生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信585 ・選挙報道は国民の期待を裏切り続けた

2010-07-11 07:32:25 | 日記
お早うございます。
生き生き箕面通信585(100711)をお届けします。

・選挙報道は国民の期待を裏切り続けた
 今日は参院選投開票日。深夜には大勢が判明します。多分、与党の過半数割れになるのでしょう。

 それにしても、実りの少ない選挙戦であり、選挙報道でした。菅さんが最大の焦点にもってきた「消費税引き上げ」も、今朝の各紙が伝えるように、菅さんは最後の最後で「消費税問題で混乱をきたしたことをおわびします」と、わけのわからない陳謝声明を出すしまつ。メディアも、ただそれを伝えるだけ。

 なぜ、こうなったのでしょうか。マスメディアに大きな責任があると思います。マスメディアの時代認識欠如が、タイムリーな問題提起を妨げ、つまらない選挙戦にしてしまいました。

 いまは、世界的に歴史的な大転換の時代です。たびたび指摘してきたように日本丸の進路の分かれ目です。これ以上、漂流を続けるわけにはいきません。マスメディアは「この国のかたちをどうするか」、それぞれの社の総力をあげて、問題提起すべきでした。最も根幹となる国の安全保障体制をどうするのか。これまでのように「日米安保条約体制」の単なる継続、あるいははやり言葉になった「日米同盟深化」でいいのか、粘り強く各政党の根本方針をただすとともに、国民的な議論を呼びかけるべきでした。

 国民の関心は、生活の先行き不安です。私たちの生活の「安心」をどこに託せばいいのか、それが最大の関心事ともいえます。年金、医療、介護から、雇用、教育など「生きていくための安心」を作るのが、そもそもの政治の根幹のはずです。そのための「消費税引き上げ」なら、理解もできます。国の財政が破綻してしまえば元も子もありませんから、きちんと立て直せるならそれも理解しましょう。

 しかし、与党のトップの菅さんがブレにブレまくる。信じられない光景でした。菅さんはもう少しましだろうと、どなたもが思っていたはずです。「な~んだ、菅も結局その程度か」という失望感。小泉・竹中が国の破壊、アメリカへの売り渡しを始めてから、安倍、福田、麻生、鳩山と失望に次ぐ失望。その結果の日本丸の漂流。先日6月末のカナダ・トロントでのG8、G20では「先進国は2013年までに赤字を半減にします」と申し合わせましたが、「日本はいいですよ。例外にします」と、とうとう先進国の立場からも格落ちさせられました。

 経済活性化策、これについても論議はすれ違いばかり。マスメディアは問題の本質と真剣に向き合うことを避け、世論調査なるものにかまけていました。1週間おきのいわゆる世論調査を発表し、まるで競馬の馬が走っている実況中継でよしとする安易な報道に終始しました。

 今回の選挙戦は、マスメディアが問題と向き合う力量をなくしたことをはしなくも自らさらけ出す結果となりました。このことは、実に深刻な問題です。

 こうした状況に陥った真の原因は、唐突ながら、「対米追随路線」にあります。「日米同盟」でがんじがらめにからめ取られ、「日米構造協議」で基本的な枠組みが確定され、日本の国会はそれをなんとか実現するために四苦八苦する構図。そしてマスメディアは、たとえば朝日の主筆ですらが、アメリカに洗脳された人間で占められるような事態にまでえ立ち至りました。

 日本は、北欧型の「大きな福祉、大きな政府」をめざすべきと考えますが、マスメディアの幹部たちは今も冷戦時代に育った人たちで占められ、当然、頭の切り替えができず、「ともかくアメリカについていけば安心なのだ」ということが体質です。

 さあ、投票に行ってきます。