おはようございます。
生き生き箕面通信1179(120301)をお届けします。
・「原発」が消えた党首討論
野田首相と谷垣・自民党総裁、山口・公明党代表との党首討論が
昨日2月29日に行われました。今回の党首討論でまったく触れられ
なかったのが、「原発をどうするのか」「これからの日本のエネルギー
政策はどうあるべきか」についてでした。「原発問題」への関心を意
識的に薄めつつあるように感じられます。
党首討論の冒頭で、わずかに谷垣総裁が「被災地のがれきの処理
が遅れている。全国で受け入れていかなければならない」と野田首相
の尻を叩いたのに対し、野田首相が「先日、沖縄を訪ねたときも、
仲井真知事に受け入れをお願いした」と答える場面があった程度です。
このやりとり自体にも大きな問題があります。「放射能汚染物の全国
拡散」を進めることが、「善」という結果になるからです。両党首は、
「人体に影響がほとんどないとされる低レベルのがれきなら、被災地
の復興に協力するためにも、全国が『絆の力』を発揮すべきだ」という
認識を前提にしています。しかし、果たしてそうでしょうか。低レベル
なら引き受けるべきなのでしょうか。
箕面通信1134号(今年1月16日号)でも触れたとおり、ドイツの放射線
防護協会の会長が「被災地からの放射能がれきの運搬を直ちに中止
するよう」勧告を出しました。同会長は、全国に受け入れを働きかける
「日本政府の無謀さ」に警告を発しています。「日本の全国民が、忍び
足で迫ってくる汚染という形で『第二のフクシマ』になる」と。
放射のがれきの処理は、全国にばらまく以外の形で進めなければなら
ないのです。そのための知恵を出し、どうすれば被災地の負担も軽減
できるのか、懸命の努力が求められます。
党首討論では、原発の再稼働問題もまったく取り上げられませんでした。
うやむやのなかで再稼働させることに、野党の自民党も黙認のようです。
本日の大手メディアで、この党首討論から抜け落ちた「原発問題」を
問題として取り上げるところはありませんでした。