生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信1180 ・大統領が乗り出した慰安婦問題――歴史の直視を

2012-03-02 06:52:45 | 日記

 おはようございます。
 生き生き箕面通信1180(120302)をお届けします。

・大統領が乗り出した慰安婦問題――歴史の直視を

 韓国の李明博大統領が昨日3月1日の「三・一独立運動」記念式典
で演説し、旧日本軍の従軍慰安婦問題に関して「さまざまな懸案の中
でも速やかに解決すべき人道問題だ」と、日本政府に対応を急ぐよう
要求しました。

 これを伝えた昨日の日本の大手紙夕刊は、朝日新聞が比較的まとも
に取り上げたのに対し、読売は本文わずか13行の極めて消極的な
扱いで、大きな温度差がみられました。

 韓国では大統領選挙が今年末に行われるため、これをにらんだ人気
取りのキャンペーンという見方があります。しかし、だからといって軽視
してすませられる問題ではなくなってきているようです。

 私たちは歴史と向き合い、歴史を検証しつつ、未来を手探りせざるを
得ません。しかし、この歴史の検証が最も苦手なのが私たちでもあり
ました。とくに戦前・戦時中のことは、すべて軍部と天皇制下の政治家
の責任に押し付けて、思考停止に逃げ込んできました。そうすることで、
歴史から貴重な教訓を学び、日本人として世界に胸を張って振る舞う
成長の機会をみすみす逃してきたのでした。

 李明博大統領は、「(元慰安婦が)亡くなったら問題が解決するという
ことではなく、日本が問題解決の機会を永遠に失うということだ」とまで
強調しています。 

 日本はかつて韓国を武力で併合し、植民地として支配。これに対する
最大の抗日運動が「三・一独立運動」で、韓国では教科書でも大きく取り
上げるなど国民的な記念日になっています。李明博大統領は、先に
来日した時も野田首相との会談で異例の時間を割いてこの慰安婦
問題の対応を求めました。

 つい先日、観光で行われた慰安婦問題「水曜デモ」1000回の日に、
若かりし頃の慰安婦を象徴する「少女像」が日本大使館にまなざしを
向ける形で設置されました。

 日本にとっては、東アジアの安全保障を強固にすることが存立の
基盤です。隣国の韓国とはとりわけ平和的な友好関係をしっかりと
築いていくことが欠かせない。その場合、両国の間に横たわる「わだ
かまり」は取り除く努力を真剣に続ける外交が必要です。

 慰安婦問題は、これまでにもさまざまな曲折を経てきましたが、いまだに
「わだかまり」として残っています。国連にも持ちだされ、慰安婦問題に
関する限り日本は国際社会から「うさんくさい目」でみられるようにすら
なってきたようです。

 私たちは改めて、本当に何があったのか、日本はきちんと責任を果た
したのか、歴史を検証することが求められます。韓国の人々と理解し合
い、わだかまりを解消して、平和な未来を切り開いていきたいものです。