ELLE2024/01/24
『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』で初めてオスカーにノミネートされたリリー。歴史的受賞となるか、注目が集まっている。
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リリー・グラッドストーン(Lily Gladstone)
現地時間1月24日(火)に第96回アカデミー賞のノミネーションが発表された。今年最も多く候補になったのはクリストファー・ノーラン監督の『オッペンハイマー』。作品賞や監督賞、主演男優賞など13ノミネートを獲得した。次に『哀れなるもの』の11ノミネート、『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』の10ノミネートと続く。
『キラーズ~』からは主人公のモリーを演じたリリー・グラッドストーンが主演女優賞にノミネートされている。彼女にとっても初のアカデミー賞候補だが、アメリカの先住民族の女優が主演女優賞にノミネートされるのも初めてのこと。ノミネート発表後、リリーがこの状況に疑問を呈している。エンタメサイト「デッドライン」に今の心境を聞かれると「とても名誉に思う」と喜びを口にしてから「なぜ私が最初なのだろう? なぜアメリカの先住民族が初めて選ばれるまでにこんなに時間がかかったのだろう?」とコメント。「こういった部門にノミネートされる作品のほとんどは先住民の土地で撮影されたものなのに、こんなに時間がかかった」。
リリーは今月初めに開催されたゴールデン・グローブ賞授賞式では先住民族にルーツを持つ女優として初めて主演女優賞を受賞している。自分の成果について聞かれるとリリーは「この映画が公開されたこと、ゴールデン・グローブ賞でこのような結果になったことに興奮している他の若い先住民族の女優たちに勇気を与えてくれることを願っている」と答えている。
「歴史上のさまざまなタイミングで、分野を問わず画期的な功績を残したにもかかわらず称えられなかったり、ただ単純に知られていなかったりする先住民族の女性がたくさんいる。語られるべき伝記は確実に存在する。なぜなら音楽、科学、法律などどんな分野であっても、それを築いてきたのはそういったこれまでの女性たちであることを先住民族の若い女性たちは知る必要があるから。私が彼女たちのストーリーを体現するのであっても、私の名前と考えを貸すだけ、物語を盛り上げるためのメモや励ましを与えるだけであったとしても、それは私にとってこの上ない贈り物のように感じる」。彼女たちの人生を語るためにも将来は監督業にも携わりたいと話している。
ノミネーションについて「私が最初だけれど、私が最後にはならないこともわかっている」と語ったリリー。初ノミネートで受賞を果たすのか、現地時間3月10日(日)の授賞式を楽しみにしたい。