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多様性生かし新しい世界 南米初、リオ五輪開幕

2016-08-07 | 先住民族関連
中日新聞 2016年8月7日 朝刊

リオデジャネイロ五輪の開会式で、日の丸が入った衣装を着て日系移民を演じるダンサーら=5日、マラカナン競技場で(共同)
 【リオデジャネイロ=本社五輪取材団】南米初開催となるリオデジャネイロ五輪が五日夜(日本時間六日朝)、開幕した。世界でテロや紛争など暴力と憎悪の連鎖が続く中、開会式は民族や宗教、政治などの多様性の尊重を人々に強く訴え掛けた。競技は一夜明けた六日朝(同六日夜)から本格的に始まり、メダルが期待される柔道では女子48キロ級の近藤亜美(三井住友海上、名古屋市出身)、男子60キロ級の高藤直寿(パーク24)が、そろって初戦の二回戦を突破した。
 開会式はリオ中心部のマラカナン競技場であった。先住民族やポルトガル人、黒人ら、さまざまな人種で築かれたブラジルの歴史や文化をサンバやボサノバなど多彩な音楽や踊りで表現。会場はカーニバルのような演出で彩られた。
 一九四五年八月六日の広島への原爆投下から七十一年。その時間帯とちょうど重なった式典では日の丸をモチーフにした衣装のダンサーらが登場し、今や約百五十万人に増えた日本移民の夢と苦難を演じた。
 南米大陸に初上陸したスポーツの祭典はスローガンに「新しい世界」を掲げた。ロシアの国ぐるみのドーピング問題に揺れる中、異例の幕開けとなったが、史上最多の二百五カ国・地域から、一万一千人超の選手が出場。十七日間で二十八競技三百六種目に挑む。
 入場行進は五輪発祥のギリシャ選手団から順にスタート。日本選手団は約百四十人で百四番目に登場した。そろいの赤い上着と白いズボン姿で日の丸とブラジル国旗を振り、両国の友好をアピールした。
 ひときわ温かな声援をあびたのは、中東やアフリカの内戦などで故郷を追われた十選手で結成された「難民選手団」。昨年八月にエーゲ海を泳いで欧州に逃れたシリア出身で女子競泳に出場するユスラ・マルディニは「世界中の難民の希望になりたい」との思いを抱き、観客席に手を振った。
 厳格なイスラム教で女性の体育が忌避されてきた国々にも変化が見えた。イランは、健常者でも障害者でも出場が認められたアーチェリー競技に出場する女子選手が車いすに乗って旗手を務めた。サウジアラビアは四人の女子選手がスカーフを頭に巻いて勝負に挑む。
http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2016080702000060.html

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アイヌ遺骨  独に17体 北海道協会、調査・返還要請へ

2016-08-07 | アイヌ民族関連
毎日新聞2016年8月7日 東京朝刊
 【ベルリン中西啓介】研究目的で収集されたアイヌ民族の遺骨が、ドイツに17体保管されていることが分かった。当時の記録から、1体は19世紀にドイツ人が札幌市内の墓から盗掘し、運び込んだことも判明。北海道アイヌ協会によると、独国内で遺骨が確認されたのは初めて。協会は今後、日本政府を通じてドイツ側に調査や返還を求める方針だ。
1体は19世紀に札幌市内で盗掘
 毎日新聞が入手した収蔵リストなどによると、独国内で保管されているのは、国所有の頭骨10体と骨1体▽民間団体「ベルリン人類学民族学先史学協会」(BGAEU)が所有する頭骨6体−−の計17体の遺骨。
 このうち国所有4体とBGAEUの1体は日本国内で収集されたとみられる。11体は今のロシア・サハリンで収集され、1体の収集地は不明。いずれも19世紀後半以降、人類学などの研究資料として集められた。
 国所有の遺骨はシャリテー・ベルリン医大が資料として収集した約8000体の骨の一部で、政府系機関ベルリン博物館連合(SMB)が管理する。戦争や東西ドイツ分裂により、長期間放置された。現在、データベース化に向けた作業が進められている。
 SMBは、サハリンで収集された頭骨6体の写真を開示。頭骨の左側頭部に、「Aino Sachalin Jacobsen」とあった。当時、アイヌの表記に使われた「Aino」と収集場所、収集者が記録された。
 BGAEUは頭骨6体の確認を終えており、今後SMBが作成するデータベースに統合される。また、BGAEUにある頭骨1体は、札幌で盗掘されたことが1880年発行のドイツの民族学誌から判明した。
 北海道アイヌ協会の佐藤幸雄事務局次長は「ドイツでの発見は、なぜアイヌが人類学のために研究され、盗掘の手法が用いられたのかを解明する手がかりになる」と話す。協会は海外に散逸した遺骨について国に調査の徹底を要請している。
http://mainichi.jp/articles/20160807/ddm/041/040/096000c

