omi 9/4(水) 20:10
画像提供:OKI
ヒヤー!
アイヌ語旭川方言で「こんにちは」の意味です。2024年9月13日(金)、樺太アイヌの弦楽器トンコリ奏者で、国内外で人気のOKIさんが、綾のイベントスペースKioraにてライブを行います。
自らのルーツ、アイヌの音楽をベースに、唯一無二の音作りで世界的に評価されているOKIさん。アイヌについては、漫画「ゴールデンカムイ」を通じて存在が広く知られるようになりましたが、宮崎ではまだその文化や歴史については馴染みが薄い部分も多いと思います。そこで、ここではアイヌ民族の文化、その楽器、そしてOKIさんの音楽について簡単に紹介します。
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・北の大地と歴史:アイヌとは
アイヌは北海道、樺太、千島列島の先住民族で、独自の文化や言語を持っています。「アイヌ」とはアイヌ語で「人間」という意味です。
異民族による植民地政策により言語を含む伝統的な文化は破壊されました。ところが、それでも生き続けているのがアイヌ文化と社会です。この歴史は、アメリカにおけるネイティブアメリカン(インディアン)の歴史と通じる部分があります。
・神々と人間:アイヌの世界観と音楽
アイヌの文化では、すべてのものに「カムイ」(神)が宿っていると考えられています。神と人間が対等な関係にあることが多く、ユーカラ(神話)では神と人間が話し合いを通じて物事を決定するエピソードが数多く存在します。自然や神々との共存の中から、独自の音楽が生まれました。自然の音や動物の鳴き声を表現したり、特定のパターンを繰り返す特徴があり、トランス音楽に似たスタイルを感じます。波の音、川の音をずっと聴いているときの感覚に近いでしょうか。また、ロシアや他の北方民族、日本の民謡、流行歌の影響も受けています。
・大自然と心の声:アイヌの伝統楽器
アイヌ音楽を表現するための代表的な楽器はこの二つでしょう。
ムックリ:
竹で作られた口琴。口に当て、紐を勢いよく引くと「びょんびょんびょ~ん」と音を出します。北海道の民芸店などで1,000円くらいの手頃な値段で入手できます。
トンコリ:
樺太のアイヌより伝わる弦楽器。形はギターに似ていますが、構造はハープに近い造りになっています。つまり弦の数だけの音階しか出せない制約があります。倍音が生み出す響きのせいか、神秘的な音がします。トンコリを自作しているOKIさんは「トンコリで真夜中に凍ってしまった立木が裂けるような荒々しい音を出したい」とコメントしています。
・伝統と再構築:アイヌ音楽をルーツにしたOKIサウンド
OKIさんは2006年にOKI DUB AINU BANDを結成し、バンド形態で長年活動しています。ビートのきいたリズム、エフェクトをかけたトンコリの音。アイヌ音楽にレゲエやトランスの要素を取り入れた反抗的なスタイルは、国内外で高く評価されています。
今回はソロでの出演です。kioraの落ち着いた空間で、バンドとは一味違う素朴で瞑想的なサウンドに包まれることでしょう。宮崎に来るのは、2020年に国富町で行われたライブ以来です。
今回のチラシの手書き版は、シンプルながらライブの雰囲気がでてますね
・音と魂:音楽に刻まれる文化を知る
この記事でアイヌの説明を長くしたのは、まずはアイヌ民族と文化を知ってもらいたかったからです。ジャズ/ブルースにアメリカの黒人の歴史と魂が刻まれているように、OKIさんの音楽にはアイヌの物語が刻まれています。
・南の空と北の空:綾から北の大地を思う
すべてのものに神が宿るという考えは、神道も同じです。神話のふるさと宮崎県、自然との共存を目指す綾町。OKIさんがここで演奏されることにも、縁を感じます。せっかくのご縁、ぜひ北の音楽に触れてみませんか?遠く離れた北の大地。道産子の私としては、今回のライブを通じて北と南が、空のようにつながることを願っています。
道東のどこか (場所、撮影日失念)
OKI Live
日時2024年9月13日(金)
場所:kiora
住所:宮崎県東諸県郡綾町北俣1424-8
オープン:18:00
スタート:18:30
前売り:2500円
当日:3000円
オープニングアクト
HOZU & Muu chang @yawara_ya
予約:kioraの公式インスタアカウントへのDM、あるいは下記メールにてお申し込みください。
メール:organiccafe.yawaraya@gmail.com
Instagram:公式Instagram
Web:公式Webサイト
OKI DUB AINU BAND:オフィシャルサイト
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/998153afb04a6159fba70647e29e7ce624d34e1e