ナショナルジオグラフィック APR 24, 2025
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さらに、高精度ゲノムデータからは、個々人のことだけではなく、属していた集団の特徴を、やはり高精度に推し量ることができる。
「船泊23号については、まず『所属する集団の遺伝的多様性が低い』といえました。これはつまり、集団の規模が小さかったことを示唆しています。それも、過去5万年にわたって集団サイズが、数千人程度と、小さかったようなのです。現在の狩猟採集民である南アメリカの先住民でも集団サイズは小さく、それは、狩猟採集民に共有する特徴のようです。その南アメリカ先住民は、ゲノムの分析から近親婚をしていることが明らかになっているのですが、少なくとも船泊23号からは近親婚の跡は検出されませんでした。これはもしかしたら、船泊遺跡を含む北海道の縄文社会では、婚姻圏がより広域だったか、あるいは近親婚を避ける社会システムだったのかもしれません……」
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https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/web/19/042300056/042400002/?P=2