そんな話のあとなのに、互助会員限定の話で恐縮。×中職員の給料袋に同封しています。この補助券には
「使いにくい」
「契約事業所が少ない」
「そんなに旅行に行けるわけない」
「ゴルフやらない」
などの不満が山積。昔のように書店も契約先にあればいいのですが、それだと“健康増進”のために支給するという建前がくずれ、単なるヤミ給与ではないかと指弾されるのをおそれて(だと思います)廃止されました。互助会の収入に税金は入っていないので、気にしなくていいのにな。
保養所を利用する人も少なくなっているので、補助券の使用が減っているのはその影響もあるでしょう。特に庄内地区は恩恵が少なく、使用割合(着券率といいます)も低い。それなら映画館で使えればいいのに、という要望を聞いたばかり。
うーんむずかしいのかなあ……と思ったら、今年から契約先に
「イオンシネマ」
「鶴岡まちなかキネマ」
「フォーラム・ソラリス」
「MOVIE ONやまがた」
が追加されました!!わたしさっそく使っちゃおうかな。子細は来月ご報告します。
画像は、何度見ても面白い「Ronin」。唯一欠点があるとすれば(ネタバレになっちゃうか)主演のロバート・デ・ニーロが浪人では……あ、底に深い忠誠心があるという意味では忠臣蔵そのものってことか。
庄内弁講座につづく。
わたしは残念ながら見ていないんだけど、フジ「リーガルハイ」のスタッフがつくりあげたオリジナル作品。元ネタドラマなし、原作なし。東宝の余裕がこの企画を実現させたのだろう。
オープニングからハードな描写。松坂桃李のフルヌードが大写しになる。これがまた男のわたしが見てもいい身体なんだ。要するに作り手は、これはテレビドラマとは違いますよ、大人向けのちょいときつめの映画なんですよという宣言だろう。
一年で一日だけ嘘をついていい日における、嘘をめぐるお話。脚本が「キサラギ」の人なのだから、当然あの線を狙っているのかと思ったらちょっと違った。観客を完全に騙した「キサラギ」とは真逆に、こういうひっくり返し方をするだろうと思う方向に誘導していくのだ。観客の予想が当たることで満足させる、これはちょっとテレビっぽいかもと思っていた。
ストーリーは、登場人物が多いだけあっていろんなのが仕込んである。
「イタリアンレストランでの大惨事」(戸田恵梨香がどうやって拳銃を手に入れたかが鍵)
「ロイヤル夫妻の休日」(里見浩太朗の貫禄がいい感じ)
「不器用な誘拐犯」(寺島進が壮絶にかっこいい)
「占い老婆の真実」(近ごろ、老婆といえばりりぃです)
「42年ぶり涙の生還」
「僕は宇宙人」
「ある大学生の行末」
そしてこれらのエピソードが最後に……ここでようやく観客は驚かされるわけ。登場人物の多さもトリックだったのだ。この手法は近ごろどこかで……あ、伊坂幸太郎の、特に「アイネクライネナハトムジーク」(幻冬舎)だっ!
だから前半は伏線の連続なのでちょっとかったるい。でも、娯楽映画として十分に合格点でしょう。全員がなんらかの嘘をつく(そしてほぼ全員が嘘のおかげで幸福になる)展開のなかで、ただひとり嘘をつかないはずの某人物の無責任な発言が、最後の最後に大嘘になっちゃう展開には笑わせていただきました。
いやーそれにしても松坂桃李(彼自身も役柄のように親が超高学歴だったとか。そうでもないと史記からとった名前はなかなかつけられない。ネタ元はうちの校長)のヌードは眼福だったわあ。これ、サービストークでも嘘でもないですよ。
2015年3月号「長いお別れ」はこちら。
「明朗可励」「汽笛の声」と、×中の校内報のいくつかは校歌の一節からタイトルがとられています。国語教師たちに負けてたまるか、事務部報もそれでいこう!
