生き生き箕面通信

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1569 ・参院選までにTPP参加の既成事実化を急ぐ安倍政権

2013-04-09 06:51:05 | 日記

おはようございます。                                                                             生き生き箕面通信1569(130409)をお届けします。

・参院選までにTPP参加の既成事実化を急ぐ安倍政権

 「日本は7月にもTPP(環太平洋経済連携協定)に参加する見通しとなった。米政府との事前協議で大筋合意した」と、本日の読売新聞朝刊がスクープ仕立てで伝えています。「大筋合意」の内容で驚くのは、日本がアメリカに全面屈服した内容となっていることです。つまり、安倍政権は、「どうせ屈服するなら早いうちにやってしまい、7月の参院選までにTPP参加の既成事実を作ったほうがいい」という考えのようです。

 読売が伝えるところによると、「懸案の自動車は、米国が輸入車にかけている関税の撤廃を一定期間後に先送りするとともに、日本が簡単な手続きで輸入する車の上限を年2000台から5000台に拡大することで合意。米自動車産業の保護と、米国車の日本への輸出拡大を求める米国側の主張に、日本が譲歩した格好だ」と、、最初から全面譲歩した、日本側が獲得したメリットはゼロの交渉であることが明らかにされています。

 さらに、「保険では、日本政府が、日本郵政グループのかんぽ生命保険の業務拡大に歯止めをかけるとした。また、非関税障壁やその他の関税については今後も2国間協議を続けることになった」と、報じました。この保険でも米国保険業界の要求を一方的に、全面的に飲まされました。

 日本政府はアメリカ側から「あなた方がTPPに参加したいなら、アメリカ議会の同意が得られやすいように譲歩する方がいいよ」とでもささやかれたのでしょうか。それほどアメリカにすり寄ってまで参加するメリットはありません。メリットどころか、百害あって一利なしです。

 「非関税障壁やその他の懸案については今後も2国間協議を続けることになった」そうです。「今後も協議する」ということですが、実態は協議する内容がアメリカ側の要求をいかに飲むか、であり、日本側が得られるものはごくわずか、ということが容易に予想されます。アメリカは、非関税障壁などについては、じっくり時間をかけて料理しようというハラのようです。

 7月の交渉に参加さえしてしまえば、つまりTPPバスにいったん乗車してしまえば、それは地獄行き。飛び降りることすらできません。アメリカさまのいいように、日本は解体され、ついばまれる地獄です。日本人はそこで死ぬこともできず、働かされ、貢がされ続けます。「働けど、働けど、わが生活(くらし)楽にならざり じっと手を見る」と、石川啄木。TPPバスで行った地獄では、「じっと手を見る」暇さえなさそうです。属国の従僕として、まじめに働いて稼ぎ、アメリカさまに貢ぎ続けるのです。安倍政権は、支持率が高いうちに難題はすべて突破してしまおうという戦術に切り替えたようです。

 この「事前合意」のニュースは、朝日新聞にはありません。安倍政権は、政権べったりの読売に「米との合意」をリークして世論操作に使う一方、政権に対し時に批判的な朝日にはリークせず(特落ちさせる)、メディアを差別して政権寄りに仕立てようとしている姿勢もうかがえます。安倍政権では、マスコミ対策のテクニシャンが裏で活躍しているようです。TPP参加の既成事実化が着々と進められています。