西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

人類の進化、二本足直立歩行、その功罪・・・

2007-07-20 | 色々な仮説や疑問
人間は、とにかく四本足から直立二本足歩行に移って「人間」になり始めたと言える。何故、そうなったか明快な理由は未だ不明であるようだ。

しかし、実際にそうなったためにプラスとマイナスを招き、そのマイナスを克服する進化を未だ遂げていないらしい。
プラスは、大きな重い脳を支えることが可能となった。もし4本足なら重い脳に耐えかねて頭は絶えず垂れていなければならない。第二に、首の辺りに「余裕」が出来て声帯が発達して、言葉が発達、複雑なコミュニケーションが可能となった。一方、マイナスは、重い頭、体重を1本の脊髄で支えないといけなくなって「腰痛」が必然的になってきた。第二のマイナスは、女性が妊娠した場合、四本足の場合に比べて、直立二足歩行の場合は、赤ん坊は重力によって「下」に落ちやすく、外に出やすくなるために、それを防ぐために産道を狭くする「進化」が起こった。すると頭が大きくなるまで胎内で成長できず、10月10日で、頭も比較的小さく、目も見えず、手もちじこもったままで生まれざるをえなくなった。これは、チンパンジーなど類人猿の四足動物では、子供が生まれた瞬間から四足を利用して親に抱きつけるのと大きな違いである。

そのため、生れ落ちた「生理的未熟な」赤ん坊をある程度、自分で動きうるまでに慎重に育て大きくする必要がある。そこで、母親(イブ)は考えた。回りを観察して二つのことに気付いた。一つは、人類より「下等な」動物が巣をつくっていることである。類人猿は巣は作らない。鳥やビーバーは巣をつくる。その巣が子育てのシェルター(保護)になることを発見し、巣すなわち家を作って子供の保護としたのだ。(このこと自体は、西山先生や扇田先生が、『すまい考今学』や『住まいを考える』で指摘しておられるが、そのことを観察し、発見し、真似をしたのが母親の偉いところなのだ)住居研究者として私はある意味で「目からうろこ」である。第二に、「つがい」で子育てをしている例があることも発見し、自分の母親や女姉妹に子育て手伝いをコミュニケーションによって求めたのだ。これは、生物学者の長谷川真理子さんも紹介している「お祖母ちゃん仮説」である。人類だけが、今のところ、祖父母までが孫育てに参加、そのために乳幼児の死亡率が減って、人類の長生きが達成されているのである。

こういう子育ての智恵は、核家族制度という人為的制度により弱まっている。だから、社会的に、子育て支援システムとして行なう要がある。個々に無理ならば、プールとして社会的に人類の祖父母達が、人類の孫達の成長を支える制度を作ることである。一寸、論旨がずれたかもしれないが、どうであろうか。私も、それに参加したいと思っている。

今日の平安女学院大学共同講義で、富永義人先生から聞いた話の私流要約である。
「おばあちゃん仮説」:http://blog.goo.ne.jp/in0626/e/d577bc73ed175c37b0966f6258d85793



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