「真理の光」……だめだ、事務職員の性格とあいまって、いかがわしい宗教がはいっている感じ。
「社会のチカラ」……もっとあぶない。
これまでどおり「明細書を見ろ!」と高飛車なタイトルでいきます。事務主査が兼務している関係から、×中ネタ、○島小中ネタが混在します。ご容赦を。
◆赴任旅費
のっけから朗報。これまで、期限付職員については住所を移しても移転料などの赴任旅費が支払われませんでしたが、この4月から○島小中学校にかぎり支給可能となりました。
じーん。クミアイをとおして何度も何度も交渉してもらった成果がここに。教職員室長も、この部分については心苦しいと言ってくれていたので、脈がないわけじゃないなと期待していてよかった。クミアイとしては、○島に限定されてしまったことが残念なようですが、まずは風穴。
「え。すると去年赴任したぼくは損じゃないですか」
講師のFくんの嘆きが聞こえてくるようです。でもご心配なく。○島小中学校から別の学校に赴任するときにも支給されるので、島を出るときの引っ越し代は確実に出るぞ。
しかしまだまだ期限付職員の不利益は多いんです。3月末に雇用が途切れるために
・期末勤勉手当が減額される
・年次有給休暇の日数がリセットされる(繰り越しが発生しない)
そのうえ、
・給料月額に上限がある(欠員補充1級69号給、代替1級49号給)
・年度末に新任地に学校経営を聞きに赴く旅行が出張扱いにならない。
このふたつは理由すら想像できません。そしてなにより、このような条件下にあることが知られていない現状こそ、なんとかしなきゃ。
画像は「ザ・マスター」ポール・トーマス・アンダーソンの傑作。フィリップ・シーモア・ホフマンの教祖(これも微妙な表現だけれど)と、彼に従い、同時に彼を従わせる流浪の男ホアキン・フェニックス。ひとこと言っていいですか。すばらしい作品だけど、これでヒットすると一瞬でも考えたんですかワインスタイン・カンパニーは。
PART2「リフレッシュ補助券」につづく。
PART3はこちら。
山形県のいろんな地域を特集するといっても、前にいったことと少し矛盾するけれど、その区割りがあやふやな地域もある。尾花沢市と大石田町がそれ。大きなくくりではここは村山なのに(通称北村山)、たまに最上地域に組み込まれることもある。
学校事務職員の人事異動でも、このグレーゾーンがしばしば問題になる。最北(さいほく)、というくくりは現在もなお有効らしい。酒田人にはよくわからない話。ほんと、わからねー。
だからあくまで大ざっぱな話でいくと人口では
・村山……49%
・最上……7%
・置賜……19%
・庄内……25%
こんな感じ。地域によってここまで違うのかとよそ様が感じるのは、どうして同じ県内でこんなに言葉が違うのか、らしい。
山形県だけの方言として(1)①を「いちかっこ」「いちまる」と読む奇習については前にも紹介したが、これは山形師範学校の風習が教師を通じて広がったのだからまだわかりやすい。しかし
・庄内と一部最上、置賜の小国町
に存在する北奥羽式アクセントが、他の大半の地域ではないという言語分布はめずらしいことのようだ。やはり、分断されているのである。
たとえばわたし、置賜弁の「おしょうしな」がなにを意味しているのかさっぱりわからなかったし、庄内弁の「もっけだの」が内陸ではまったく通じないことにショックをうけたものだった。
もっとも、若い世代の共通語化はどんどん進んでいて(おそらくはテレビの影響)、同じ庄内でも「たくさん」を意味する「ごんげ」「しこたま」は今の中学生には通じないだろうし、最上級の「うすくだま」にいたってはわたしもわかりませんでした!
