何もないと思われるところに、
隠されていたもの、
厚く堆積した落ち葉の下に、
カブトムシの幼虫が無数に眠っていた、
その一部を取り出し、
やわらかな土に移動させて、
サナギとなり、
さらに眠りにつく、
やがて、
樫や橡の木の蜜に集く、
何処に飛び立っていくのだろうか、
その先は知らない、
ハインツの林、
広からず、
しかし、
静かに木々に囲まれた区域、
庭園の入り口の藤棚、
藤の実が風に揺れている、
その向かいに、
中学高等学校の、
第3校舎が建つ、
橡の木に、
セミの抜け殻一つ、
ここに、
柘榴の木があるのを知っている者は、
何人いるのだろうか、
そしてここにも、
ドングリが丸まると育っている、
今年は成り年なのでしたドングリの、