生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

1656 ・日銀の金融超緩和策でも、庶民の生活は傷むだけ

2013-04-05 06:30:42 | 日記

おはようございます。                                                                                生き生き箕面通信1565(130405)をお届けします。

・日銀の金融超緩和策でも、庶民の生活は傷むだけ

 本日4月5日付けの大手紙朝刊は、日銀の金融超緩和策のニュースが大々的に取り上げられています。文句なしの一面トップ扱いで、朝日新聞は「日銀、資金供給130兆円増」、読売は「日銀緩和策フル動員」と、一見、景気のよさそうな見出しが並びました。そして、両紙とも黒田総裁の「次元が違う緩和」というコメントも見出しに取りました。同時に株高が進んだことをはやしたてており、一気に景気が良くなりそうな紙面作りです。

 果たして、そうでしょうか。庶民の暮らしを伝える社会面には、金融緩和策の関連記事は両紙とも全く見当たりません。社会面を見る限り、「金融緩和って、どこの国の話し?」といったほど無関心さです。

 つまり、この国はどんどん二局化が進み、潤う富裕層や大企業に対し、置き去りの草の根庶民や非正規労働者という構図が際だっています。新聞紙面からも、1%対99%の二局化がくっきりと見えるようになりました。たしかに株高になり、デパートでは高級時計をはじめ高級品がよく売れるようになったそうです。高級マンションも売り上げを伸ばしています。しかし、庶民の消費は、「パンの値段が上がる。電気代が上がる。ガソリンも」と、ひと足早い値上げ旋風に消費を増やすどころではありません。

 政府や大企業経営者は、「良くやってくれた。期待以上だ」と手放しでほめました。黒田総裁を日銀に強引に送り込んだ安倍首相も「110%くらいあげたい」と、してやったりの表情です。

 しかし、内部留保で腹が膨れている大企業にカネをつぎ込んでも、投資先がないから貯め込むか、マネーゲームにつぎ込むかです。庶民にはカネは回ってきません。日本でのマネーゲームばかりでなく、海外に流出するカネは、また世界的なバブルを現出するでしょう。

 大企業にそれだけカネをつぎ込むなら、なぜ庶民に直接、カネを回さないのでしょう。企業に賃金を上げさせるのが無理なら、税金を下げるとか、場合によって直接手当として回せばいいのです。庶民の懐が温まれば、消費にカネが回り、経済がゆっくりと回り始めます。GDPの大半を占める個人消費が伸びなければ、経済が好転するはずがありません。それには、庶民の手元にカネが回るようにすることです。そんな簡単なことには一向に見向きもしない政治家や大企業経営者たち。

 黒田総裁が「次元の違う緩和策をやる」と宣言した内容は、簡単に言えば日銀の印刷機をフル回転させてカネをばらまくというだけの危険な策です。インフレにはなるかもしれませんが、景気はちっとも良くならない「不景気のインフレ」、つまりスタグフレーションの危険です。

 アメリカもドルを刷りまくっています。EUもユーロを刷りまくっています。そこへ日本も加わる。だから、世界中でカネがあふれかえり、カネの値打がどんどん下がります。株は上がるかもしれません。しかし、悪性インフレで、結局、世界同時不況に突っ込むのがオチなのではないでしょうか。その危険性に多くの識者が気が付いていても、いまは黙り込むばかり。大手紙をはじめジャーナリズムも劣化が著しく、沈黙するほかない。結果的に、政権をなすがままにさせています。「庶民の生活には目もくれない次元の違う金融緩和策」なるものが、そこのけそこのけ「緩和」が通るです。かくして庶民の生活は傷んでいくほかないようです。