かようにうつろいやすい言語だけれど、しかしやっぱり分断の影響は今もはっきりとあるのよね。以下次号。
今回の画像は昨日の台町で行われた「台町流しナイト」における白崎映美さん。庄内弁の女王です。上々颱風時代からのMC体質爆発!仕切る仕切る。レビューは明日ね。
PART2はこちら。
ここからは駆け足でいきましょう。この出羽国に関東から支配者として武士がやってくるけれど、東北人はなかなかその風になじめなかったようだ。そして平安、南北朝、戦国と波乱がつづくなかで、独特の気風を守っていたらしい。
さあここで登場するのが最上家だ。戦国時代に、村山・最上をフランチャイズにしていたこの一族は、置賜をベースにしていた伊達氏とバトルを繰り広げる。おっとようやく大河ドラマでもおなじみの世界がやってきた。最上義光(もがみよしあき)と伊達政宗の、伯父甥の争いは、「独眼竜正宗」における原田芳雄(当初の予定ではなんと松田優作)と渡辺謙でイメージできます。そこに岩下志麻がからんでくるわけね。
義光の生涯は波乱万丈。政宗だけでなく、数多くの人物と権力争いにあけくれている。その相手が天童氏、東根氏、上山氏、寒河江氏という、どこかで聞いたことのあるような一族。ちなみに彼は、庄内の大宝寺城を鶴ヶ岡城と改称して隠居している。なんか、ザ・山形って感じ。
彼には策謀陰謀暗殺誅殺のイメージが強いけれども、どうやら領民には慕われ……うわーこんなことをやっていたらいつまでたっても終わらない。
山形の分断化が確定したのは、要するに幕藩体制だ。最上義光が大きな所領をうまく収めていたのに、彼が没すると家臣たちが争いはじめ、そのために幕府は山形に鳥居、庄内に酒井忠勝、新庄に戸沢政盛、上山に松平重忠を置き、天領もところどころに配するなど、細切れ状態になっていく。
そして、そのまま幕末までその状態がつづいたため、同じ山形県内でも気質の違う風土ができあがったというわけ。
大藩だった上杉が、米沢に大量の家臣をかかえたまま移封されたため、質実剛健というか倹約を旨とする意地っ張りな気風が置賜に残っているのはその象徴かも。
ここで登場するのが直江兼続でぇ……ああやっぱり大河ドラマでしか歴史を考えられない。以下次号。すいません画像をネットからパクって。いつもだけど。
なにはともあれまずは選挙について。
県議選、すくなくとも山形県の県議選を終えて、勝った負けたでいえば、自民党でも民主党でも公明党でも共産党でもなく、“負けたのは県議選そのもの”だと思う。
前回の選挙は2011年の4月。おわかりだろうか、あの震災直後のなんでも自粛のなかで行われた選挙よりも投票率が下がっているのだ。その結果、当選者の多くは高齢化しているとはいえ後援会がしっかりしていた候補。落選者もいたけれど、世襲も幅をきかせている。
あおりをくらって(かどうかは知らないけれども)鶴岡選挙区の草島候補のような“市民派”は弾き飛ばされてしまった。うーん、なんかつまんない選挙だったんだよなあ。
それから、うがちすぎと指摘されそうだけど、投票日直前に株価が2万円超えで大騒ぎってのもなあ。上昇傾向は自然とはいえ、無理矢理公的資金をぶちこんでないだろうな。
では「これでいいのか山形県」のつづきを。PART1はこちら。
地勢的なことをいえば、山形県の場合、南北に急峻な出羽山地がドテッとあるので、海側の庄内地方と内陸地方のふたつにざっくりとわけられ、まず、この両地方の違いは宿命的だ。移動が困難なので人的交流の歴史がほとんどなく、というか明治期に山形県となる前ははっきりと違う国だったのである。
それでは内陸地方はどうなのだろう。
酒田に住むわたしが山形に行くことを考えてみよう。まだ山形自動車道が開通する前は、うちから県庁に向かうときは3時間かかっていた。通称“下道(したみち)”と呼ばれる新庄経由。47号線から13号線を使うわけね。そのときに気づくことがある。
酒田から庄内町に入り、戸沢村(やけに長いんだこの村は)から新庄に入るまででほぼ半分。通った市町村は四つ。ところが、ここから半分は
舟形町