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返還に壁 独の研究140年の歴史 「不適切収集」の証明必要

2016-08-07 | アイヌ民族関連
毎日新聞2016年8月7日 東京朝刊

当時ウィルヒョウが描いた頭骨のスケッチのコピー=ベルリンで2016年7月6日午前9時59分、中西啓介撮影
 【ベルリン中西啓介】ドイツで見つかったアイヌ民族の遺骨について、北海道アイヌ協会は返還を求める方針だ。だが、ドイツ側は「不適切な収集」の裏付けなどが必要だとの考えだ。長年放置されてきた遺骨の調査には、140年以上という歴史の壁が立ちはだかっている。
 ベルリン中心部の国立図書館に19世紀発行の民族学誌が収蔵されていた。すり切れた布張りの表紙を開くと、アイヌの頭骨のイラストが次々と現れた。
 執筆したのは、ベルリン大教授のルドルフ・ウィルヒョウ(1821〜1902年)。細胞病理学や人類学の礎を作った「権威」だ。
 欧州でのアイヌ研究は、1860年代に英国で初めて遺骨が公開されたことで活発化した。「最も原始的な民族」とされたアイヌの骨を計測し、民族の特徴や人類の系統を解明しようとしたのだ。
 ウィルヒョウは、1873年、同誌でアイヌの遺骨を入手したことを報告。93年の同誌では、7体の頭骨を保有していることを明かし「サンプルを増やしたい。東アジアの仲間にアイヌの骨を送るようお願いしたい」と熱心に訴えた。
 「シュレージンガー氏が札幌の農業試験場(偕楽園)で収集した頭骨」。82年の民族学誌で、ウィルヒョウは具体的な収集者や収集場所を記載した。偕楽園は1871(明治4)年開設の札幌初の公園だ。
 他の記録では、旅行家のウィルヘルム・ヨーストら複数のドイツ人が遺骨を独国内に運んだことも分かった。
 運ばれた遺骨は今、どこにあるのか。人類学の資料を保管する研究機関に問い合わせる中で、ウィルヒョウが設立を主導した「ベルリン人類学民族学先史学協会」(BGAEU)と、彼が勤めたシャリテー・ベルリン医科大の収蔵品に残されていることが分かった。
 BGAEU代表のウォルフラーム・シーア・ベルリン自由大教授は6月上旬、6体の遺骨が記録された収蔵リストを提示。「33番にシュレージンガーとあります」と説明した。
 該当欄には「Aino(アイヌ) Yeso(蝦夷(えぞ)) Sapporo(札幌) Schlesinger(シュレージンガー)」とあった。毎日新聞の取材を受け、BGAEUは7月、ベルリン市内にある収蔵庫を調査。この遺骨を含む6体が今も保管されていることを確認した。
 シュレージンガーはどのように遺骨を入手したのか。それを解く鍵は、ベルリンから約540キロ離れた独西部ボンにあった。
 「冒とく行為がもたらす危険を避けるため、夜の闇に紛れ、素早く手前にあった頭骨を入手した」。1880年の民族学誌で、シュレージンガーが盗掘を報告したことが記録されていた。
 この民族学誌を所有するボン大のハンスディーター・ウールシュレーガー博士は「当時は墓の盗掘に恥の意識がなかったことの表れだ」と指摘。「さらに多くの遺骨が収集された可能性が高く、独国内の研究機関は独自に調査すべきだ」としている。
外交交渉、不可欠に
 ドイツにあるアイヌの遺骨の多くは19世紀に収集された。戦争などにより長期間放置されたことから、返還に必要な情報の不足も懸念される。今回取材で見つかった17体の遺骨のうち、国所有の11体を管理するベルリン博物館連合(SMB)が所属する国の財団は、遺骨などの扱いに関する基本方針を公表している。
 人体由来の収蔵品について、本人らの意思に反し「不適切に」収蔵された物でないかを調査。不適切だったり、収集地から異論が出たりした場合は話し合うとし「希望があれば返還も可能」とする。6体所有するBGAEUもこれに準拠する。
 だが、不適切の定義は、収蔵者側の判断に委ねられている。また、SMBの収蔵品は国に所有権があるため、SMBは「アイヌ側との話し合いには応じるが、返還は政府の判断だ」と言う。BGAEUは「アイヌだからという理由で包括返還することはない」とし、遺骨の由来の特定を優先させる考えだ。
 ベルリンには19世紀以降、人類学の研究拠点として1万体以上とも言われる遺骨が集められた。「20世紀最初の虐殺」とされるドイツの植民地・独領南西アフリカ(現ナミビア)でのヘレロ人虐殺でも、殺されたヘレロ人の遺骨が研究用として独国内に運ばれた。
 遺骨の存在が外交問題化したことから、2011年にシャリテー・ベルリン医科大は20体の遺骨をナミビアに返還している。
 ドイツ内のアイヌの遺骨のうち、取材で不適切な収集が確認できたのは、札幌で盗掘されたBGAEUの頭骨1体のみだが、北海道アイヌ協会は返還の対象を広げたい考えだ。
 SMBが保管する遺骨の一部は、収集したヤーコブセンの旅行記から、サハリン南部コルサコフで収集されたことが分かっている。協会は、これらの遺骨についても、北海道に住むアイヌの祖先である可能性があるとし、調査を求める考えだ。
 協会は日本国内に残された遺骨とドイツの頭骨を照合し、元の状態に復元した上で慰霊することを目指している。遺骨返還の実現には、日独の外交交渉が不可欠だ。
ドイツに運ばれた遺骨の収集地と数
 国が所有し政府系機関SMBが管理=計11体
・サハリンで収集された頭骨6体
・北海道で収集されたとみられる頭骨4体
・収集地不明1体
 民間団体BGAEUが所有=計6体
・札幌で収集された頭骨(シュレージンガーが収集)1体
・サハリンで収集されたとみられる頭骨5体
http://mainichi.jp/articles/20160807/ddm/007/040/063000c


