴えている。「新法は1997年のアイヌ文化振興法より後退したのではないか。法律の主体がアイヌ民族ではなく、観光振興策を担う市町村になったからだ」と述べ「アイヌ民族の問題は北海道という地域限定の話ではなく、日本の国民がどう差別や過去と向き合うか、国と国民のあり方をどう考えるかとの視点で捉えることが必要だ」と見据える。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/315470


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「差別的投稿、声上げねば」 札幌でアイヌ関係者ら抗議集会

2024-01-16 | アイヌ民族関連

毎日新聞 1月15日

杉田水脈衆院議員と政府に抗議した集会=札幌市中央区で2024年1月13日、真貝恒平撮影 © 毎日新聞 提供

 自民党の杉田水脈衆院議員がブログなどでアイヌ民族や在日コリアンへの差別的投稿をしたとして、札幌と大阪の法務局から人権侵犯と認定されたことを受け、一連の差別問題に抗議する集会が13日、札幌市内で開かれ、マイノリティーの人権尊重に向けた連帯を確認した。

 アイヌ民族や研究者らでつくるアイヌ政策検討市民会議などによる実行委員会の主催。木村二三夫共同代表はあいさつで「人への想像力を欠き、命と心を壊す侮辱的な言動はあってはならない」と語気を強めた。

 続いて、杉田氏の投稿に対して札幌法務局に人権救済を申し立てた多原良子さんが「国民の代表である国会議員が差別を繰り返す社会はいったい何だろう。黙っていては社会が壊れてしまうからこそ、声を上げてまっとうな社会をつくっていきましょう」と呼びかけた。

 参加団体の代表者らも意見を述べ、最後に、杉田氏や政府の責任を問い、差別のない社会の実現に向けて団結することなどを盛り込んだ集会声明を採択した。【真貝恒平】

https://www.msn.com/ja-jp/news/other/差別的投稿-声上げねば-札幌でアイヌ関係者ら抗議集会/ar-AA1mYDel


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「差別的投稿 声上げねば」 札幌 アイヌ関係者ら抗議集会 /北海道

2024-01-15 | アイヌ民族関連

毎日新聞 2024/1/15 地方版 有料記事 411文字

 自民党の杉田水脈衆院議員がブログなどでアイヌ民族や在日コリアンへの差別的投稿をしたとして、札幌と大阪の法務局から人権侵犯と認定された問題に抗議する集会が13日、札幌市内で開かれ、マイノリティーの人権尊重に向けた連帯を確認した。

 アイヌ民族や研究者らでつくるアイヌ政策検討市民会議などによる実行委員会の主催。木村二三夫共同代表はあいさつで「人への想像力を欠き、命と心を壊す侮辱的な言動はあってはならない」と語気を強めた。

 続いて、杉田議員の投稿に対して札幌法務局に人権救済を申し立てた多原良子さんが「国民の代表である国会議員が差別を繰り返す社会はいったい何だろう。黙っていては社会が壊れてしまうからこそ、声を上げてまっとうな社会をつくっていきましょう」と呼びかけた。

 ・・・・・・

【真貝恒平】

https://mainichi.jp/articles/20240115/ddl/k01/040/034000c


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杉田水脈氏が謝罪したくなかった「アイヌ政策検討市民会議」とは 「政策全体を問うてきた。名指しに驚いた」

2023-11-16 | アイヌ民族関連

東京新聞2023年11月15日 12時00分

 アイヌ民族などへの言動を巡って、札幌と大阪の法務局から人権侵犯と認定された自民党の杉田水脈衆院議員だが、頭を下げたくない団体があるようだ。名指しされたのは「アイヌ政策検討市民会議」(札幌市)。どんな団体なのか。目の敵にされる事情はあるのだろうか。(木原育子)

◆「直接謝罪は求めていない。それは杉田氏の妄想」

 「こんな団体に謝罪するぐらいなら政務官をやめます」。保守系月刊誌のユーチューブ番組に出演した杉田氏は、政務官を辞した理由をそう語った。

 「こんな団体」と言ってのけたのが、アイヌ政策検討市民会議。安倍政権に反発し、自身の言動に直接謝罪を求めていたのが市民会議だった、と主張した。

 だが、市民会議代表で、北海道大のジェフリー・ゲーマン教授(多元文化教育論)は「私たちは当時、杉田氏のヘイトスピーチに抗議し、更迭を求めていたが、私たちの団体に対する直接の謝罪は求めていない。本人の妄想だ」と指摘。「杉田氏に心から謝罪する意思がなければ無意味だ。杉田氏は人権侵犯の認定を受けたのに、まるで被害者のように自身の言動を正当化しようとしており、本末転倒だ」と憤った。

