東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

田圃の太夫

2010-08-05 03:42:09 | ああ懐かしき、、

2007_0101_000000p1010582 浅草寺の裏手の浅草田圃のあたりに住んでいたというので「田圃の太夫」と呼ばれていた沢村源之助さん。(何代目だったかは忘れてしまいました。)昭和のはじめにお亡くなりになっているので、伝説の役者さんですが、プロマイドやレコードは残っているので、それらを通してその舞台を空想しています。

今では、直接その舞台をご覧になった、という人はもういらっしゃらないでしょうね。

現在の浅草警察署のある辺りに昔宮戸座という芝居小屋があって、そこで活躍されていたのが特に有名です。女形ですが立役も勤めていて、女形ではこの「切られお富」のような伝法な役がとくに無類だったそうです。立役でも「弁天小僧」なんかよかったそうです。

現在市販されているCDで「三人吉三」のお嬢吉三を聴くことができます。昔、某所で「女河内山」のSPレコードを聴いたことがありました。

「切られお富」にしても、近年そうしょっちゅう上演される狂言ではないのですが、高校生の頃、吉祥寺の前進座で先代の河原崎国太郎さんが演じられたのを観ることができました。国太郎さんは戦前、「お染の七役」の初役のとき、直接田圃の太夫から教えを受けたそうですから、私が観た国太郎さんのお富も「源之助張り」だったのだろうと思っています。素晴らしくて、鳥肌立って、ホクホクして観ました。そのお手本であった田圃の太夫はどんなに素晴らしかったことか、、、、、。「総身の疵に色恋も 薩埵峠の崖っぷち、、」