お早うございます。富士山も今日から山開き。しかし、あのお山は遠くから眺める山、登る山ではないですよね。
生き生き箕面通信575(100701)をお届けします。
・消費税論議はなぜ拙速なのか
参院選の焦点である「消費税」をめぐって、各党がそれぞれ立場を表明しています。しかし、最も大事なことを抜きにしたままの議論ですから、判断のしようもなく、消化不良を起こさざるを得ません。
消費税を触る場合、シャープ税制以来の抜本的な税体系をどうするか、それを論議するには「この国の社会福祉体系をどのように描くか」が不可欠のはずです。ところが、菅さんはやみくもに「消費税引き上げ」に向けて走り始めました。後ろに張り付いた財務省官僚の振り付け通りです。野田佳彦とかいう松下政経塾上がりの財務大臣も、完全に財務官僚に使いこなされています。
菅さんが財務官僚の振り付けどおりの「消費税踊り」を踊っていることは、自分の言葉でこの国の未来を描く哲学を語れないことで明らかです。宰相たる者、庶民のふところに手を突っ込むなら、せめて「このように使いますから、税を引き上げさせてください」と丁寧に説明すべきです。しかし、いま選挙戦中に語っていることは、「選挙に不利になるけれど、あえて皆さんにお話している。引き上げる場合は、所得が300万、400万の方には税を還付する方式や、食料品など生活必需品の税負担を減らすことも考えています」と、有権者におもねる技術論ばかり。
菅さんと財務省の本心は、財政の赤字穴埋めのための消費税増税です。しかし、10%の引き上げでも財政赤字は解消されませんから、次の引き上げに行く。国民は搾り取られるだけ。政治家と官僚はぬくぬくです。菅政権の行くつく先は、疲弊した日本の姿を見ることになるでしょう。
民主党の本来の立場は、「次の総選挙までにさまざまな議論を経て、消費税をどうするか決める」というまっとうな姿勢でした。しかし、どうしても消費税引き上げを実現したい財務省の意向をあっさり受け入れ、菅さんは「官僚依存態勢」へ大きくかじを切りました。「市民派出身」は都合のいいときにだけ掲げるブランドで、本質は「権力しがみつき」を露わにしてきました。
その証拠に、「法人税引き下げ」については、一般有権者向け演説では口をぬぐって一言も言及しません。
菅政権を支える枝野幸男幹事長、仙石由人官房長官も、結局は同じ穴のムジナです。
菅政権ができたとき、ぼくは期待しました。鳩山さんが掲げた「友愛」のような理想を、菅さんは菅さんならでは言葉で自分の哲学を話してくれるものと期待しました。しかし、所信表明演説にも何も出てこず、現実に進んでいることは、普天間の処理にしても官僚の敷いた路線にのっかるだけ。
政権交代の意義は、「政治を国民の手に取り戻すこと」でした。それを裏切り続ける菅政権。ここはじっくりと時間をかけて、「この国の形」を論議した上で進むべきです。「時間がない」はウソです。「時間はいくらでもある」のです。ないのは「しっかりしたこの国の形を描こうとする意欲と努力」ではないでしょうか。そのために官僚を使いこなしてこそ意味があり、大宰相への道になるのですが、菅さんにはそれがお分かりにならない。サミットで、談笑する各国首脳の輪に入れず、うろうろせざるを得なかった姿が、菅さんの実力を明示していました。
生き生き箕面通信575(100701)をお届けします。
・消費税論議はなぜ拙速なのか
参院選の焦点である「消費税」をめぐって、各党がそれぞれ立場を表明しています。しかし、最も大事なことを抜きにしたままの議論ですから、判断のしようもなく、消化不良を起こさざるを得ません。
消費税を触る場合、シャープ税制以来の抜本的な税体系をどうするか、それを論議するには「この国の社会福祉体系をどのように描くか」が不可欠のはずです。ところが、菅さんはやみくもに「消費税引き上げ」に向けて走り始めました。後ろに張り付いた財務省官僚の振り付け通りです。野田佳彦とかいう松下政経塾上がりの財務大臣も、完全に財務官僚に使いこなされています。
菅さんが財務官僚の振り付けどおりの「消費税踊り」を踊っていることは、自分の言葉でこの国の未来を描く哲学を語れないことで明らかです。宰相たる者、庶民のふところに手を突っ込むなら、せめて「このように使いますから、税を引き上げさせてください」と丁寧に説明すべきです。しかし、いま選挙戦中に語っていることは、「選挙に不利になるけれど、あえて皆さんにお話している。引き上げる場合は、所得が300万、400万の方には税を還付する方式や、食料品など生活必需品の税負担を減らすことも考えています」と、有権者におもねる技術論ばかり。
菅さんと財務省の本心は、財政の赤字穴埋めのための消費税増税です。しかし、10%の引き上げでも財政赤字は解消されませんから、次の引き上げに行く。国民は搾り取られるだけ。政治家と官僚はぬくぬくです。菅政権の行くつく先は、疲弊した日本の姿を見ることになるでしょう。
民主党の本来の立場は、「次の総選挙までにさまざまな議論を経て、消費税をどうするか決める」というまっとうな姿勢でした。しかし、どうしても消費税引き上げを実現したい財務省の意向をあっさり受け入れ、菅さんは「官僚依存態勢」へ大きくかじを切りました。「市民派出身」は都合のいいときにだけ掲げるブランドで、本質は「権力しがみつき」を露わにしてきました。
その証拠に、「法人税引き下げ」については、一般有権者向け演説では口をぬぐって一言も言及しません。
菅政権を支える枝野幸男幹事長、仙石由人官房長官も、結局は同じ穴のムジナです。
菅政権ができたとき、ぼくは期待しました。鳩山さんが掲げた「友愛」のような理想を、菅さんは菅さんならでは言葉で自分の哲学を話してくれるものと期待しました。しかし、所信表明演説にも何も出てこず、現実に進んでいることは、普天間の処理にしても官僚の敷いた路線にのっかるだけ。
政権交代の意義は、「政治を国民の手に取り戻すこと」でした。それを裏切り続ける菅政権。ここはじっくりと時間をかけて、「この国の形」を論議した上で進むべきです。「時間がない」はウソです。「時間はいくらでもある」のです。ないのは「しっかりしたこの国の形を描こうとする意欲と努力」ではないでしょうか。そのために官僚を使いこなしてこそ意味があり、大宰相への道になるのですが、菅さんにはそれがお分かりにならない。サミットで、談笑する各国首脳の輪に入れず、うろうろせざるを得なかった姿が、菅さんの実力を明示していました。