西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

2013年の憲法記念日に考えたこと

2013-05-04 | 時論、雑感
改憲論者で憲法学者の小林 節さん(慶応大学教授)は、次のように言っている。

「・・・憲法というのは、日本の法体系の中で唯一、国民が権力者を縛ることができる仕組みです。権力者が判断を誤って暴走することがないよう、国民がブレーキをかけるためのものです。だから99条で天皇や閣僚、国会議員、公務員に憲法遵守擁護義務を課しているのです。
 
 これが立憲主義ということです。ここの理解がないから、改憲ハードルだけを下げよ、という考えが出てくる。・・・

自民党が憲法を変えたいというなら、正々堂々と国会の「3分の2」の多数で改憲をめざすべきです。それをしないで、まずは改憲要件の緩和からやろうと言うのは、自分たちの改憲案が国民を説得できないからです。・・・」

3日の『朝日』に憲法学者(東大教授)の石川健治さんが長文の寄稿をしているが(13面)、「96条という「革命」」という題である。見出しが二つ「立憲国家への反逆に動く議会政治家たち 真に戦慄すべき事態」「「勝つためのルール変更」選手は出来ぬ」

内容で勉強になったのは、国会で2/3以上の賛成議決が必要なのは、5つあって、それぞれの議院で(1)議員の資格を争う裁判で、議席を失わせる結論を出す場合、(2)会議を非公開(秘密会)にする場合、(3)院内の秩序をみだした議員に対して、除名の議決をする場合、(4)両院で結論の違った法律案を衆議院で再議決して国会全体の議決とする場合、そして(5)憲法改正の発議をする場合。

「これらの5つの場合のはじめの4つは、「出席議員」の2/3で議決できるのに対して憲法改正発議の場合のみ「総議員」の2/3にハードルをあげている。「それは5つの局面のうち、憲法改正発議が一番重たい問題であるからにほかならない。その際、衆議院だけでなく参議院の賛成が要求されているのも、5つの局面のうち、憲法改正が格段に重要であり、決定に熟議を要するからである。
 これに対して、現在高唱されている憲法96条改正論は、ほかの四つの局面は放置したまま、憲法改正についてだけ、通常の法律なみの単純多数決にしようというのである。
 問題の軽重に照らして、いかに内容のチグハグの提案であるかは、これだけでも明らかであろう。・・・」

新聞では「朝日」「毎日」が憲法96条の改憲発議条件として、衆議院議員、参議院議員の総数の2/3以上の賛成を1/2以上に緩和する安倍提案に反対している。珍しい対応ではないか。見守っていきたい。

憲法学者では改憲派も護憲派も多くは「ルールを変えるのは良くない」と言っている。極端なことを言うと、仮に1/2以上の発議で国民投票でも過半数を得て自民党等に都合よい「新憲法」が通ったら又2/3以上に戻して、今度は変えにくくすることも可能なのだ。そういう変なことが起こらないように「ルールは変えず」あくまで議員の2/3以上を説得できるような国民にとって魅力的な憲法案を考え出して正面から議論するべきだろう。

憲法は、あくまで国民が権力の横暴、逸脱を抑えるためにあるのだ、ということを念頭におきながら・・・。

私は、現・憲法の下で小学校から今まで過ごしてきたので、「血肉」になっている面もあるが、現・憲法は決して古くなっておらず、


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