大石田町
尾花沢市
村山市
東根市
天童市
山形市
と七つの市町を通ることになる。ほぼ直線な13号線沿いが、どうしてこう細分化されているのだろう。いや13号線沿いはまだしも、まわりには人口の少ない町がたーくさん存在する。要するに(平成の)市町村合併が進まなかった結果。その背景にはいったいどんなものが。
ムックではその歴史に依るとなっている。それでは、山形県の歴史とはどんなものなのか。ざっくりといきましょう。
4世紀のなかごろ、大和朝廷が東北の豪族たちを「蝦夷」と呼んで蔑視。8世紀に入って、現在の鶴岡・酒田に出羽郡が置かれ、庄内の大規模な蝦夷征伐が行われ、712年に出羽国が建設される。
このころに国府機能をもっていたのが城輪柵(きのわのさく)。実はここ、うちの親戚のすぐ近所にあって、小学生のときに見学に行き、学術調査をしている人たちからお話を聞くことができました。さーっぱりわかんなかったけど。
いまはこの城輪柵、立派に復元されているのでご近所にお出での際にはぜひ。以下次号。
「日本の特別地域」というムックは、マイクロマガジン社という耳慣れない出版社から刊行されている。日本という小さな国でも、微細に見れば、それぞれに違いがあることを“よそ様”の眼で特集したものだ。学術的にいえば無責任かもしれないが、しかし編集者の質が高いこともあってか、意外なほど面白いしためになる。第61号が「これでいいのか山形県」として刊行されたのを読んで、マジでお勉強になりました。
ということでこの本をテキストに、では酒田ネイティブであるわたくしが、山形県を語りまくってしまおうという所存。最初に言っておきます。かなり失礼な物言いになると思いますけど、怒らないでね、怒らないでね。
山形県特集にはサブタイトルがついていて、それが
「閉鎖に分断 頑固な山形県民とは!?」
おー、かましてますねえ。おそらく特別地域シリーズの購入者には、心のどこかに自虐的な部分があるはず。山形県の場合は
「だよな、山形県って四つの地域にはっきり分かれてて、ほんとしょうがないよな」
と感じている人が多いのだと思う。その四つとは
・村山(県都の山形市、天童市、寒河江市など)
・置賜(県南に位置する米沢市、長井市など)
・庄内(日本海側の酒田市、鶴岡市など)
・最上(県北の新庄市など)
この区分はまことに強力。でも、県外の人からすれば「んなもん五十歩百歩だろ」と思うだろう。でもね、たとえば青森における津軽と南部の反目とか、福島と郡山の対立とか、似たような事例は数多くある。
山形県の場合は、反目し合っているというほどでもないけれど、自分の地域は他とは絶対に違うと感じているのだ。でしょう?県内の読者諸君。では、この分断はどのようにして形成されたかを見てみよう。次号につづく。
PART4「アチャコとロッパ」はこちら。
◆麻雀放浪記
映画監督として和田誠さんがデビューしたのは、角川春樹の働きかけが大きかったようだ。彼には批判も多いけれども、面白い映画をつくりたいという熱情は、角川文庫を売りたいという欲求以上に大きかったのかもしれない。今度は和田さんが聞かれるバージョン。
和田:(角川春樹にそそのかされて)脚本書いてる時に浮かんだ人が多いです。最初に浮かんだのがオックスクラブのママに加賀まりこさん、次に上州虎に小沢昭一さん、出目徳に高品格さん、ドサ健に松田優作、チンチロでサイコロ博奕やってる連中の一人に天本英世さん、というところだったかな。
-小沢昭一さんと松田優作さんは出演していませんが。
和田:小沢さんは別の映画の予定が入っててダメだったんですよ。それで上州虎は名古屋章さんに演ってもらったんです。松田優作は原作読んでドサ健という人物には興味を示したんだけど、会って話してみると「あの脚本は予告篇だな」なんて意味不明のことを言うんで、出演する気があるのかないのかわからないんです。
……ドサ健の最初の候補は松田優作だったのか!それ、観てみたかったなあ。ただ、新人監督が彼を制御するのは大変だろうし、鹿賀丈史で正解か。松田の狂気が鹿賀に憑依するのは「野獣死すべし」で経験済みだしね。それでは最後に、イラストレーター兼デザイナーとしての和田誠のアーティスト宣言を。
イラストレーションを描くだけの仕事、小説やエッセイの挿絵がそうですが、ポスターや装丁、CDのジャケットなどは文字が入るので、デザインが必要になりますね。その場合は自分でデザインもやります。依頼の時「デザインはデザイナーさんに頼んであります」と言われると、その仕事は断ります。「どうしてですか」と聞かれたら「デザインも自分でやりたいから」と答えるんだけど「え、デザインもできるんですか」って言われることもあってね。とにかく俺の絵を人にいじられたくない、という気持ちが根底にあるんですよ。自分の絵は自分がいちばん知ってるんですから。
直訳すれば【少数派の報告】まさしく、そのとおりのお話。
とにかくわたしはこの映画が好き。何度見ても面白いのだから仕方がない。スピルバーグ作品のなかでいちばん好きかも。
まず、誰でも気づくと思うのだが、スピルバーグの映画には独特の色調があり、それはおそらく撮影監督ヤヌス・カミンスキーのセンスによるものだ。どこかしら不健全で不安定な色合い。特に「マイノリティ・リポート」の場合は、作品のテーマとマッチしていて、不健康さが突出している。
三人の予言者が犯罪を予知し、警察が先行して事件を未然に防ぐ……このシステムにはしかし欠陥があって、三人の予言が一致しない場合がある。その、少数の予知が隠匿されることに主人公ジョン・アンダートン(トム・クルーズ)は翻弄されていく。
予知のシーンがいい。プールに浮かぶ昏睡状態にある三人の若者。ひとりは女性(妻のお気に入りのサマンサ・モートン)で、彼らの脳内で予知された犯罪者の名前が木製のボールに刻まれる。その名と画像イメージをもとにアンダートンは犯行現場を推理する。
転送されてくる画像を両手を使って操る場面は、リドリー・スコットの「ブレードランナー」における“写真”のシーンに匹敵するほどわくわくさせてくれる。出てきた名前はなんとアンダートン自身。殺す“予定”なのは見ず知らずの人間。なぜだ。
ストーリーはわりと王道のミステリ(原作はフィリップ・K・ディック。あ、ブレードランナーつながりだ)。その王道が、色彩と演出のリズムのせいで異様な形にねじれて面白くなってしまった作品と言えるだろうか。眼球へのこだわりなど、前衛劇かと思うくらい。
「あら、またこの映画を観てるの?」と妻。
「え、何度も観てるってどうしてわかるの?」
「封切のときにいっしょに観たじゃない」
そうだっけ?わたしの脳内にはそのような記憶はまったくないのだが(ちょっとネタバレ)。
その74「造花の蜜」はこちら。
登場する刑事たちの性向や考えはすべて地の文で解説され、読者が忖度する必要はない。複雑なトリックや叙述のひっかけもないのですらすら読んでもOK。
いや別に皮肉ではなくて、ほんとうに読んでいて楽。ミステリだと期待するから肩すかしを食らうのであって、これは人情噺なんですよ。
・自分は徹底して平凡な人間だと規定し、その能力をなにもそこまで過小評価しなくても、と言いたくなる主人公安積班長。
・ぼんやりしたルックスと行動で他者から侮られがちだが、実は名探偵である須田。
・安積は煙たがっているので、きっと向こうも嫌いだと思っているに違いないけれど、実は安積を助ける自負ではだれにも負けない村雨。
・もっとも警察官らしい行動様式を保っているが、須田とコンビを組むことでほどけていく黒木。
・村雨と組んだことの意義に次第に目覚めていく桜井。
・激しく安積を嫉妬するけれど、彼のせいで組織や上司とはなにかを考えるようになる相楽。
……わかりやすっ!それでもまだわかりにくい読者のために、速水という“解説者”まで用意しております。周到。
長いシリーズなので、ステロタイプの登場人物を利用して、むしろお台場の変遷を描くことに作者の意図は向かっているような気がする。いつも署で海の匂いを感じてしまう安積は、街の定点観測者ということで。
その76「機龍警察 完全版」につづく。