北海道新聞 11/24 21:47 更新
平次郎の物語のアニメ化に向けた絵コンテ。本年度中に完成予定だ
【釧路町】大正時代に郵便物を運搬中に猛吹雪で遭難死しながらも郵便物を守ったアイヌ民族の郵便逓送人・吉良平治郎を題材にしたアニメーションづくりが進んでいる。制作する町はDVD化し、来春、郷土学習の教材として町内の小中高に配布するほか、インターネットでも公開する考え。吉良の殉職から来年1月で100年。町は「責任感や命を大切にするアイヌ民族の考えを広く発信したい」としている。
吉良は1922年(大正11年)1月に35歳で郵便逓送人になった。その3日目の夜、町内宿徳内で吹雪に遭遇。命を落としたが、マントにくるまれた郵便物は無傷で見つかった。功績は戦前、高等小学校の修身の教科書に紹介されたが、アイヌ民族であることには触れられなかった。
アニメは15分の短編と、40分の長編の2種。短編をDVD化し、長編についてはインターネットで公開する。制作は東京のアニメ制作会社が手がけ昨年度から始まり、現在、絵コンテの制作が完了。本年度中に完成予定で、事業費計2千万円のうち約1500万円を国のアイヌ政策推進交付金を活用する。
物語は、釧路市の劇団「釧路演劇集団」の尾田浩さん(66)が脚本を執筆し、2006年に釧路で初演された演劇「アイヌ逓送人吉良平治郎」などを基に制作。一般社団法人阿寒アイヌコンサルン(釧路市)と町アイヌ協会が監修した。アイヌ語や当時のアイヌ民族の暮らし、伝統文化のほか、差別された歴史も盛り込む。
町教委は「アイヌ文化や、多様な人を受け入れる心の大切さを伝えたい」とし、監修した阿寒アイヌコンサルン理事の広野洋さん(57)は「アイヌ民族の実話のアニメ化はまれで、幅広い世代に民族の伝統や差別された過去を知ってもらうチャンス」と期待する。(佐竹直子)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/615123

【釧路町】大正時代に郵便物を運搬中に猛吹雪で遭難死しながらも郵便物を守ったアイヌ民族の郵便逓送人・吉良平治郎を題材にしたアニメーションづくりが進んでいる。制作する町はDVD化し、来春、郷土学習の教材として町内の小中高に配布するほか、インターネットでも公開する考え。吉良の殉職から来年1月で100年。町は「責任感や命を大切にするアイヌ民族の考えを広く発信したい」としている。
吉良は1922年(大正11年)1月に35歳で郵便逓送人になった。その3日目の夜、町内宿徳内で吹雪に遭遇。命を落としたが、マントにくるまれた郵便物は無傷で見つかった。功績は戦前、高等小学校の修身の教科書に紹介されたが、アイヌ民族であることには触れられなかった。
アニメは15分の短編と、40分の長編の2種。短編をDVD化し、長編についてはインターネットで公開する。制作は東京のアニメ制作会社が手がけ昨年度から始まり、現在、絵コンテの制作が完了。本年度中に完成予定で、事業費計2千万円のうち約1500万円を国のアイヌ政策推進交付金を活用する。
物語は、釧路市の劇団「釧路演劇集団」の尾田浩さん(66)が脚本を執筆し、2006年に釧路で初演された演劇「アイヌ逓送人吉良平治郎」などを基に制作。一般社団法人阿寒アイヌコンサルン(釧路市)と町アイヌ協会が監修した。アイヌ語や当時のアイヌ民族の暮らし、伝統文化のほか、差別された歴史も盛り込む。
町教委は「アイヌ文化や、多様な人を受け入れる心の大切さを伝えたい」とし、監修した阿寒アイヌコンサルン理事の広野洋さん(57)は「アイヌ民族の実話のアニメ化はまれで、幅広い世代に民族の伝統や差別された過去を知ってもらうチャンス」と期待する。(佐竹直子)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/615123