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リオ五輪 開会式、世界へメッセージ 飯笹青山学院大教授

2016-08-07 | アイヌ民族関連
毎日新聞2016年8月6日 18時38分(最終更新 8月6日 21時24分)
 南米で初めて開幕したリオデジャネイロ五輪。五輪の開会式に造詣が深い青山学院大の飯笹佐代子教授(多文化社会論)に、リオの開会式への評価を聞いた。【聞き手・飯山太郎】
 近年の五輪開会式は開催地の文化や歴史をとらえ直したうえで、住民の主体性を再構築し、発信する場になっている。だがリオの演出は自国の歴史を描くことだけに特化せず、より世界へ向けたメッセージを感じさせた。
 まずアマゾンに住むインディオが登場、大航海時代に到来するポルトガル人と遭遇した。次いでサトウキビ畑の労働者としてアフリカから連れて来られた奴隷や中東の商人らしい移民が現れ、日の丸をあしらった衣装を身につけた日本からの移民も行進した。出会ったインディオとポルトガル人は握手などしなかった。
 人間は敵対や紛争を繰り返す、とイメージさせる演出が続いた。ところが、女性シンガーが「争いをやめよう」と呼びかけると、多様な人種や民族を表現した色とりどりのダンサー約1500人が融和を象徴するように華麗な踊りで式典を彩った。
 ブラジルの人種の多様性は世界屈指で、混血も進み出自にこだわらない国柄と聞く。だからこそ人種や民族の共生というメッセージが発信できたのだろう。入場した各国選手がまいた種が植物に成長し、それがつながって緑の五輪になる演出も環境保護というテーマを意識させた。
 4年後は東京で開会式がある。日本もアイヌや琉球王国などの文化があり、決して単一民族国家ではなかった。五輪の意義が真の国際主義にあるならば、東京は文化やジェンダー、障害などを巡る多様性にどう向き合うのか。挑戦的で説得力のあるメッセージを発信してほしい。
http://mainichi.jp/sportsspecial/articles/20160807/k00/00m/050/031000c

