東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

明治神宮「思い出人形展」2017会場内のご案内

2017-10-12 15:19:03 | 日々

 一昨日ぎっくり腰で鎮痛剤や湿布で安静にしていましたが、昨日は小康状態ではあったので、コルセットを着用の上、慎重に慎重に展示のお手伝いに出かけてきました。明治神宮本殿から東に出たところにある社務所の一階(参道から細い坂道を下ったところなので、地下一階のようにも見えます。)とりあえず展示が出来上がったので例年よりも多めの画像で今年の展示の様子をご案内したいと思います。

入り口で出迎えてくれるのは大きなくまさんのぬいぐるみと丁稚さんの人形とフラメンコのポーズ人形。

 メイン正面の雛飾り。昨年と同じメンバーが主ですが、並べ方が今年は違います。具体的には昨年は内裏様が上手、お雛様が下手でした。そのほうが古風な印象を醸し出すといわれていますが、今年は敢えてお雛様が上手の飾り方になっています。

抱き人形、市松さんのコーナーの一角。

個人的には一番美しいと思っている三つ折れ抱き人形。この時代の江戸出来の抱き人形は当時の役者の似顔に作られることが多いと聞いていますが、この子は誰に似せてあるのだろうか、と常々空想しています。身に着けている着物や裂もいい感じですね。

正面箱入りの市松さんは名手・平田郷陽によるもの。郷陽さんは生き人形や抱き人形の名手であり、後には創作の世界へ発展された人。人形を芸術のレベルに高めた最大の功労者と言われる人だったので、このような抱き人形を作っていた時代のものはかえって貴重なんだそうです。

同じく平田郷陽さんによる五月の熊乗り金太郎(中央)と近代御所人形の名手・野口光彦による人形(右)

「浮世人形」。かつて各家庭で7段8段の雛飾りがなされていた時代には必ず下のほうに飾られていた人形で昔話や芝居の名場面の題材を得た台つきの人形がありましたね。花咲爺さん、桃太郎、舌きり雀、高砂、三条小鍛冶などなどいろんなものがありました。

羽子板のいろいろ。歌舞伎役者の大クビの押絵羽子板が特に知られていますが、錦絵写しのものや少女の姿のものや宝船の押絵だったり、絹絵といって綿を入れた絹張の画面にスターの似顔を描いたものや、板絵といって直接板に描いたり、焼絵を入れたものもありました。中央の一番大きなのは歌舞伎「四千両小判梅葉」のおでんやの富蔵でしょう。6代目菊五郎(~昭和24年)の当たり役だったのですが、六代目の面影写しなのかそれを受け継いだ17代目中村勘三郎さん写しなのかちょっとわかりません。富蔵の羽子板の右下にある極小の女春駒持ちの羽子板は明らかにに6代目尾上菊五郎の顔写しだと思います。

郷土人形、土人形、張り子だるまなど、、。壇上の飯田家さんの犬張り子もつい最近作者が亡くなられて、もう作られなくなったのは寂しいです。

こけしと入れ子など。昭和30年代から50年代にかけてのものが多いなか、側面しか見えませんけど一番大きな秋保温泉のこけしは戦前のもののようです。昭和30年代40年代までにものにはまだオーラというか何気なく情の濃いのが少なくありませんね。個人的には画面右端の弥治郎の新山久治の6寸くらいのがいい感じだと思います。

 今年はリカちゃん生誕50年ということでリカちゃんとその仲間に重点を置いて展示されています。バービーとかGIジョーとかは今年はお休みです。

 サザエさん人形とキューピーさんと文化人形。ブースカとかナショナル坊やもいるんですが、今年はお休みです。

フランス人形にポーズ人形のいろいろ中央の赤いレオタードの人形は、川崎プッペ作、左奥にはアーモンドマルセルなどのビスク人形や往年の名子役・シャーリーテンプルの人形も並んでいます。右手奥向こうの台は世界の人形コーナーで、ここ数年古典人形修復の第一人者である新井榛名さんの助手として自分も飾らせてもらっているコーナーです。

手前に右の二人がシャーリーテンプルちゃん人形。その左に西洋のビスク人形が並んでいます。

和製ビスクの数々。これらの人形と遊んだ世代の方、いらっしゃるのではないでしょうか。

「ひよっこ」の時代に親しまれたさくら人形とも呼ばれたフランス人形。我が家の近所にこういう人形を作っていた工場がかつてありました。

シュタイフのテディーベアをはじめとする動物たち、右は世界の人形のはじまりで、アフリカ、中近東からヨーロッパ、中央アジア、東南アジア、オセアニア、アメリカ大陸の順に並べました。エスニック、オーガニックなものから素材は大量生産的に衣装をつけたものまでいろいろあります。

その中で表情がいいなと思いながら飾ったオーストリアの人形たち目線を合わせて腕組みさせてみたりして、ちょっとした「色模様」の感じが「いいね」をいただきました。(自画自賛 💧)

展示は人形感謝祭当日の15日までで、入場無料です。お出かけの難しい方、これらの画像で雰囲気の一部を感じていただければ、と思います。