◆学術研究に裏付けされながら市民運動を展開

 市民会議は2016年4月に発足。研究者やアイヌ民族、市民らで発足した。定期的に集会や勉強会を開き、積極的に声明を発表。国政選挙では候補者にアイヌ政策へのアンケートを欠かさず、「こちら特報部」も発足当初から取材。国のアイヌ政策の問題点を市民社会に訴えてきた。

 創設に尽力した元代表で室蘭工業大の丸山博名誉教授(環境政策)は「国際基準に基づき、先住民族政策に当事者の自決権を反映させたいと発足した。学術的研究に裏付けされながら市民運動を展開するプラットフォームが必要だと感じたからだ」と語る。

 目標にしてきたのは、NPO法人原子力資料情報室(東京)のような市民型組織。「安倍政権など特定の政権に刃を向けたことはなく、政策全体を問うてきた。杉田氏が市民会議を名指ししたのは、かなり驚きだった」と語った。

◆新しい言葉で揶揄 注目され続けたいため?

 番組では、この他にもアイヌ文化振興事業に公金不正流用疑惑があるとの見方を示した上で、関係者を「公金チューチュー」と揶揄

やゆ

。「流行語大賞にノミネートされてもよかったと思います」とも皮肉った。

 ネット右翼などに詳しい作家の古谷経衡氏は「『公金チューチュー』という言葉は、昨年から若い女性の支援団体を攻撃する際に使われ始めた」とし、「『在日特権』という言葉はネットの中ではもはや古い部類。新しい言葉を使いたかったのだろう」とみる。

 杉田氏の発言はなぜ止まらないのか。古谷氏は「確かにムキになっているようにみえるが、それは杉田氏が追い詰められていることへの裏返しだ」と説く。「自民党を離れた時のために、おとなしくしているわけにはいかず、注目され続け、食いぶちを確保しておきたい心理の表れでは」

◆沈黙を貫くなら「和人たちはみな同じ意見と映る」

 そのためにアイヌ民族が侮辱され続けていいのか。古布絵作家で詩人のアイヌ民族、宇梶静江さん(90)=北海道白老町=は「どうしたらこんなにもひどいことが言えるのか、あきれる」と深いため息をつく。

 東京で暮らしていた1973年に東京ウタリ(同胞)会を設立し、アイヌ差別解放運動の中核を担ってきた宇梶さん。「アイヌ民族の問題ではない。和人たちはこういった発言を一体全体どう考えているのか、逆に聞きたい」と切り出し、こう続けた。

 「杉田氏の発言に沈黙を貫くことは、和人たちは皆同じ意見なのだと、アイヌ民族には映る。良識ある和人たちは押し黙ったままか。アイヌ民族は、この状況をしっかりとみている」

https://www.tokyo-np.co.jp/article/290003


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杉田水脈氏、アイヌ事業をやゆ 関係者を「公金チューチュー」

2023-11-12 | アイヌ民族関連

共同通信11/11(土) 16:11配信

 自民党の杉田水脈衆院議員は11日までに、保守系月刊誌のユーチューブ番組に出演し、アイヌ文化振興事業に公金不正流用疑惑があるとの見方を示した上で、関係者を「公金チューチュー」とやゆした。昨年12月の総務政務官辞任について、アイヌ関係団体に直接謝罪するのが嫌でやめたと明らかにした。アイヌの人々の名誉と尊厳を傷つける発言で、強い批判を呼びそうだ。

【写真】「差別していない」 ユーチューブへの投稿動画で語る杉田水脈衆院議員

 インターネット上では、マイノリティー(少数者)の支援団体や当事者らが補助金などを必要以上に得ているとして「公金チューチュー」と呼んで卑しめる向きがある。杉田氏の発言はこれをなぞったもので「流行語大賞にノミネートされても良かったと思いますけれどね」とも語った。

 政務官辞任を巡っては、アイヌ民族や学者らでつくる市民団体「アイヌ政策検討市民会議」から自身の言動に直接謝罪を求められたのがきっかけだったと説明。市民会議が安倍政権に反発していたなどとして「こんな団体に謝罪するぐらいなら、私は政務官をやめます(と伝えた)」と振り返った。

https://news.yahoo.co.jp/articles/c863aeb7eed9364cf5bcc3f0ccb598b9297a8472


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アイヌ遺骨返還、道方針案に反対 市民団体が声明 /北海道

