おはようございます。
生き生き箕面通信1182(120304)をお届けします。
・「フクシマは文明災。人類は原文明に還れ」と梅原猛さん
哲学者の梅原猛さんが今朝5時からのNHKテレビ(Eテレ)で、
「フクシマの原発事故後、人類が生き延びるためにどう考えたら
いいか、『新しい哲学』を模索して86歳のジジイがこれまでにない
ほど勉強しました」と語っていました。その「新しい哲学」としてたどり
ついた解は、「草木国土悉皆成仏」だと明快に言い切っていました。
「原発事故が起きた時、これは人間の『文明が裁きを受けている』と
思った。原発事故は、『文明災』にほかならない」と、穏やかな口調な
がら、これまで人類が築いてきた文明の根本からの断罪です。
「『われ思う、ゆえにわれあり』と説いたデカルトに始まる西洋哲学
は、行き詰った。その行き詰まりを打開する答えは、日本の文化の
中に根付いていた『草木国土悉皆成仏』の思想だと確信することが
できた」
「アイヌの文化を研究して衝撃を受けたのは、縄文以来の『自然に
敬意を払う』という原日本の文化が息づいていることが理解できた
ことだ。狩猟採取時代の『自然と共生する』生き方は、実は非常に
高い精神性を有していた」
「自然と共生する生き方は、『太陽』を崇拝しその恵みに感謝する
思想であり、それはエジプト文明の『ラー(太陽神)』、マヤ文明の
太陽神崇拝、そして日本も天照大神や大日如来など、世界中にもと
もとありました。それが西洋近代哲学によって片隅に押しやられて
しまった。私も西洋哲学を正面から批判することをちゅうちょして
いた。しかし、『自然の怒り』を感じるいま人間と自然との共生、人間
と人間の共生という原点に還ることを言わなければ死んでも死にき
れない」
「エコロジーはまだ近代文明そのものを批判するところまで行って
いない。エコロジーを突きつめていくと、近代文明を批判せざるを
得ない。原発に替わる自然エネルギーを必死で研究すれば、きっと
実現できるはずだ。『草木国土悉皆成仏』の思想に転換するには
100年くらいかかるかもしれないが、これ以外に人類が生き延びる
道はないと思います」