生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信583 ・日米同盟は「深化」?「進化」?

2010-07-09 06:58:55 | 日記
おはようございます。参院選終盤の各紙情勢調査では「民主苦戦」で一致。選挙後の政治は混迷を深め、日本丸は漂流し続けます。
生き生き箕面通信583(100709)をお届けします。

・日米同盟は「深化」?「進化」?
 参院選の結果がどうあれ、日本をハンドル(操る)する勢力、ジャパン・ハンドラーズは選挙後に備え裏で着々と、懸命にうごめいています。

 その動きの表に出てきたひとつが、今朝の読売新聞の社説「同盟深化の各論が聞きたい」です。個人的なことで言えば、僕は長い間読売新聞にお世話になっただけに、名指しの批判は避けたいのですが、ジャーナリズムの観点からあまりにも偏ったアメリカ寄りの主張を展開するので、正しいジャーナリズムの立場に立ち戻ってもらいたいという願いをこめて書いています。

 読売の社説は「日米合意を尊重するのは当然」といい、これを大前提に主張を展開しています。民主党の公約が「同盟の中核である自衛隊と米軍の防衛協力に言及しないのはバランスを欠く」と批判し、自衛隊が米軍の傘下に入って、ますますポチ化を進めよと示唆しています。

 読売が主張する日米同盟の深化とは、具体的に「インド洋での海上自衛隊の給油活動を再開し、スーダンなどで国連平和維持活動(PKO)への傘下を拡大する。あるいは、ミサイル防衛などの日米協力を拡大し、環境・軍縮面の戦略対話を強化することも考えられよう」としています。

 ぼくは、そもそも「日米合意」自体が事務方の官僚による作文であり、根本的に見直しが不可欠という立場です。そのうえでいえば、たしかに日米の戦略対話は重要です。これはすぐにも始める必要がある。しかし、その対話の方向はあくまで日本の自主独立を果たす中でこそおこなわれるべきものです。具体的には「駐留なき安保」へ「進化」させるべきものです。読売の「同盟深化」は、日本のアメリカへの隷従を推進するものでしかありません。読売の「深化」と僕が言う「進化」は違うのです。

 月刊誌「世界」(8月号)では、寺島実郎氏が「「日米同盟は『進化』させねばならない―普天間迷走の総括と今後」と11ページの寄稿で、3段階に分けた「進化」を主張しています。そのなかで、中国の存在感が高まっていることに対し、「中国は1997年の香港返還に至る過程で、一歩ずつ民族の自立自尊を回復してきた。戦後日本に失われてきたものは、正に自立自尊である」としています。

 寺島氏は「我々がなすべきことは、今のままの米軍基地を前提として『良好な日米関係』なる言葉の交換に自己満足するのではなく、基地を削減しつつ東アジアの安定と真に信頼できる日米同盟に進化させることなのである」と結んでいます。

 日本丸の漂流を止め、堂々とした進路に舵をとる大事な参院選です。ぼくは大阪では、小沢グループの岡部まりを応援しようと思います。