生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

1646 ・”漁夫の利”を得た共産党――わがままな独自路線は変わらず

2013-06-25 08:07:34 | 日記

おはようございます。                                                                    生き生き箕面通信1646(130625)をお届けします。

・”漁夫の利”を得た共産党――わがままの独自路線は変わらず

 東京都議選では共産党が躍進し、志位委員長は「この勢いを参院選につなげる」と、のたまわれておられます。わが世の春が巡って来たかのようなはしゃぎぶり。

 改選前の8議席が倍増以上の17議席に増えたのだから、喜ぶのは当選でしょう。しかし、共産党は有権者に積極的に支持されて議席を伸ばしたのでしょうか。とてもそうとは思えません。「ほかに投票するところがなかったから」と、消極的に票を投じた有権者がかなりに上ったのではないかと推測しています。

 「生活の党」の小沢一郎代表は、参院選に向けて早くから「オリーブの木」構想を打ち出し、なんとか実現しようと懸命に働きかけてきました。「オリーブの木」は、野党が協力して統一候補で戦う戦略です。

 小沢氏は、「日本の行く末にとって、今回の参院選は極めて重要な意義を持つ。野党が小異を残して大同につき、結束して統一候補を立て、当面は改憲勢力を3分の2以下に抑え込まなければならない。さもなければ、自民党を利するだけ」と、説いて回りました。それぞれの選挙区で最も強い候補者を、ほかの政党も協力して統一候補とする方式です。

 しかし、結局、オリーブの木はほとんど実を結んでいません。

 その大きな原因の一つが、共産党がほとんどの選挙区で独自路線を主張してゆずらないからです。共産党は「われわれは独自候補を立てる」と、対自民という大局的な立場に立って戦略を実行することができません。あくまでも、自党だけの都合を押し通す傾向が強い。へきえきさせられるのが常でした。統一候補なら自民党と互角に戦えたはずの選挙区でも、結果はやすやすと自民党候補を勝たせてしまったという”実績”だあります。

 自民党にしてみれば、「共産党さん、ありがとう」というところです。共産党は、自民党を助ける利敵行為を伝統的に続けてきたといわざるを得ません。

 戦後70年近くになるのに、共産党の統制は停滞したままです。党中央の叱咤激励にもかかわらず、党員数も機関紙「アカハタ」の読者数も、遅々として伸びません。

 今回、都議選で17議席を確保できたのも、ほかにこれといった候補者が見当たらなかったという”漁夫の利”を得たに過ぎない、と言っても過言ではないでしょう。

 17議席程度で喜んでくれるのなら、自民党にとっては痛くもかゆくもない。多少議論する時間が増えるだけです。だから、これほど都合のいいことはありません。自民党への不満のガス抜きになってくれるのです。ガス抜き役は貴重です。共産党は、政権取りを本気で狙うつもりはなく、外野席でうだうだ愚痴まがいの気炎を上げるだけだから、安心してうだうだ言わせておけばよいということになります。

 問題は、目の前に迫った参院選です。やはり、共産党は独自路線です。だから、ボクが投票する大阪選挙区(定数4)でも、結局、統一候補選びは失敗し野党が乱立することになりました。だから、自民、公明はほぼ当確です。残り二つのうち一つは、橋下氏地元の維新が有力。

 残り一つを争うのだから、共産党が他党の協力を得られれば議席確保は間違いない。そうした地合いを造るようになぜ努力してこなかったのか。「オレさまが正しいのだから、ついて来い」というだけでは、「連帯」は成立しません。

 価値観が多様化している今日、それそれが小異を残しつつも、大きな時代を造るためには大同につく「共生と連帯」の術を磨かねばならないのではないでしょうか。

 3年後の衆院選をめざして、あきらめることなく「オリーブの木」構想を追求しましょう。それぞれの選挙区で最も有力とみられる候補者に、一致して応援する方式を生かしましょう。共産党もぜひ足並みを揃えていただきたいものです。共産党には小児病的独善主義ではなく、大人の大衆運動論を求めたいと思います。