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新型コロナによるパニック、南米アマゾン最奥地にも到達 ブラジル

2020-03-22 | 先住民族関連
goo.ne.jp2020/03/21 23:07
【AFP=時事】南米アマゾンの熱帯雨林の中心に位置するカラウアリは、簡単にたどり着ける場所ではなく、ボートで川を上ると1週間を要する。だが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)によって世界規模に拡大したパニックは、ここカラウアリにまで到達した。
 ブラジル西部を蛇行して流れる、茶色の大河川であるジュルア川沿いには、色鮮やかな高床式住宅の集落が散在しており、制度的には「自治体」として扱われている。
 だが、住民2万9000人は広さ2万6000平方キロに及ぶ土地に遍在し、その多くがこのアマゾン川の支流の西岸で暮らしている。外界とをつなぐ道路は一本も通っておらず、地球上で最も辺境にある町の一つだ。
 ここにたどり着くには、アマゾナス州の州都マナウスから飛行機で3時間かけて移動するか、ボートで7日かけてアマゾン川、そしてジュルア川を上るかのいずれかしか方法がない。
 ここ数週間、新型コロナウイルスはカラウアリの人々にとって、ニュースで耳にしたことにある遠い世界の話に過ぎなかった。
 だが今月13日、マナウスで新型ウイルスの初の感染者が確認されたことで、中国・武漢から欧州へと広がった新型ウイルスをめぐるパニックは、今や米大陸のジャングルの奥地にまで到達。
 外界から持ち込まれた病気による壊滅的な歴史を持つこの地域で、古傷となっているかつての記憶がよみがえった。
 住民のハイムンド・ダシルバドスサントスさんは河港近くの自宅玄関から、「病気を持ち込まないよう、ここを離れてマナウスに行かせたり、マナウスからここに来させたりしてほしくないと人々は言っている」と話す。
「私はカラウアリで生まれ、ずっとここで暮らしてきた。今年1月に80歳になったが、こんなことは今までに一度もなかったと言える」
■世界から遠く離れた場所
 ジョゼ・バルボサ・ダス・グラサスさんは、カラウアリの住民たちは世界の他の地域と同様、感染症から地域社会を守ることに没頭していると説明。
「わたしたちができることはすべてやっている。テレビで言っているように、病気を防ぐために手を洗っている」「病気の流行がここにこないよう、ただ神に祈るのみだ」
 カラウアリは17日、市長の命令に基づき、ボートや飛行機で到着した乗客たちを検査するための検問に乗り出した。
 だが新たな規制により、外界からカラウアリをさらに孤立させてしまうことへの懸念が高まった。
 住民の生活は、マナウスからボートで届けられる商品に依存している。薬、食料、工業製品…すべて自分たちではつくりだすことはできない。
 漁師であるルチアーノ・ダシルバさんは木造のカヌーから装備品を下ろしながら、もしボートの航行が影響を受けた場合「生き残るのが大変になる」と話す。「わたしたちはボートに依存しているんだ」
■感染症に脆弱(ぜいじゃく)な先住民たち
 新型ウイルスは、アマゾンで暮らす先住民の社会において特に懸念されている。先住民族にとって外界との接触はしばしば、異質な病気による大量死を意味するからだ。
 欧州からの最初の植民者たちにさかのぼる、長く痛ましい歴史においては、米大陸で暮らしていた先住民の推定95%が、主に天然痘などの病気によって死亡した。
 アマゾナス州は非常事態宣言を発令し、外部から先住民保護区へ訪問することを一時的に禁止。また全国規模の先住民組織であるブラジル先住民連合は、人々が集まるのを避けるため、会議や集会を中止した。
 アマゾン川の別の支流ネグロ川沿いに住むバレ人の首長、マリア・コルデイロ・バレ氏はマナウスで、多くの先住民コミュニティーは新型コロナウイルス感染症に関する限られた情報しかなく、感染症の潜在的な影響を懸念していると説明。
「先住民族にとってはデリケートな状況だ」とし、「新型コロナウイルス感染症であろうと他の病気だろうと、これまでにさらされたことのない病気であれば、われわれの健康や生活を脅かすこととなる」と指摘した。 【翻訳編集】AFPBB News
https://news.goo.ne.jp/article/afpbb/world/afpbb-3274535.html

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