生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信593 ・韓国併合は「法的に無効」だった

2010-07-19 07:34:29 | 日記
おはようございます。プランターに植えた一株のミニトマトを毎日収穫して食しています。
生き生き箕面通信593(100719)をお届けします。

・韓国併合は「法的に見て無効」だった
 「『独立』と書かれし文字に力あり 安重根の遺墨公開」――今朝の読売歌壇(25面)にこんな歌が載っていました。

 今年はご承知のとおり、韓国併合100年の節目の年です。1910年8月22日に「韓国併合条約」が調印され、同29日に発効したとされています。日本側は当然のように「条約は合法であり、有効だった」」の立場です。韓国側は「条約は銃剣により強制されたもので違法。無効だった」という立場です。北朝鮮も韓国と同じ立場です。

 日本が韓国と真に平和・友好の関係を築いていくためには、この問題に対する歴史認識を共有する作業を避けては通れません。朝鮮の人々は、他の多くの国の人々と同じく、誇り高い民族性を有しています。

 日本は併合条約に先立ち5年前の1905年に、「韓国保護条約」を結び、この保護条約を基礎にして併合条約を締結、当時の大韓帝国を日本に組み入れ、植民地化したのでした。しかし、朝鮮
の人々は、「そもそも韓国保護条約そのものが、違法で、無効だった」と断じています。

 この保護条約に基づき、当時韓国統監を務めた伊藤博文・公爵が植民地統治を行ったのですが、独立をめざす義軍参謀中将の安重根に襲われ”暗殺”されたのでした。安重根は日本では唾棄すべきテロリストとして教科書にも掲載されています。しかし、韓国では豊臣秀吉の倭軍撃退に功のあったイ・スンシンと並ぶ「国民的英雄」として現在も高く評価され、追悼の催しが行われています。

 龍谷大学を今年3月に定年退官された戸塚悦朗さんは、最終講義のテーマに「韓国保護条約(?)は捏造だったのか」を選び、地道な研究の成果を公表されました。龍谷大学には、安重根の貴重な遺墨が厳重に保管されていたのですが、戸塚さんはこの遺墨の公開にも尽力されたのでした。

 戸塚さんは「1905年の韓国保護条約は、仮に形の上では締結されたように見えても、日本軍と伊藤博文が韓国側の閣僚個人を脅迫して締結の形を作ったものであって、追完も許さない絶対的無効な条約であって、はじめから効力を発生していなかった」と論じています。*追完:あとから要件を追加して効果を生じさせることで、”後出しじゃんけん”みたいな卑怯なやり方です。

 保護条約が無効であれば、安重根の裁判権も日本側にはなく、したがって日本は違法な裁きによって安重根を死刑にしたことになります。さらに重要なことは、保護条約を有効として組み立てたその後の併合条約そのものが無効になるのです。

 来月の「併合の日」には、菅首相は「談話」を出す用意をしているようです。しかし、日韓双方の政府が、100年を機にこの「法的問題」を性根を据えて決着させなければ、日韓間の真の友好関係を築くことはできません。これまで日本側の学者は本格的な研究を意識的に避けてきましたが、まず学者が正面から取り組む勇気が求められます。