2023-10-06 | アイヌ民族関連

毎日新聞 2023/10/5 地方版 有料記事 340文字

 北海道博物館(札幌市厚別区)で保管するアイヌ民族の遺骨7体を巡る道の返還方針案について、研究者らで構成する市民団体「アイヌ政策検討市民会議」は4日、反対する声明を道などに提出した。

 方針案では、遺骨が発掘、発見された場所などの情報を半年間公表。返還を希望する団体が申請し、道が適切かどうか確認して決めると定めている。これに対し、同団体は返還手続き前に、保管に至った経緯の精査▽遺骨発見地域のアイヌ民族団体、関係者との合意形成▽返還を博物館側から申し出る形式――の3点を求めた。

・・・・・・

【真貝恒平】

https://mainichi.jp/articles/20231005/ddl/k01/040/052000c


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道博物館の遺骨返還 道方針案の再考求める アイヌ民族関係団体

2023-10-05 | アイヌ民族関連

会員限定記事

北海道新聞2023年10月4日 18:34(10月4日 22:39更新)

 道内のアイヌ民族や研究者らでつくる「アイヌ政策検討市民会議」は4日、北海道博物館で保管しているアイヌ民族の遺骨7体の返還について、道が示している方針案の再考を求める声明を鈴木直道知事と同博物館に提出した。

 道は9月、博物館で保管する遺骨について、返還を希望する団体から申請を受け付けるとの方針案を示していた。記者会見を開いた同会議のジェフ・ゲーマン代表(北大大学院教授)は「(遺骨を発掘され)民族の尊厳に打撃を受けた側に自ら手続きを強いることは、国際社会の先住民族政策の流れに反する」と述べ、方針案の取り下げと内容の再考を求めた。

・・・・・

(武藤里美)

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/919727/


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アイヌ文様「ルール必要」 空自機マークや着物、バスの外装で論争 関連団体、民族文化誤発信の指摘

2023-06-04 | アイヌ民族関連
会員限定記事
北海道新聞2023年6月4日 00:02
 アイヌ文様など、アイヌ民族の伝統的な文化を適切に活用するためのルール作りが進んでいない。自衛隊機の尾翼に「アイヌ文様風」のマークを採用したり、着物やバスの外装に使用し、民族文化の誤発信につながりかねないとして論争に発展したケースもある。海外では先住民族の工芸に対する認証制度などを設けて管理する例があるが、国内には先住民族の文化の管理や保護に関する規則は一部地域にしかない。専門家はアイヌ施策推進法に知的財産の保護を定める必要性を指摘している。
 「アイヌ文様の使い方はアイヌ民族自身が決めるべきだ。同意なしに使われてはならない」。道内のアイヌ民族や研究者らでつくるアイヌ政策検討市民会議の代表で、北大大学院のジェフ・ゲーマン教授はこう指摘する。
 航空自衛隊第2航空団(千歳)が昨年12月、アイヌ文様風の柄をT4練習機の尾翼に塗装。第2航空団によると、マークは隊員から募集して選考し、事前に北海道アイヌ協会に相談し「似ているが正式な文様ではないと確認された」という。ただ、アイヌ政策検討市民会議は今年1月に第2航空団にマークの使用停止を求める要請文を出した。

航空自衛隊第2航空団が制定したマーク(第2航空団提供)
 2018年には、大阪市の呉服店がインターネットのフリー素材の「アイヌ文様」を印刷した着物を発売。インターネット上でアイヌ民族の監修なしに和服に文様を入れることの是非などを指摘され、販売を中止した。20年には、胆振管内豊浦町が国のアイヌ政策推進交付金を活用した町内の循環バスの外装に、同じくフリー素材の文様を使用し、一部の文化伝承者が不適切だと指摘した例もある。
 国内では現在、個人・団体が、アイヌ文様を取り入れたロゴなどを特許庁に意匠や商標を登録する例はあるが、文様の使用などに関して統一したルールはない。北海道アイヌ協会も「間違っている文様の配置やアイヌ語の表記を目にする機会はあるが、協会に文様を認証したり間違いを指摘して修正させる権限はない」と困惑する。
 ・・・・・
(金子文太郎)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/856238/

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空自「アイヌ文様風」マークで論争 民族の伝統文化活用へルール作り進まず

