東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

今戸焼(46)サザエさんの型抜き遊び

2011-03-25 02:33:19 | 今戸焼(浅草 隅田川)

P1010012 つい数年前?までは、葛飾東四つ木の橋本さんの窯がまだあり、焙烙などと一緒にこうした型抜き遊びの型も製造されていました。

いつぞや葛飾区郷土と天文の博物館で、葛飾区内の今戸焼をテーマにした特別展が開催され、来館者に「焙烙の使い方」についてのクイズがあって、正解者に型抜き遊びの型を景品にしていて当たった憶えがあります。

大小さまざまな型があって、当時の人気キャラクターのものが作られていたようで、現在は同館に所蔵されていると聞きます。

このサザエさんもまた、橋本さん製かどうかはわかりませんが東京近辺で作られ、売られたものでしょうか。型に金粉、銀粉などを振るか、筆で色粉を滑らしておいて、粘土を押し当て、抜いて遊びます。年代的に私もリアルタイムで遊んだ記憶はあるのですが、型や粉をどこで買っていたかが、いまいち鮮明には思い出せません。記憶が交錯しているのです。

近所の駄菓子屋のお婆さんのところだったか、、それとも公園にやってくるおじさんだったか、、。昔、公園には紙芝居屋のおじさんが来ていました。紙芝居の前後にミルク煎餅2枚を梅ジャムやオレンジジャム(いかにも体に悪そうな毒々しい色と酸っぱい甘さ)を塗って竹串を挟み、色とりどりのコーンで耳や鼻をくっつけてうさぎさんの形に作ってくれたりしていたような、、。

手間のかかる細工のものは当然高かった。又、缶づめのみかんに水あめを着せてヘラにつけて売っていました。

紙芝居屋のおじさんとは別に、型抜き屋さんのおじさんが来ることもありました。ただ、ひと口に型抜き屋さんと言っても、画像のような今戸焼の型抜きとは別のもうひとつの型抜き遊びというものがありました。うどん粉か何かを練って延ばしたようなぺっちゃんこの生地片にミシン目のような切り込みが入っていて描かれている顔だの動物だのキャラクターの形をいかにきれいにバリを除いて抜き出せるか、、という遊びで出来上がりを採点してもらい、よい点数なら景品が貰える。しかし、これがなかなかそううまくいかない。 生地が結構固いのです。もしかするとうどん粉を練って伸ばしたのではなくて、別の素材だったのかもしれません。それがまさか今戸焼だったとは思えませんが、、。

話が脱線してしまいましたが、画像の今戸焼の型抜き遊びも確かに経験しているのですが、それが駄菓子屋だったか、公園だったかがはっきりしません。ただ交錯している記憶の中で、こうした型を見ると、梅ジャムやオレンジジャムのあの味と香りを思い出してしまいます。

最近食べる機会が全くといってありませんが、妙なもので、全然関係のないにおいが、昔の記憶へ誘うということがあります。梅ジャムの香りへと誘うもの、、それは私にとっては水虫薬のにおいでした。