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北斗星(10月4日付)

2022-10-05 | アイヌ民族関連
秋田魁新報2022年10月4日 掲載
 明治末期に敢行された白瀬矗(のぶ)中尉(にかほ市金浦出身)の南極探検は、犬ぞりを操る2人のアイヌ隊員なくしては実現不可能だったことだろう。ブリザード吹き荒れる氷原で、アイヌたちは他の隊員とは別にテントの外で寝ていたという
▼日本政府による同化政策が進む中、少数民族の誇りを懸けて探検に加わった彼らの思いを「決して忘れないで」―。先月オンラインで開かれた南極観測隊OBらによる「南極の歴史講話会」で、講師を務めた同市の佐藤忠悦さんが訴えた。佐藤さんは白瀬南極探検隊記念館の元職員で、「南極に立った樺太アイヌ」(青土社)の著者でもある
▼同書を主要参考文献の一つとした川越宗一さんの小説「熱源」(文芸春秋)は2020年に直木賞を受賞した。白瀬隊に参加したアイヌと、帝政ロシアによって祖国を奪われたポーランド人の民族学者が主人公だ
▼明治の富国強兵を主導し、白瀬隊の後援会長も務めた大隈重信が登場。「弱い国や民族は滅ぼされる。弱肉強食が人類の摂理である」との持論を展開する
▼これに対し民族学者は「私はその摂理と戦う。人の世界の摂理なら、人が変えられる」と答える。アイヌは「俺たちはどんな世界でも適応して生きていく。すべてを引き受け、補い合って」と応じる
▼今年2月にロシアによるウクライナ侵攻が勃発。プーチン大統領はついに東南部4州の併合を宣言した。弱肉強食の摂理を克服するすべを、国際社会は見いだせるだろうか。
https://www.sakigake.jp/news/article/20221004AK0022/
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