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1663年有珠山噴火、火砕流でアイヌ集落壊滅

2018-05-04 | アイヌ民族関連
読売新聞2018年05月03日 14時01分

 北海道伊達市有珠地区に堆積している1663年有珠山噴火の火山灰の中に、火砕流によるものが含まれていることが、北海道博物館など研究グループの調査で分かった。
 この火砕流によって、当時、同地区にあったアイヌの集落が壊滅したことも明らかになった。
 1663年の火山灰(厚さ数十センチ)の調査は昨年、同地区のカムイタプコプ下遺跡と有珠4遺跡で実施。透過X線撮影と顕微鏡観察で分析したところ、下部の淡いピンク色の層に、流れて堆積したことを示す斜めの筋(斜交葉理)が確認され、有珠山東側にある火砕流による堆積物と共通する成分も検出された。
 火山噴出物の多くは偏西風によって東に運ばれるため、有珠山の南西に位置する有珠地区に堆積した火山灰にも火砕流に由来するものがあると推定されていたが、科学的な調査で裏付けられたのは初めて。
 同地区はこの23年前にあたる1640年、対岸の駒ヶ岳の噴火で崩れた山頂の一部が内浦湾になだれ込んで起きた津波に襲われ、最大で20センチに達する海砂に覆われた。研究グループでは、災害がアイヌの暮らしに与えた影響を探るため、同地区の四つの遺跡について津波前後と噴火前後の土地利用の状態を比較したところ、津波前後では大きな変化は見られなかったが、噴火後には住居や畑などが失われ、ほぼ墓と貝塚だけになっていた。
 津波では噴火湾全域で700人以上が死亡、63年の有珠山噴火では5人が犠牲になっている。この噴火による人的被害は少なかったが、集落には致命的な打撃を与えたことになる。
 研究グループ代表の添田雄二・同博物館学芸員は、「火砕流の堆積が厚く、耕作が困難になり、アイヌは一時的にこの地を離れたと考えられる。有珠地区など有珠山の西側の地域は比較的安全だと思われているが、場合によっては火砕流に襲われる地域であることが分かった」と話している。
http://www.yomiuri.co.jp/science/20180503-OYT1T50054.html
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