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互いの文化や歴史学ぶ 二風谷・アイヌ×沖縄県立芸術大 歌や踊り通じて交流【平取】

2024-05-22 | アイヌ民族関連

2024.05.21日高報知新聞

アイヌ古式舞踊を披露する二風谷から参加の6人

【平取】沖縄県立芸術大学音楽部主催の二風谷・アイヌ×沖縄県立芸術大学「あしびとぅいけー」(遊び取替え)プロジェクト「アイヌ古式舞踊ワークショップ」が4月27日沖縄県那覇市の同大で行われ、約100人が参加して歌や踊りを通じて互いの文化や歴史を学んだ。

 同大で文化人類学を専門として、南西諸島を含む東南アジアの伝統芸能の継承について研究している呉屋淳子さんがプロジェクトに関わり、2019年度から3年間、文化庁の助成を得て「地域芸能と歩む」を同大の向井大策さんと企画・運営。23年度以降は、科学研究費助成事業が採択され、芸能文化の継承に取り組む人々と共に学び、語り合う「場」として、プロジェクトの企画・研究を行っている。今回のワークショップはこの研究事業の一環。

 年代、職業も様々な人が参加して、歌や踊りを通じた人と人、地域と地域との交流を指す「あしびとぅいけー」の精神にもとづいて、アイヌ古式舞踊ワークショップを行い、一緒に体験することで互いの文化に触れ五感を使って楽しみ、北の大地で培われてきたアイヌの文化、歴史、人と自然との関わりを学びながら、近代化の中で失いかけた文化の再生とそれを未来へ受け継ぐために必要なことを考えた。

 平取町二風谷から、木村美咲さん、原田梨乃さん、原田啓介さん、門別徳司さん、平村太幹さん、西山涼さんの6人がワークショップの講師を務めた。

 前半は二風谷のアイヌ古式舞踊「エムシリムセ」(剣の舞)、「チャピヤク」(アマツバメの踊り)ほか2曲を披露した後、参加者全員が踊りを体験。後半は同大学教員、学生、卒業生、琉球芸能の継承に関わる若手が歌三線と沖縄の踊りでリードし体験交流した。ディスカッションでは、普段どんなことを考え文化の継承に携わっているかなどを話し、互いの文化、歴史を学んだ。

 原田啓介さんは「沖縄県立芸術大学には沖縄の文化を学べる学部があり羨ましかった。学校組織でアイヌ文化・芸能を学べる学部を道内でも設置してほしい。学術的価値はあると思う」、原田梨乃さんは「沖縄の言葉を話せる人は多くいるが、アイヌ語を話せる人ほとんどいないので羨ましかった。踊りを見せるだけの一方通行に終わらず、現状や文化、歴史なども話せて良かった」、門別さんは「沖縄の人たちも交流することで他の文化を知り、自分たちの文化、芸能を再確認していたように思う」、木村さんは「沖縄の人たちはみんなで沖縄の踊りをすぐ踊れる感覚が凄いと思った。アイヌの踊りはなかなかそうはいかない。これからも交流していきたい」と話した。

 企画した呉屋さんは「会場の皆が歌や踊りで交流することで、より身近に感じ、ディスカッションでどんなことを考え、文化の継承に携わっているかも伺うことができた。汗をかき対話することで、身体を通じて互いの文化について『考える』機会を持てたのではないかと思う。北と南の芸能の交換を今後も継続していきたい」と述べた。

https://hokkaido-nl.jp/article/34005

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