名古屋季節だより

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719 「冬枯れの武蔵野の茅葺民家」

2016-02-06 08:24:59 | 日記

 武蔵野の茅葺民家が、

 石神井池の傍らに移築されている、

 北風を防ぐ防風林が植えられてはいるが、

 風は家の中を通り抜けて行く、



 



 



 夏向きに建てられた多くの日本家屋に、

 弱い陽が注ぐ、



 



 大きな茅葺の屋根が家を包む、



 



 火の消えた竈、

 三和土の土間から人が消えて久しい、



 



 人が生活していた時には、 

 切られた囲炉裏には、

 終日火が焚かれ、

 部屋は暖く、

 煙は屋根裏を伝い害虫を駆除する、

 



 



 保存のために時折、

 柴が焚かれるという、

 梁は黒ずみ力強く家を支える、



 



 陰影の美を、

 欄間と透かし戸が産み出す、



 



 



 ガラスの無かった時代には、

 

      



 障子と襖と板戸、

 そして雨戸、



 蝋燭と、

 囲炉裏の火と、

 竈の火、

 ふとその様子を思う、



 



 縁側から外を見ると、

 きれいに切り揃えられた茅葺の庇が、

 額となり、

 一幅の絵を作っている、




 時間の止まった、

 冬枯れの武蔵野、

 


 
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