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アイヌ民族遺骨、北海道博物館など3施設にも 正規手続き経ず

2016-07-04 | アイヌ民族関連
北海道新聞 07/02 05:00、07/02 11:43 更新
 アイヌ民族の遺骨が、北大など全国の大学以外に、道内の博物館に保管されていることが、北海道新聞の調べで分かった。文化財として公となっている遺骨を除き、 北海道博物館 (札幌市)など3施設に計16体が明確な位置づけがないまま保管されている。博物館にあるアイヌ民族の遺骨については、国が全国規模で調査を進めており、大学保管の遺骨同様、慰霊や保管、返還などの扱いが議論となりそうだ。
 道内では、遺跡の発掘に伴ってアイヌ民族の遺骨が見つかるケースは珍しくない。文化財保護法に基づく埋蔵文化財として主に市町村が所有し、報告書などで公表されている。こうした手続きを踏んでいないアイヌ民族の遺骨が保管されていないか、博物館法に規定される登録博物館など道内の主要な博物館や資料館計35施設に尋ねた。
 その結果、道が運営する北海道博物館が5体を、函館市立函館博物館が10体(10人分に相当するか調査中で正確には「10件」)を、室蘭市民俗資料館が1体を、それぞれ収蔵室などで保管していると回答した。
 3施設の遺骨は、寄贈などで外部から持ち込まれたり、前身施設から受け継いだりしていた。いずれも、身元や埋葬時期、発掘の経緯などについて詳しい調査は行われていなかった。また、遺骨返還の権利を有するアイヌ民族らに保管状況が広く知らされていなかった。
 北海道博物館など3施設以外は、釧路市立博物館が取材に対し「回答を差し控える」と答え、残る博物館は文化財以外の遺骨を保管していないとした。アイヌ民族の遺骨が博物館に保管されている可能性は以前から指摘されており、文部科学省は全国の博物館など約5千館を対象に調査している。
 北大など全国12大学に保管されているアイヌ民族の遺骨約1600体も、多くは文化財ではない。遺骨収集の方法、保管や慰霊のあり方について、アイヌ民族らから問題を指摘されている。博物館の遺骨についても、こうした点が問われる可能性があり、胆振管内白老町に整備される「民族共生象徴空間」での慰霊も含めて今後、検討が求められそうだ。
 政府は、大学に保管されている遺骨について、身元が分かるものについては希望する遺族らに返還する方針。分からないものは、「象徴空間」に集めて慰霊するか、もともと埋葬されていた地域のアイヌ民族団体などへの返還を検討している。

アイヌ民族の遺骨を保管している道内の主要博物館(判明分)
博物館       遺骨数    入手の経緯など
・函館市立函館博物館 10体(10件) 4体は北大医学部元教授の家族から、1994年に寄託(後に寄贈)された。元教授が千島列島の占守島などで発掘したものとみられる。残る6体は、前身施設から受け継いだり、工事現場から出てきた遺骨が持ち込まれたりした。
・北海道博物館(札幌) 5体 道内の郷土史家と医師から1970~80年代に寄贈された。このうち3体のラベルなどに、見つかった場所とみられる道南の地名が記されている。
・室蘭市民族博物館  1体 開館時から保管しているが、提供者などは不明。

http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0288812.html

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