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アジア学生交流環境フォーラム 北海道・知床の大自然体感

2016-08-07 | アイヌ民族関連
毎日新聞2016年8月6日 西部朝刊
 「生物多様性と叡智(えいち)」をテーマに開催中の「アジア学生交流環境フォーラム」(主催・イオン環境財団、後援・毎日新聞社、中国青年報社、朝鮮日報社、トイチェ社)の一行は5日、世界自然遺産の登録地にある北海道・知床国立公園でフィールドワークを行った。
 知床五湖周辺はヒグマの生息地。原生林に囲まれた学生たちはトドマツやミズナラなど豊かな植生や湖岸からの眺めに見入った。
 この日は、住民主導でシマフクロウが生きられる環境づくりに取り組む標茶(しべちゃ)町を訪れた後、弟子屈町の川湯温泉でアイヌ民族の秋辺デボさんの話に耳を傾けた。フォーラムは8日まで。【明珍美紀】
http://mainichi.jp/articles/20160806/ddp/012/040/011000c


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北大学長「反省」 秋から遺骨19体返還

2016-08-07 | アイヌ民族関連
北海道新聞 08/06 05:00

北大のアイヌ納骨堂で行われた供養祭=5日
 北大の山口佳三学長は5日、過去に北大が研究目的で遺骨を収集していたことについて「これまでアイヌ民族の尊厳に適切な配慮を欠くことがあったことを真摯(しんし)に反省する」と述べた。北大で開かれたアイヌ民族の遺骨の供養祭「イチャルパ」でのあいさつで語ったもので、同大が保管する遺骨のうち、身元を特定した19体を今秋から遺族に返還する作業を始める考えも明らかにした。
 同大が アイヌ民族の遺骨問題 で反省を表明したのは初めて。山口学長は「国の政策に協力するだけでなく、教育研究機関としての独自の責務を適切に果たしたい」と強調。身元不明の遺骨も地域のアイヌ民族団体などに返還する方向で対応する考えも示した。
 政府の調査によると、遺骨は全国12の大学に約1600体が保管されており、名前などが分かる身元判明分は札医大の4体も含めて計23体。政府は今年3月に遺族に返還する具体的なルールをまとめており、遺骨が発掘された時期や場所、推定年齢などをホームページなどで公開し、親族など返還対象者が現れるかを確認する。北大、札医大とも「学内の手続きを調整しており、決まり次第、公表したい」としている。
 北大にあるアイヌ納骨堂は約千体を保管し、33回目のこの日の供養祭には北海道アイヌ協会関係者ら約150人が出席。文部科学省大臣官房審議官や遺骨を保管する全国の大学関係者も初めて見学に訪れた。
 遺骨問題をめぐり、北大は1985年から2001年にかけ道内5地区に遺骨35体を返還。日高管内浦河町から北大に持ち去られた遺骨の返還を求める訴訟が札幌地裁で和解し、12体が先月返された。紋別市や十勝管内浦幌町のアイヌ民族による同様の訴訟は同地裁で係争中だ。
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0301396.html?memberonly=true


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サハリンのフェス*アイヌ民族初参加

2016-08-07 | アイヌ民族関連
北海道新聞 08/06 07:00
 【ユジノサハリンスク則定隆史】ロシア・サハリン州ユジノサハリンスクで6、7の両日開かれる「北方少数民族芸術フェスティバル」に、北海道からアイヌ民族が初めて参加する。アイヌ民族の学生でつくる札幌大学の「ウレ〓パクラブ」のメンバーら10人が、かつてアイヌ民族も暮らしたサハリンで伝統の踊りや歌を披露する。
 フェスティバルは2010年から2年に1度開かれており4回目。イベントの国際化を図る州政府の招待を受け、日露青年交流センター(東京)の派遣事業として参加が実現した。フェスティバルを主催するサハリン州民族芸術センターのゾーヤ・ルシャン代表は「アイヌ文化を大事にし、サハリンとの関係を発展させたい」と話す。
 代表団は北大アイヌ・先住民研究センターの北原次郎太准教授(40)、ウレ〓パクラブの学生と教職員9人で構成。5日の前夜祭では、弦楽器「トンコリ」の演奏や弓矢を手に踊る「クリ〓セ」などを披露し、サハリンや極東サハ共和国に暮らす先住民族ニブフ、エベンキ、ナナイの人々との交流も深めた。
 北原さんは「サハリンにもアイヌが住んでいたが、敗戦後はほとんどいなくなった。アイヌのことを知ってもらい、途絶えかけてしまっているサハリンとのつながりを取り戻したい」。札幌大4年の川上さやかさん(22)は「サハリンの人にまずはアイヌの存在を知ってもらい、芸能を見て『かっこいいな』と感じてくれたらいい」と話した。
※ウレ〓パクラブの〓は小さなシ
※クリ〓セの〓は小さなム
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0301402.html


