釧路新聞2024.11.24
阿寒湖温泉街各地の展示会場を巡ったアテンドツアー
釧路市阿寒湖のアイヌ文化から着想を得たさまざまなジャンルの芸術作品を、阿寒湖温泉街を巡りながら鑑賞する「阿寒アイヌアートウィーク2024」(釧路市主催)が、23日から始まった。阿寒湖アイヌコタンの作家や現代アーティストらによる木彫りや刺しゅう、ガラス工芸などの芸術作品を同湖畔のホテルやギャラリー、土産物店など5カ所で展示。約3週間の期間中、大自然を舞台にアートを通じてアイヌ文化の魅力を体験できる。
観光シーズンの狭間である秋に誘客を図ろうと、市と阿寒アイヌ工芸協同組合(西田正男代表理事)が連携し、国のアイヌ政策推進交付金を活用して進める「アイヌ文化関連観光プロモーション事業」の一環で初開催した。
同イベントでは、阿寒湖温泉で滞在製作を行った現代アーティスト5組と、民芸品作製が盛んな同温泉で活動する地元作家14組の計18作品を、阿寒吉田屋、野の花ギャラリー、阿寒湖バスセンター、ホテル御前水、阿寒アートギャラリーの5カ所に展示。期間中の土日祝日(12月7日を除く)は、アイヌ文化伝統・創造館「オンネチセ」を午前10時~午後5時まで無料開放し、午後4時からは瀧口健吾さんによる語り部も開く(12月15日を除く)。
このほか、エリア内で伝統芸術の常設展示を行っているあかん遊久の里鶴雅や、阿寒湖アイヌシアター「イコロ」のステージプログラムも同時に楽しめる。
初日の23日には、アーティストや関係者を招いたオープニングプログラムが開かれ、冒頭では鶴間秀典市長が「作品があると、どの会場もがらっと雰囲気が変わり、このまちの可能性を感じた。これからも創作を続けていただき、アイヌ文化をもっと発信していこう」とあいさつ。イベントの無事故を願う伝統儀式「カムイノミ」や、3人のアーティストによるクロストーク、展示会場を巡るアテンドツアーが行われたほか、今年度製作した同温泉のプロモーション短編映画「urarsuye」(ウララスエ)の上映も実施した。
期間は12月15日まで。問い合わせは阿寒アイヌアートウィーク事務局info@akan-ainu-artweek.jpへ。