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板宿の書店主から見た、本・まち・環境を語ります!

英雄の書

2018-04-20 15:24:17 | 

 インターネットが普及し、世の様も大きく変化してきました。そして、AIが急ピッチに進化して、一寸先はどうなるのか?不安の念がよぎりますが、そんな時代にどう生きるのかを明確にしてくれるのが本書です。

 まずは、「失敗したら『しめた』と思え!」はまさに失敗ウェルカム!であり、その先に挑戦が待っています。「必要なときに、必要な回路にだけ、すばやく電気信号が流れる」のが成功者の脳の必要条件であり、そのためには失敗すればするほど、余計な回路に信号が流れることがなくなる、つまり、脳の成長に繋がります。そして、失敗の経験のためには、①失敗はだれのせいにもしない、②過去の失敗にくよくよしない、 ③未来の失敗におどおどしないの3点に注意を喚起しています。「いまここ」であり、積極性と主体性重視ですね。

 次は、「孤高になれ!」というメッセージ。周りの同調圧力に屈することなく、他人の声は気にせず、しかし、他人に何をしてあげるかだけは無視するな!とはとてもありがたいお言葉。そのための脳の使い方も書いてくれています。

 さらには、「自尊心を抱け!」です。これは世の常識を疑い、「自分が正しいと思ったこと」を「他者や社会のために」貫くスタイルです。貫けば貫くほど、周囲の無理解を生み、孤高への道を歩まざるを得ません。

 そして、「他者思い」は「使命感」に結びつきます。命を使うほどに執着しやりとげることを考え行動することこそ、これからの時代には必然となります。

 著者が、39歳の時に上司に言われた言葉、「圧倒的に上質な異質になれ」は本書の結論でしょう。異質になるには徹底的に世を眺め、深く考える必要を感じます。これこそ、AIができないことでしょう。

『英雄の書 すべての失敗は脳を成長させる』(黒川伊保子著、ポプラ新書、本体価格800円)

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