西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

随筆に見る日本人の心 芳賀 綏さん

2006-10-31 | 生活・空間・芸術と俳句・川柳・短歌・詩
ラジオ深夜便「心の時代」で芳賀 綏(はが・やすし)さんが『随筆に見る日本人の心』を話していて興味深かった。日本三大随筆と言われる『枕草子』『方丈記』『徒然草』、科学者で随筆家の寺田寅彦、弟子の中谷宇吉郎のもの、英文学者の福原麟太郎、さらにフランスのモンテーニューやパスカル、イギリスのベーコン等にまで話が及んでいた。
芥川龍之介が『徒然草』をかわず、小林秀雄は絶賛していると言う。頭が切れすぎて早死した芥川は『徒然草』をついに理解できなかったか、とのことだ。頭の良さを誇るのは清少納言の『枕草子』と言う。兼好法師の『徒然草』は、いぶし銀である。寺田寅彦は、科学と文学を「統一」するとすれば、随筆だろう、と言っていたようだ。西山先生も「愛読書」に『方丈記』や『徒然草』もあげている。まあ『住居学』の古典とも言ってよい。エピソードで面白かったのは、戦後『第二芸術論』で俳句を攻撃した桑原武夫が、旅に携帯したのが芭蕉の『七部集』といい、登山家でもあった桑原がヒマラヤ登頂記で自分の書いたものとヨーロッパ隊の書いたものを比べて、いかに自分のものが叙情的か、と後年言ったようだ。「くわばらくわばら」、歴史的な日本人の心情は表面的イデオロギー、論理では覆せないということか・・。日本の随筆とイギリスのエッセイは、少し違うと、昔イギリスに行った時思ったが、やはり違うもののようだ。(写真は、芳賀 綏さん)

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