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ドイツ 国立新博物館にアイヌ民族遺骨 学芸員証言 9体、学者が収集

2016-08-07 | アイヌ民族関連
北海道新聞 08/06 05:00
 ドイツ・ベルリンの国立新博物館が、アイヌ民族の遺骨を9体保管していることが5日、分かった。博物館の学芸員が証言した。欧州各国では19世紀から20世紀前半、「アイヌ民族は白人」という学説の検証などを目的に、民族学者が道内やサハリン(樺太)から遺骨を収集したことが分かっている。ただ、2度の世界大戦で資料が散逸するなどし、保管場所はほとんど把握されていなかった。
 「アイヌ民族白人説」は戦後に否定されたものの、欧州には今も多くの遺骨があるとみられる。ドイツでの保管が確認されたことで、海外での調査を求める声が高まりそうだ。
 国立新博物館のベルンハルト・ヘープ学芸員(40)によると、9体の遺骨にはアイヌ民族のものであるとのデータが付されていた。そのうち6体には「S1」~「S6」の番号が付き、ノルウェーの民族学者アドリアン・ヤコブセンが収集したものと分かった。
 アイヌ民族に関する著作がある中央大学のウーベ・マキノ教授によると、ヤコブセンは1884年(明治17年)から85年(同18年)にサハリンで調査を行っている。遺骨はその時、収集した可能性が高いという。
 ドイツ国内にあったさまざまな民族の遺骨が2011年、国立新博物館に移管されたという。遺骨の整理作業は来年2月ごろまでかかる見通し。ヘープ学芸員は「9体以外に、アイヌ民族の遺骨が見つかる可能性もある」と話した。
 ドイツでは11年、ベルリン医科大がアフリカ・ナミビアの先住民族の遺骨20体をナミビア側に返還したことがある。ナミビアはかつてドイツの植民地で、ヘープ学芸員は「同一には論じられない。返還に関しては政治の話だ」と語った。
 アイヌ民族の遺骨をめぐっては、1996年に英国・ロンドンの自然史博物館に頭骨とされる3体が保管され、うち1体はアイヌ民族のものと判定できると自然人類学者の故埴原(はにはら)和郎さんが報告している。
 北海道アイヌ協会の加藤忠理事長は5日、「日本から約75体のアイヌ民族の頭骨が欧米に渡っているとの情報が入っている」と話した。一方、内閣官房アイヌ総合政策室は「(ドイツでの保管を)承知していないのでコメントできない」としている。(ベルリンで、小坂洋右)
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0301393.html

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アイヌ遺骨 慰霊と「反省」…北大

2016-08-07 | アイヌ民族関連
読売新聞  2016年08月06日
 北海道大学が研究目的で収集したアイヌ民族の遺骨を慰霊する「イチャルパ(アイヌ語で供養祭)」が5日、札幌市北区の同大医学部の敷地内にあるアイヌ納骨堂で行われた。
 北海道アイヌ協会の主催で今年で33回目。同協会の加藤忠理事長ら約150人が参加した。同大の山口佳三学長は「本学でもアイヌ民族の尊厳への適切な配慮を欠くことがあったことを反省し、これらの経験を深く記録に刻む」とあいさつした。
 同大は1003体の遺骨を保管。今年3月には大学が保管する遺骨を巡る裁判で和解が成立し、7月に浦河町で85年ぶりにアイヌの人たちに遺骨を返還した。
http://www.yomiuri.co.jp/hokkaido/news/20160806-OYTNT50012.html

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News Up アイヌの遺骨 なぜ全国に?

