おはようございます。 生き生き箕面通信1636(130616)をお届けします。
・「大飯運転継続の公算」と読売新聞ーー原発再稼働の本格的キャンペーン開始
「何が何でも原発は再稼働させるぞ」と、読売新聞が改めて読者洗脳を始めました。本日6月16日の朝刊一面トップは「大飯運転継続の公算」を大きな見出しで打ち上げました。
原子力規制委員会が昨日、7月上旬施行の新基準を満たすかどうかについて、現地調査を行ったあと、調査責任者が「安全対策に重大な不備はないとの認識を示した」にすぎませんが、読売は「9月に予定する法定検査まで、運転を継続する公算が大きくなった」と大々的にほうじているのです。
中を読んでみると、運転継続を認めるべき決め手は何もありません。むしろ、「ただ、今回の事前確認は、敷地内の断層評価は考慮していない。関電による地質調査が間に合わず、結論が出なかったためだ。9月に始まる法廷の『定期検査』を経て再稼働するには、断層評価を含め、改めて安全審査が必要だ」と結んでいます。
そうした大きな問題が残っているにもかかわらず、読売は4面で大きなスペースを割いて、「再稼働審査の先例に」の見出しをつけ、再稼働催促キャンペーンに打って出ました。
つまり、読売は無理筋を承知で、「それでも原発は動かさなあかんのじゃ」という強引な紙面を作っているのです。こうした紙面で、読者の頭の中に、「再稼働されるんや」という印象を植え込もうとしているわけです。
大飯原発の近くには活断層があることが分かっています。しかも、いったん過酷事故が起きた場合、事故処理の拠点とすべき「重要免震棟」もありません。原発は必ずこの免震棟を備えていなければならないにも関わらず、「これから作ります。完成は2,3年先です」という始末。
だから、できるだけ早く「廃炉」にすべき原発です。
ところが、現在日本の原発で動いているのは「大飯」だけ。原発推進勢力にとっては、貴重な橋頭堡です。それが場合によっては運転停止になるかもしれない、と危機感を強めています。
だから、とりあえず何が何でも9月まで運転を継続させる必要がある。そのうえで、新安全基準なるものに適合させて、二つ目を動かす。二つ目祖動かせば、あとはドミノ倒し風に次々再稼働させられる、という読みです。
二つ目の候補もほぼ絞り込んでいます。東電の柏崎刈羽原発です。
電力業界が狙う原発再稼働は、できるだけコストをかけたくない、というものです。「安全性をできるだけ高めようとすれば、膨大な費用をつぎ込まなければならず、それでは原発のメリットがなくなる」というのが、今も変わらない体質です。
府島第一原発であれだけの事故を起こし、その処理も済んでいないうちに、同じ経済最優先の論理で「再稼働」に走ろうとしているのです。
それを懸命に支える読売新聞。ジャーナリズムの風上にも置けない存在です。
読売のような論調は、そのうちNHKにも出てくるはずです。NHKは安倍政権を支える報道機関に成り下がりつつあります。とりわけ、日曜討論の司会者、また平日夜9時の大越キャスターなどは、すでに非常に変更した解説、あるいは司会者発言を行っています。
そして、アメリカですが、日本には何が何でも「原発継続」をさせるつもりです。アメリカの意向を最大限尊重する安倍政権。そうした意向に沿うことが自分たちの権益を守ることになる原発推進勢力。そうした既得権益グループの報道機関の読売新聞。既得権益勢力は強力です。