水上陽平の独善雑記

水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」

「迷解剣客商売・23」

2011-05-23 18:47:30 | Weblog



小兵衛と嘗て試合をした牛堀も一流の剣客だ。
それ以来、小兵衛と親しくしている。
剣の道は人の道、というのが無外流の真髄らしい。
名人の小兵衛は、それを感じる多くの人から慕われる。
人の道だから一律ではない。
無外流は、個々の個性を活かす剣術であり道だった。

宗家の辻が飄然と道場から去った時の後始末。
竜虎といわれた小兵衛も嶋岡も他の高弟もわきまえていた。
例え宗家の道場が無くなっても、無外流の教えを貫いた。
体裁や損得で立場にこだわるようでは、真髄は消えてしまう。
それぞれが、自分をわきまえた決定に師の辻は満足していた。
結果として、宗家の道場は閉鎖となった。

牛堀「おれも秋山さんをみていると、剣の道を外したくなる。
しかし、あの自由自在、融通無碍の境地にはなれぬ」
一流から名人へは、こだわりから放れて進める。
そんな小兵衛でも、一流になった大治郎を心配してしまう。
大治郎暗殺の話を聞いて心が動くが、本人には伝えない。
優しさからの心の弱さは、人の強さかもしれない。
(「まゆ墨の金ちゃん」より)

        
(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
治療・若返り・悩み相談受付中。日本中出張します)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする