おはようございます。 生き生き箕面通信1642(130621)をお届けします。
・「スポーツイベントより社会正義だ」と、ブラジル、トルコで高まる大衆運動
「サッカー大国 デモ過熱」と、本日6月21日の朝日新聞朝刊(9面)が、ブラジルで高まっている数千人規模のデモを写真付きで大きく伝えています。「生活の不満が『反W杯』に」という見出しもつけました。
読売新聞は一日早く昨日の朝刊で、「ブラジル『W杯より福祉』」という見出しをつけ、やはり写真付きで伝えていました。その記事の横には、「トルコデモ 長期化も 『沈黙の抗議』、各地に拡大」も写真付きで報じました。
ブラジルは、開催中のサッカー・コンフェデレーション杯のほか、ワールドカップ杯の予定地です。国技のようなサッカーで世界的な大会が開かれ、ブームに浮かれていてもおかしくないところですが、現実は「社会の不正」に対する不満が噴出、「W杯より、福祉を」という要求になっているわけです。
社会の不正とは、政治家の汚職などです。つまり、社会正義を求めているわけです。
トルコは、オリンピック開催招致で東京の強力なライバルになっていますが、長期のエルドアン政権に対する独裁反対、民主主義政権樹立を求める運動が続いています。長期政権のもとで、政治家の腐敗が横行し、社会正義を求める動きになっています。
両国に共通するのは、経済的にある程度豊かになり中間層が増えてきたなかで、自分たちの人間としての権利意識に目覚め、立ち上がってきた現象ということではないでしょうか。
「自分たちは民主主義的な存在である」と主張する、自然の盛り上がりのように見えます。そこには強制ではない、一人ひとりの自発的なつながりによる広い連帯感が見て取れます。社会正義を求める、やむにやまれぬ人々気持ち、「ならぬものはならぬのです」
日本はどうか。安倍政権は、私たちを抑え込める社会に仕立て変えようと、さまざまな手を打ちつつあります。国民番号制、秘密保全法、そして憲法改定。
TPP(環太平洋経済連携協定)によって、私たちの社会はアメリカ流に仕立て変えられようとしています。社会保険は、ハゲタカのようなアメリカ企業がばっこする形に変えられ、庶民の生命は単なる商品として扱われるようにさせられそうです。
原発は再稼働、消費税は増税。
自民党の参院選公約は、人権を踏みにじる社会、既得権益のための社会づくり政策がずらりと並んでいます。
しかし、世論調査では、安倍政権が高い支持率を示す結果になっています。私たちは安倍政権によって歴史的な社会変革をさせられつつあります。上からのクーデターとでも申しましょうか。
私たちが社会正義に突き動かされて立ち上がる前に、権力側の方がいち早く手を打ってきています。日本では「社会正義」は息の根を止められそうなピンチ。崖っぷちです。