おはようございます。 生き生き箕面通信1628(130607)をお届けします。
・オバマ・習近平会談で、米中2強時代(G2)が幕開けかーー霞む日本の立ち位置
オバマ・習近平会談が本日6月7日と8日の2日間、米カリフォルニアの保養地で同じ屋根の下に一泊して行われます。中国のサイバー攻撃問題など、非常に微妙な扱いの課題も取り上げると見られていますが、より注目されるのは、「中国が望む西太平洋の”覇権”に対し、アメリカがどう対応するか」です。
アメリカのポチの立場にある日本の立ち位置は、ますます霞んでいくようです。
首脳会談を控えアメリカは、「中国がサイバー攻撃を仕掛けている」と、オバマさんが議会で演説するなど中国非難のキャンペーンに力を入れています。たしかに、中国が軍もからんで諜報戦や、情報かく乱戦を仕掛けていると見られ、そのこと自体はけしからん話です。
しかし、情報戦で言えば、アメリカは世界中に盗聴網の「エシュロン」を張り巡らしており、あまり偉そうな口をきける立場ではありません。
エシュロンは1分間に300万の通信傍受ができるという大スパイ通信網です。参加国はイギリスやカナダ、オーストラリアなどで、日本も協力国です。青森県の三沢基地にエシュロンの日本基地があり、日本中の盗聴と、周辺国の傍受を四六時中行っています。北朝鮮の金正恩氏がディズニー見物にひそかに入国したときも、もとの情報はエシュロンによるものだったとされています。
それはともかく、中国海軍高官が6年前、米国の太平洋司令官に、ハワイをはさんで東はアメリカ、西は中国が管理する形にしてはどうか、と提案したことがありました。
もちろんアメリカに受け入れる考えはありませんが、中国はその後も同じ提案をし続けています。明らかに西太平洋を中国の勢力圏にしようとする戦略を持っているわけです。
アメリカの国力は下降気味だから、太平洋においてもこれまでのように圧倒的な優位を保つことはほぼ不可能です。他方、登り龍とされる中国は、潜水艦を多数太平洋に配置する勢いです。アメリカ第7艦隊の空母も、多数の中国潜水艦につきまとわれては、これまでのような圧倒的に優位な振る舞いははばまれます。
もちろん、日本は守勢に立たされます。そのとき、例えば尖閣などの国益を守れるか。仮に、尖閣で現実に「限定紛争」が起きたとき、どういうことになるかです。
米中首脳会談では、実力行使だけは避ける合意をしてほしいものです。世界の平和と安定のための「新型大国関係」を築いてもらいたいものです。
安倍首相自身は、今も「中国包囲網」を仕掛けようと、中国を取り巻く国々へ出かけ、税金をあちこちにばらまいています。「中国封じ込め」ができるような時代ではないのですが、アベちゃんの頭は古く、梅雨に入ってカビもはえているようです。
いずれ、中国に引っ張り出されて、領土問題でも話し合いのテーブルにつかざるをえなくなるはずですが、さてどうすのでしょうね。少なくともはっきりしていることは、戦略的思考はできないということです。