2016-08-07 | アイヌ民族関連
NHK 8月5日 22時17分

News Up アイヌの遺骨 なぜ全国に?
今月5日、北海道大学の構内にあるアイヌの遺骨を保管している納骨堂でアイヌの人たちなどによる先祖の供養が行われました。北海道を中心とした地域の先住民族、アイヌ民族の遺骨が現在、全国各地の大学などで保管されています。明治から戦後にかけて研究のためとして収集され、なかには、許可なく墓から掘り起こされたものもあります。最も多く保管しているのは北海道大学、実に1000体余りの遺骨です。今、これらの遺骨をアイヌの人たちのもとへ返還する動きが出ています。このニュースをめぐって、ネットでは、「知らなかった」「なぜ長い間そのままになっていたのか」などの書き込みも見られました。ようやく”ふるさと”に戻る動きも出てきた遺骨。翻弄された歴史に迫ります。
85年ぶりの”ふるさと”
「もう1度埋葬することができて本当によかった」。親族の遺骨が戻ってきたアイヌ民族の小川隆吉さん(80)のことばです。遺骨は北海道大学によって保管され、先月、ようやく小川さんのもとへ戻ってきました。実に85年ぶりの”ふるさと”です。今回、遺骨が戻ったのは小川さんたちが祖先の遺骨を自分たちのもとに取り戻そうと北海道大学に返還を求める裁判を起こし、和解が成立したためです。北海道浦河町の墓地ではアイヌの人たちが伝統的な儀式を行い、里帰りを果たした遺骨を前に慰霊の祈りを捧げました。
なぜ全国に遺骨が
なぜ、各地の大学などにアイヌ民族の遺骨が保管されているのでしょうか。明治から戦後にかけて、全国の大学の研究者が人類学の研究のためとして墓を掘り起こしアイヌの遺骨を収集していました。
当時の研究者は、主にアイヌの頭がい骨の大きさなどに関心を持って研究をしていたことが、論文などから分かっています。頭がい骨の大きさなどから、民族や人種の特徴が分かると考えられていたようです。
こうした研究の背景には、民族や人種により優劣をつける「優生思想」があったと指摘する専門家もいます。しかし、研究成果を具体的に何に生かそうとしていたのかなど詳しいことは分かっていません。
最も多い数の遺骨を保管しているのは北海道大学です。現在も1000体余りの遺骨を大学構内の納骨堂で保管しています。北海道大学だけでなく東京大学や京都大学などもアイヌの遺骨を保管しています。
平成25年に行われた文部科学省の調査では、全国の12の大学に、合わせて1600体余りの遺骨が保管されていることが分かっています。
さらに、こうした遺骨が大学以外でも保管されていることが新たに分かってきました。遺骨が保管されているのは13の施設で、内訳は、北海道内が博物館など12か所、北海道外が東京国立博物館の1か所でした。こうした施設で保管されていたのは合わせて74体の遺骨で、このほかに複数の人の骨が一緒に入れられていた箱も多く見つかったということです。
アイヌの人たちへの返還は進むのか
今後、遺骨の返還は進むのか。ことし3月、文部科学省は、大学が保管している遺骨のうち個人が特定されている遺骨について遺族などに返還する手続きを公表しました。ことし秋以降、各大学が、ホームページなどで遺骨の発掘時期や場所、推定年齢などを公表し、遺族などから返還の申請を受け付ける見通しです。
ところが、全国の大学で保管されている1600体余りの遺骨のうち、返還の対象とされている個人が特定されている遺骨はわずか20体ほどにとどまっています。長い月日を経て返還に向けた手がかりが少なくなっているのも事実です。
こうした中、政府は、東京オリンピック・パラリンピックが開かれる2020年までに、北海道白老町にアイヌ民族に関する国立の博物館や慰霊施設を整備する計画です。個人が特定されない遺骨など全国の大学に保管されている遺骨のほとんどは、この慰霊施設に集められる方針です。
ただ、アイヌには遺骨は「コタン」という集落単位で祭る風習があります。縁もゆかりもない1つの場所に遺骨を集めるという慰霊の方法が受け入れられないとするアイヌの人たちもいます。
大学はどう動くのか
今月5日に北海道大学で行われたアイヌの人たちなどによる先祖の供養には、北海道大学の関係者のほか、北海道以外からも初めて、東京大学や京都大学など遺骨を保管する8つの大学の関係者が参列しました。各大学の関係者を前に、北海道アイヌ協会の加藤忠理事長は「多くの民族が共生する社会をつくるため、まずは先祖のみ霊を慰めることが大切だ」と呼びかけました。すべての遺骨が“ふるさと”に戻る日はいつになるのか。全国の大学側が、遺骨の返還に向けてどう動くかが、注目されています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160805/k10010623371000.html


