生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信581 ・南北朝鮮の平和的統一をこそ力説すべき

2010-07-07 07:06:26 | 日記
おはようございます。今夜は七夕。大阪・中ノ島の少し上流から5万個のLED球を流し、「天の川伝説」が演出されます。
生き生き箕面通信581(100707)をお届けします。

・南北朝鮮の平和的統一の環境づくりをこそ力説すべき
 「北朝鮮、継承期の危うさ」――今朝の朝日はこの見出しで船橋洋一主筆の大型コラムを掲載しました。内容は、「金正日総書記から三男ジョンウン氏への権力継承が北朝鮮内部での指導層の緊張を高め、きわめて危険な状態にある」との現状紹介にほとんどのスペースを割いています。

 なかでも哨戒艦「天安」の沈没事件については、「韓国に思い知らせてやる『報復説』、ジョンウン氏の『実績(神話)づくり説』、『引き締め説』」など6つもの説をかなりのスペースで並べたて、北朝鮮のおどろおどろしさを印象づけています。レオン・パネッタ米CIA長官の言葉も引用しており、CIAから情報を得てのコラムのようです。船橋氏自身、米国特派員時代はCIAとかなり密接な関係にあったと取りざたされいます。

 それはともかく、いくつもの説を並べながら、「座礁説」や「韓国による謀略説」は触れません。また韓国の選挙に合わせたかのようにして起こった事件は本来なら、与党に有利に働くとみられていたものが韓国の有権者はまったく逆の投票をし、「これ以上、緊張を高めるな」という意思を表したことにも触れていません。

 船橋氏は、コラムの末尾に「権力継承危機と破綻国家と核を同時に解決するには、統一ビジョンを踏まえた包括的な出口戦略を多角的に構築する以外にないのかもしれない」と書きました。「包括的に」「多角的に」とあいまいな言葉に終始して結論めいた形を整えるこそくなコラムです。

 朝日の主筆の肩書きでコラムを書くなら、この「包括的に」だの「多角的に」だのといった抽象的な文章ではなく、南北統一への関係各国の環境づくり努力に対してこそスペースを割いて具体的で骨太の論陣を張るべきでした。

 この人の論説がそれなりに影響力があるだけに残念でなりません。