アバウトなつぶやき

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「空飛ぶ美術館」展

2015年04月02日 | かんしょう
ただいま三重県立美術館で開催中の「空飛ぶ美術館」展をシロウタ母子と一緒に観てきました。



空や飛翔に関する今回の展覧会。観ていてすがすがしい作品が多く、とても晴れやかな気持ちにさせてくれます。
第1章 空の表象
第2章 空飛ぶ生物への関心
第3章 空想飛翔
第4章 飛ぶためのテクノロジー

という4部構成で、それぞれのテーマに沿った作品なのがまた観やすいです。作家のもつイメージに捕らわれることなく楽しむことができます。
かわいらしい絵やモダンな作品が多いため「これ、うちにあったら良いなぁ」と思いながら観てきました。


カミーユ・ピサロ《ライ麦畑、グラット=コックの丘、ポントワーズ》1877年 静岡県立美術館
このような王道の絵画って感じの印象派絵画から


本多錦吉郎《羽衣天女》1890年 兵庫県立美術館

竹内栖鳳《散華》1910年 京都市美術館
飛翔をテーマとした様々な作品、


北脇昇《空港》1937年 東京国立近代美術館
近代以降、人間が飛ぶことができるようになり空が身近になって、なお鮮明に浮き上がる空への憧憬を感じる作品などが集められています。

HPから拝借してるので、気になった作品の画像がないわけですが…
黒田清輝の「雲」という6枚組の作品は近寄ると粗い筆使いなのに、まるで雲の写真集を見ている気分にさせてくれます。
空飛ぶ生物=鳥を描いた竹内栖鳳のスケッチは羽根の質感まで感じる素晴らしさ。
また、永沼理善「自重力BOY 2007:"Inba"」という作品(リーフレット裏、中央上)は天井から吊したワイヤーで金属製のからくりマシンが振り子の原理を使ってゆったり動く姿が大変優雅というか愛しい動きをしていて目を奪われました。3時間ぐらいかけて上から下へ降りてくるそうで、何もしない時間が許されるならずっと見ていたいと思えます。
そして、私が一番気に入ったのはイリヤ・カバコフの「自分を良くする方法/翼」という作品。
展示ケースの中には革の胸部ホルダーと白い天使の羽根のような人工物を使って作られた簡易装着できる翼が入っています。そして、その横にはイラスト入りの説明文。
絵が美しいとか造形が凝っているとかじゃなく、語られている内容が面白いのです。
人は誰しも良い自分でありたいと思う。そんな自分を手に入れるためにこの翼を装着して数分(だったかな?)過ごし(しかもひっそりと)、外して2時間ほど過ごす。それを繰り返していけばいい、というような内容なのです。
この、わけのわからない提案の説得力がたまらない!擬似天使体験?ともいうようなこの提案に思わず乗っかってみたくなります。
イリヤ・カバコフさんをググるとウクライナの前衛芸術家って紹介されてますね。他にはどんな作品を発表してるのか気になります。


さて、現在企画展はこのように空を紹介しているのですが、三重県立美術館2階の常設展示は「海の上の美術館」と題して海を描いた作品がたくさん展示されています。これもまた、対照的でとても良いです。
特に三重県内の海を題材にした作品が魅力的です。「地元」という泥臭い雰囲気でなく「海」という美しい洗練された世界が広がっています。

今回の企画展はとても面白いし作品も粒ぞろいだと思うのですが、観覧者が少なくてとても静かでした。春休みなのに!
若い学芸員さんが企画なさってるとか。私はこの感覚、とても好きです。
家が近かったら何度でも行くんだけどなぁ~。ホントもったいない。

5月6日まで開催してるので、もしも時間があったら後期展示も観てみたいところです。(ちょっとキビシイかな)

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