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アジア環境フォーラム 北海道・知床でフィールドワーク

2016-08-07 | アイヌ民族関連
毎日新聞2016年8月5日 21時43分(最終更新 8月5日 21時46分)
 「生物多様性と叡智(えいち)」をテーマに開催中の「アジア学生交流環境フォーラム」(主催・イオン環境財団、後援・毎日新聞社、中国青年報社、朝鮮日報社、トイチェ社)の一行は5日、世界自然遺産の登録地にある北海道・知床国立公園でフィールドワークを行った。
 知床五湖周辺はヒグマの生息地。NPO「知床ナチュラリスト協会」代表理事の岩山直さん(51)らから「ヒグマのすみかにお邪魔しているという気持ちを持ち、途中で遭遇しても慌てず、騒がず、ゆっくり離れて」と注意を受け、公園内の遊歩道を歩いた。原生林に囲まれた学生たちはトドマツやミズナラなど豊かな植生や湖岸からの眺めに見入った。
 インドネシア大のダマヤンティ・フランシスカ・ナタリアさん(21)は「大自然の中では多様な生き物が共存している。本来、私たち人間もその中の一つであることを感じた」と話した。
 この日は、住民主導でシマフクロウが生きられる環境づくりに取り組む標茶(しべちゃ)町を訪れた後、弟子屈町の川湯温泉でアイヌ民族の秋辺デボさんの話に耳を傾けた。フォーラムは8日まで。【明珍美紀】
http://mainichi.jp/articles/20160806/k00/00m/040/154000c

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阿寒の古道で特別イベント

2016-08-07 | アイヌ民族関連
釧路新聞  2016年08月05日
  釧路市阿寒町から阿寒湖温泉までを結ぶ古道「阿寒クラシックトレイル」の今年度イベントが、9~11月にかけての3回にわたり実施される。阿寒クラシックトレイル研究会(安井岳代表)などが主催し、北海道の名付け親松浦武四郎ら先人たちが築いた道を巡りながら開拓の歴史に身を委ねる。今年は9月10日から1泊2日の日程で、ウオーキングとアイヌ文化に触れる特別イベントを実施する。
http://www.news-kushiro.jp/news/20160805/201608052.html

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蔡総統、総統府前で先住民デモ隊と対話 今月中にも集落訪問へ

2016-08-07 | 先住民族関連
中央フォーカス台湾 2016/08/05 12:21

(台北 5日 中央社)原住民(先住民)族の日の1日に、原住民に対する不平等な扱いについて謝罪した蔡英文総統は3日午後、総統府(台北市)前で抗議を行うデモ隊の前に姿を現し、参加者の声に耳を傾けた。
デモ隊は同日午前に開いた記者会見で、1日の式典は心のこもった謝罪ではなく、原住民が統治者に謁見する儀式にしか見えなかったと批判。原住民問題の解決などのために総統府に設置される委員会の実行力にも疑問を呈した。
また、参加者の一部は、原住民の声を蔡総統に届けようと、約1カ月前に南部・屏東県の恒春を出発。政府などに土地を収奪された各地の集落を徒歩で訪問し、総統府前に到着したという。
自身も原住民の血を引き、中華民国(台湾)の総統として初めて原住民に謝罪した蔡総統。デモの参加者で、5月の総統就任祝賀式にも出演した原住民歌手、巴奈・庫穂さんが涙ながらに「我々はずっと騙されてきた」と訴えた際には、「私はあなたを騙していない」と返した。
さらに、蔡総統は「私にもう少し時間をください」「いつでも私に会いに来て」などと巴奈さんに語りかけたほか、デモ隊に対しても、今後の取り組みは原住民族基本法に基づき進めるが、必要があれば新たな法律をつくると約束した。
同日夜には、デモ隊から受け取った「歴史正義」と書かれた旗を総統府のオフィスに飾り、その様子を写した写真を自身のフェイスブックに投稿。コメントで「ともに多様で平等な国をつくろう」と国民に呼びかけた。
国家安全会議の姚人多諮問委員によると、蔡総統は早ければ再来週にも原住民の集落を訪問し、意見を聞くという。
(葉素萍/編集:杉野浩司)
http://japan.cna.com.tw/news/apol/201608050003.aspx