2023-03-13 | アイヌ民族関連
会員限定記事
北海道新聞2023年3月12日 17:46
 アイヌ文様など、アイヌ民族の伝統的な文化を適切に活用するためのルール作りが進んでいない。航空自衛隊第2航空団(千歳)が練習機の尾翼に「アイヌ文様風」のマークを採用したところ、研究者らでつくる市民団体が1月中旬、利用差し止めを要請する事態に発展。国内には先住民族の文化の管理や保護に関する規則は一部地域にしかなく、アイヌ民族関係者から不適切と指摘される使用例が後を絶たない。専門家はアイヌ施策推進法に知的財産の保護を定める必要性を指摘する。
 「アイヌ文様の使い方はアイヌ民族自身が決めるべきだ。多くの同意なしに使われてはならない」。アイヌ政策検討市民会議の代表で、北大大学院のジェフ・ゲーマン教授はこう指摘し、1月16日付で第2航空団にマークの使用停止を求める要請文を出した。
 同団によると、マークは隊員から募集して選考し、昨年12月にT4練習機の尾翼に塗装した。事前に北海道アイヌ協会に相談し「似ているが正式な文様ではないと確認された」として現在も使用する。

航空自衛隊第2航空団が制定したマーク(第2航空団提供)
 国内では現在、個人・団体が、アイヌ文様を取り入れたロゴなどを特許庁に意匠や商標を登録する例はある。ただ、文様の使用に関して、統一した規制はなく、不適切な扱いが野放しになっている。道アイヌ協会も「間違っている文様の配置やアイヌ語の表記を目にする機会はあるが、協会に文様を認証したり間違いを指摘して修正させる権限はない」と困惑する。
 2018年に大阪市の呉服店がインターネットのフリー素材の「アイヌ文様」を印刷した着物を発売した際、ネット上でアイヌ民族の監修なしに和服に文様を入れることの是非などを指摘され、販売を中止した。20年には、胆振管内豊浦町が国のアイヌ政策推進交付金を活用した町内の循環バスの外装に、同じくフリー素材の文様を使用し、一部の文化伝承者が不適切だと指摘した例もある。
 日本政府も賛成票を投じた「先住民族の権利に関する国連宣言」は、先住民族の伝統的な文化表現について、先住民族が管理する権利を持ち、保護措置を取ることを各国に求めている。ただ、日本はアイヌ民族の先住権を定めておらず、先住民族の知的財産に関する制度も整っていない。
 一方、カナダでは先住民族イヌイットの芸術工芸品を非先住民族の作品と区別するための商標を政府が導入し、民族団体が管理する。米アラスカ州も州芸術評議会が先住民族の手作り品に認証を与え、複製品などとの違いを明示している。
 道内では、環境省が18年、釧路市の阿寒湖温泉街の建物に、アイヌ文様を装飾する際のガイドラインを策定。文様にはアイヌ民族の信仰や風習に関する意味が込められているとして、道路や床など踏みつける場所への使用を禁止している。同地域では19年、アイヌ文化を活用した商品の監修や適切な使用を独自に認証する一般社団法人阿寒アイヌコンサルンが発足。網走刑務所の刑務作業品など、これまで企業・団体から100件以上の相談を受けた。

網走刑務所が販売するアイヌ文様入り前掛けなどの作業製品。すべて阿寒アイヌコンサルンの認証を受け、包みに認証マークを表示している
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(金子文太郎)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/814976

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杉田水脈氏の侮蔑的発言 アイヌ民族が札幌で抗議集会

2023-02-26 | アイヌ民族関連
会員限定記事
北海道新聞2023年2月25日 20:35

抗議集会であいさつする木村共同代表(右)
 自民党の杉田水脈衆院議員がアイヌ民族や性的少数者をブログなどで侮蔑的に表現したことを巡る抗議集会「『人である人』集まろう」が25日、札幌市北区で開かれた。アイヌ民族や性的少数者など約120人がマイノリティーの人権尊重に向けて、より一層連帯していくことを確認した。
 道内のアイヌ民族や研究者らでつくるアイヌ政策検討市民会議、平取アイヌ遺骨を考える会などのメンバーでつくる実行委の主催。 平取アイヌ遺骨を考える会の木村二三夫共同代表(73)は「世界的に人権意識が問われている中、杉田氏の発言は、その流れに逆行している」とあいさつした。アイヌ民族や性的少数者ら約20団体・個人が順番に「差別は絶対に許されない」「謝ってほしい」などと、杉田氏や政府を批判する意見を述べた。
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(麻植文佳、金子文太郎)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/807285

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