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アイヌ語と日本語で語る民話 千歳の野本さんらがDVDと絵本発刊

2014-03-07 | アイヌ民族関連
苫小牧民報 (2014年 3/6)
 千歳市のアイヌ文化アドバイザー野本敏江さん(62)と苫小牧市で語り聞かせ活動を行う墨谷真澄さん(55)が、DVD付きの絵本「きつねのチャランケ」を刊行した。千歳の烏柵舞に伝わるアイヌ民族のカムイユカラ(神謡)を絵本化。故萱野茂さんの文に、東千歳中学校の竹津昇教諭が絵を付けた。DVDには野本さんのアイヌ語、墨谷さんの日本語による語りが収録されている。
 作品は、1匹のサケを食べたことでアイヌから散々に悪口を言われたキツネが、別のアイヌの前に現れて「サケはアイヌだけではなく、動物全てに神様が送ってくれたもの」と談判(チャランケ)する話。自然と共生する大切さと、問題を暴力ではなく話し合いで解決する、現代にも通じる教訓を伝えている。
 墨谷さんが千歳アイヌ語教室に通う縁で知り合った2人。共に小中学校への出張授業で、カムイユカラを伝えてきた。5年ほど前に訪問先の東千歳中で、生徒から「DVDやCDにしないんですか」と聞かれ、DVD付きの絵本の刊行を発案した。
 絵本はアイヌ文化伝承者の故萱野茂さんが、古老である故鍋沢ねぷきさんから聞き取り、物語にした文を生かした。竹津教諭の絵も、自然とアイヌの共生やカムイ(神)の存在を思わせる厳かな空気感を持ちつつも、優しさも感じさせるタッチ。DVDからは野本さんのアイヌ語による独特の節回しの神謡と、墨谷さんの日本語による語りが、絵とともに流れる。
 野本さんは「短い文の中に、アイヌ民族の生活の知恵が詰まっています。多くの人に読んで、聞いてもらい、アイヌ文化の良いところを知ってほしい」。墨谷さんも「人間にとって何が大切かのメッセージが込められています。子供をはじめ、多くの人に聞いてもらいたい」と話す。
 非売品で500部を発行。アイヌ文化振興・研究推進機構の出版助成を活用した。絵本は千歳市内外の図書館や小中学校、大学などに配布。「多くの人に触れてほしい」(野本さん)と、希望者には残部30部ほどを無料で贈呈する。問い合わせは千歳市蘭越生活館 電話0123(23)4964。
http://www.tomamin.co.jp/20140310513
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