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アマゾン謎の先住民族イゾラド!「隔絶された人々」の暮し初めて記録

2016-08-07 | 先住民族関連
NHK 2016/8/ 5 06:00
【NHKスペシャル 大アマゾン 最後の秘境 第4集「最後のイゾラド 森の果て 未知の人々」】  総合 08月07日(日) 21:00 ~21:49

アマゾン川の「最後の秘境」を解き明かすシリーズの第4弾は、流域の先住民族「イゾラド」の生態に迫る。「隔絶された人々」を意味する彼らの正体は謎に包まれていたが、目撃情報が増えているという。
森に入った若者が弓矢で腹を射抜かれたり、川辺で遊ぶ少女に数本の矢が飛んで来たりし、近隣の村からはSOSが発信された。なぜ彼らは突然、現れるようになったのか。取材班はペルー政府と交渉し、現地に滞在しイゾラドを記録した。
【ナレーション】松田龍平 【音楽】佐藤正治
http://www.j-cast.com/tv/2016/08/05274526.html


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絵本の会 「伊福部物語」 没後10年記念出版 音更

2016-08-07 | アイヌ民族関連
十勝毎日新聞社ニュース2016年8月4日 14時06分
 音更町郷土史絵本の会(根本静香代表、会員7人)は、音更ゆかりの作曲家伊福部昭氏(1914~2006年)の生涯を描いた絵本「作曲家『伊福部昭』物語」を出版した。同会初の自費出版。根本代表は「世界に名をはせた作曲家が音更に住んでいたことを知ってほしい」と話している。
初出版した絵本「作家『伊福部昭』物語」を手にする会員。前列右から2人目が根本代表。後列左が吉田さん、同中央が青山さん
 同会は音更の歴史を子どもからお年寄りまで幅広い世代に分かりやすく伝えようと、町史などを題材に2013年から手作りで絵本を製作している。10作品目となる絵本のテーマに取り上げたのは、映画「ゴジラ」の楽曲などで知られる伊福部氏。絵本原画を町図書館で昨年8月に展示した。
 今年は伊福部氏の没後10年を迎え、8月に同会が携わる記念事業も控えていることから、会員間で「事業支援という名目で原画を絵本にして出版しよう」と計30万円を共同出資した。その際に原画のイラストを一部差し替えた他、より真実に基づくために伊福部氏の長女玲さんによる校正も経て、6月26日に出版に至った。
 絵本は伊福部氏が幼少期から大作曲家として大成するまでを32ページにわたり、水彩画の繊細なタッチと、小学校高学年を意識した読みやすい文章を添えてストーリー仕立てに紹介。
 元町図書館長として同館に「伊福部昭音楽資料室」の開設に尽力した青山昌弘さんが提供した資料も参考に、「アイヌ独特の音楽に触れた」「同級生の家で聞いた各地の民謡」など、音更での原体験が創作活動に影響を与えたと読み取れる記述が丁寧に触れられている。
 同館で16~21日に開かれる「第4回郷土史絵本原画展」で絵本原画を披露する他、20日には玲さんを交えた「伊福部昭没後10年特別講演会」での講演に先立って絵本の読み聞かせを行う。根本代表は「会場内では次回作品の出版も見据えてカンパを行う予定。皆さんのご協力をお願いします」と呼び掛けている。
 1000部発行。書店などでの一般販売はしていないが、会員の個人宅で1冊500円で取り扱っている。希望者は吉田勝之さん(0155・42・3235)へ。
http://www.tokachi.co.jp/news/201608/20160804-0024390.php

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