毎日新聞 2023/8/29 東京朝刊 有料記事 627文字

◆川村晴道(かわむら・はると)さん(24)
1916年に開設された日本最古のアイヌ民族資料館「川村カ子ト(かねと)アイヌ記念館」(北海道旭川市)のリニューアルに合わせ新館長に今夏就任した。曽祖父以降、代々家族が引き継ぎ4代目。「長く続いてきた価値を守っていきたい」と話す。
記念館の敷地内に自宅があり、アイヌであることは隠しようがなかったが、子どもの頃は「嫌だった」と振り返る。中学校では両親がアイヌの儀式に参加する様子を見た同級生にいじめられ、地域のアイヌの集まりへの参加も消極的だった。
転機になったのは父で前館長の兼一さんが2021年に亡くなったことだ。裏方として休みなく働く母久恵さんの姿を見て「一人で運営するのは大変だろう」と考え、後を継ぐ覚悟を決めた。
無口だった父からアイヌのことはあまり習っていない。ただ記念館の敷地にはアイヌの伝統家屋や祭壇があり、文化継承や権利回復に情熱を注いだことは伝わってきた。「父が曲げなかったことを僕もぶれずに死ぬまで続けていきたい」
変えていくこともある。新館では伝統的な生活用具など旧館で展示されていた資料だけでなく、現代の地元アイヌの作品も展示する。ほかの地域で暮らすアイヌとの交流は近年減っていたが、今後は再びつながりを持ちたいと願う。
・・・・
https://mainichi.jp/articles/20230829/ddm/012/070/064000c


◆川村晴道(かわむら・はると)さん(24)
1916年に開設された日本最古のアイヌ民族資料館「川村カ子ト(かねと)アイヌ記念館」(北海道旭川市)のリニューアルに合わせ新館長に今夏就任した。曽祖父以降、代々家族が引き継ぎ4代目。「長く続いてきた価値を守っていきたい」と話す。
記念館の敷地内に自宅があり、アイヌであることは隠しようがなかったが、子どもの頃は「嫌だった」と振り返る。中学校では両親がアイヌの儀式に参加する様子を見た同級生にいじめられ、地域のアイヌの集まりへの参加も消極的だった。
転機になったのは父で前館長の兼一さんが2021年に亡くなったことだ。裏方として休みなく働く母久恵さんの姿を見て「一人で運営するのは大変だろう」と考え、後を継ぐ覚悟を決めた。
無口だった父からアイヌのことはあまり習っていない。ただ記念館の敷地にはアイヌの伝統家屋や祭壇があり、文化継承や権利回復に情熱を注いだことは伝わってきた。「父が曲げなかったことを僕もぶれずに死ぬまで続けていきたい」
変えていくこともある。新館では伝統的な生活用具など旧館で展示されていた資料だけでなく、現代の地元アイヌの作品も展示する。ほかの地域で暮らすアイヌとの交流は近年減っていたが、今後は再びつながりを持ちたいと願う。
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https://mainichi.jp/articles/20230829/ddm/012/070/064000c