ナショナルジオグラフィック2023.11.18
美しく荒々しい北極・南極地域は、まるで異世界のような魅力を持っている。しかし、気候の温暖化が進むにつれて、極地の生態系はより脆(もろ)くなっている。
北極は地球上のそのほかの場所と比べて4倍の速さで温暖化しているとも言われる。理由のひとつは、陸地が存在しないことだ。北極地域は陸地ではなく、北極海に浮かぶ、長年にわたって凍りついたままの氷からできている。しかし、この氷が小さくなるにつれ、海は暖かい日光をより多く吸収し、地球の気候変動を加速させている。
一方の南極は、北極とは異なり、雪と巨大な淡水の氷の層で覆われた陸地だ。もし西南極の氷床だけでも解けるようなことがあれば、今世紀の終わりまでに海面が5メートル以上上昇するだろう。
こうした極地で今、ほかのどこにも存在しない野生動物と文化が危機にさらされている。北極圏には、多くの先住民族を含む400万人以上の人々が暮らしている。極北地域はまた、ホッキョクグマ、ホッキョクオオカミ、クジラなどの野生動物のすみかでもある。南極では、ペンギンの大群が冷たい大地を歩き回り、大陸を取り巻く水域には、植物プランクトンや藻類が繁茂して、腹をすかせたクジラの群れがやって来る。
極地の自然の美しさと、そこで暮らす数少ない勇敢な人々の姿を捉えた写真を紹介しよう。
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米アラスカ州のウトキアグビク(旧バロー)で年に1度のホッキョククジラ漁に出発するアラスカ先住民。商業捕鯨はほぼ世界的に禁止されているが、国際捕鯨委員会は、こうした地元住民の食料供給と文化的伝統にとって大きな意味を持つ捕鯨の重要性を認めている。(PHOTOGRAPH BY KATIE ORLINSKY, NAT GEO IMAGE COLLECTION)
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https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/photo/stories/23/111400040/