名古屋季節だより

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そして尾張名古屋からの季節だより

54 月に叢雲

2013-07-24 10:59:57 | 日記
月に叢雲、花に風、
西日本では、そよとも吹かぬ、熱帯夜。

冴えわたった冬の月夜、
皓々とした光に、ピーンと張った冷気が走るのは、
遠い反対の世界の出来事。

  

  


東京国立博物館で出会った竹一重切花入、
裏面に銘が書かれています、「園城寺」小庵。
1590年、千利休作、伊豆韮山と伝えられています。
名前の謂れと言い、伝えられたる事柄の多い花入れです。
その一つに、

「宗易、園城寺の筒に花を入れて床にかけたるを、ある人、筒のわれめより水したたりて畳のぬれけるをみて、いかがと申されたれば、易、この水のもり候が命なりという。

附り

この筒、韮山竹、小田原帰陣の時、千の少庵へ土産なり。筒の裏に、園城寺少庵と書付け有り。名判無し。又この同じ竹にて、まず尺八を剪り、太閤へ献ず。其の次、音曲。巳上三本、何れも竹筒の名物なり。」

『山上宗二記 付茶話指月集』 熊倉功夫校注 岩波文庫

     

     


鎌倉から安土桃山時代にいたる歴史と芸術文化を統合した茶の湯、それらは現代の茶道とはいささか趣を異にしている。その精神性と文化はキリスト教の宗教改革の時代ともある種通じものがあるように感じるのもわたくしだけではないはずです。





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