水上陽平の独善雑記

水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」

「迷解剣客商売・22」

2011-05-22 19:37:04 | Weblog



大治郎は恩師嶋岡礼蔵の遺髪を収めに大和の国(奈良)へ。
その帰り道、仇討ち騒動に巻き込まれる。
一応の決着がついて、小兵衛に報告する。
そして、自分の行動についての意見も聞く。
父というより、剣と人生の師匠なのだ。
小兵衛「ふうん、やるねぇ、お前も・・・」
大治郎「恐れ入ります」

そもそもの発端はオンナの心だ。
ここで、オンナという不可思議な生きものの一端を語る。
一方的に熱を上げていた男を、結婚してからも忘れられぬ。
夫に抱かれている時も、夢中で男の名を口走る。
夫は不倫を疑い、いつも男(部下)に辛く当たった。
まぁ、妻が夢中で口走るんだもの、夫も疑うわな。
元々男性は根性(心)が狭い。
上下関係や利権関係があれば、結構意地悪するようだ。
で、キレた男が上司を斬っちゃった・・・

惚れた男が敵(かたき)となり、仇討ちに出た妻。
自分が発端だけど、武家社会はそういうものだ。
でも義理の弟(夫の弟)と一緒の旅でデキてしまう。
でも、やっぱり、抱かれると夢中で敵の男の名を・・・
あ~あ・・・少しコントロールを覚えればいいのに・・・
妻の皆さんも注意しましょうね。
童貞の大治郎には、そんなオンナの不可思議さが理解できない。
小兵衛「そうさ。剣術よりも、むずかしいぞ」

その場で、今度は小兵衛が切り出す。
かねてより、おはる(40歳年下)に結婚を迫られていたのだ。
「おはると夫婦の盃をかわしたい。いいか?」
「そ、それは、父上の好き勝手に・・・」
「おはる、大治郎が許してくれたぞ」
真っ赤になった、おはる「ありがとうございます、若先生」
秋山大治郎、憮然としている。
こういう情景が池波作品のもう一つの魅力なんだなぁ。
(「春の鈴鹿川」より)

        
(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
治療・若返り・悩み相談受付中。日本中出張します)
コメント
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