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TVディレクターを辞め、僕が猟師になった理由 『獲る 食べる 生きる』黒田未来雄氏に聞く

2023-10-02 | 先住民族関連

東洋経済2023/10/01 5:40

黒田未来雄(くろだ・みきお)/ハンター。1972年生まれ。東京外国語大学ドイツ語学科卒業後、三菱商事入社。99年NHKに転職、ディレクターとして「ダーウィンが来た!」などの自然番組を制作。2023年早期退職。狩猟体験や講演会、授業、執筆などを通し、狩猟採集生活の魅力を伝えている。(撮影:小倉雄一郎(小学館))

憧れて就いた自然番組ディレクターの職を51歳で辞し、ハンターになった。「帆はすでに僕の中にあった。でも畳まれていた」。今、北海道の山中に獣を追う。著者にとってそれは、より大きな自由。動物たちと、自然と、もっと一体になることだった。

『獲る 食べる 生きる: 狩猟と先住民から学ぶ”いのち”の巡り』(黒田未来雄 著/小学館/1870円/251ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

──30代半ば、1週間の有給休暇を使ってカナダ・ユーコン準州奥地に先住民のキースさんを訪ね、初めて狩猟の旅に同行されました。

普通の人と同様、かつての僕にとっても狩猟とはすごく遠くにあるものでした。ただ20代の頃から写真家の星野道夫さんが好きで、彼の本を通して、狩猟採集民族である北米先住民の世界や神話に興味を持った。そこから狩猟につながっていった感じです。

タギッシュ/クリンギット族の語り部として来日したキースと出会ったのが2006年。人間という存在は「大地の一部、水の一部」という彼の言葉が胸に響きました。その半年後、カナダに渡り、キースの狩猟に同行したんです。

──10年後、北海道への異動を機に、週末自ら狩猟をするように。

平日は番組制作の業務をこなし、週末は狩猟に出て深夜までかけてその記録をブログにつづり、ぶっ倒れるように寝て起きて出社して、週末また猟に出る、みたいな。疲労困憊(こんぱい)、でもやりたい。あんな生活、よくやってたなと思いますね。

そうした日々が6年続き、東京へ帰任して1年後、退職願を出した。理由は、制作の現場から離れ管理職の仕事が増えてきたことが1つ。そして、本に書いたような狩猟の生々しい情景はテレビでは表現できないジレンマがあった。

狩猟に出れば、例えば母熊を撃った後、木の上に逃がされた小さな子熊も撃ち、さらに命乞いするような目のもう1頭の子熊を撃つことがある。母親なしで冬は越せないから最後まで責任を持つ、みたいな話は番組では当然カットです。

1000万人に見てもらう番組にするには、わかりやすく見やすく楽しく、ある程度希釈しなくちゃいけない。ディレクター時代、それが歯がゆかったのに、今度は自分が若手にそう指導する立場になってしまった。別の表現形態で自分の考えを伝えようと思った。

食う者と食われる者、1対1の関係性を構築

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https://toyokeizai.net/articles/-/704904

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