事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

八重の桜~第十四話「新しい日々へ」

2013-04-07 | テレビ番組

0222kosakai9_05 第十三話「鉄砲と花嫁」はこちら

今日からは人妻の八重のお話。前回の視聴率は14.3%。当たってもあまりうれしくはない数字。むしろ「あまちゃん」の20%超えにびっくり。

さて婚礼。ヒロインなのにこれまであまりオモテに出てこなかった八重がグイッと出てきた。演出も照明に凝りまくり。白無垢の綾瀬はるかが壮絶に綺麗。もっとも、尚之助との初夜は微妙なものになるのですが。ま、むかしの婚礼ではよくある話だったんでしょうね。淡彩の会津に京の紅(べに)が華やかさを添える。

そして初の夫婦げんかも体験。お父さん(松重豊)、ほんとによけいなお世話でした。

歴史上、足利尊氏とともにわたしがもっとも好きな大久保利通登場。「龍馬伝」では及川光博が演じていて不敵な感じだったが(実はもっと不敵にやってほしかった。今回の桂小五郎にもちょっと不満)、今度は徳重聡ですか……あら、わりといけてる。

「八重の桜」は、明治期の話もだいぶやってくれるだろうから、この新旧の政争は楽しみかな。鬱に近い桂と、傲然と西郷を斬って捨てた大久保。その後の人生も趣深い。これに吉川晃司もからむんですから。

その大久保が経済的な支援を行っていた、落魄した公家として岩倉具視登場。なんと小堺一機。病気のせいで声がかすれている感じがむしろ合っている。大学の先輩なので応援しています(笑)。ちょいと腹黒い感じがいい。

岩倉が、のちにお札(500円)に肖像が使われたぐらいの人だと今はどれだけの人が知っているだろう。加山雄三のご先祖様だというのはよけいな知識ですが。

あ、それより今では五百円札という存在自体が知られていないのかしら。だったら板垣退助の百円札は?……やめましょう、さみしくなる。

今回の視聴率は、天候不順もいいところなので久しぶりに15%台と読みましてよ。

第十五話「薩長の密約」につづく

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シネマの極道~蔵

2013-04-06 | 映画

Isshikisaeimg02 「鬼龍院花子の生涯」にはじまった宮尾登美子原作シリーズは、特に女性客に好評だったが、もう怖いもののない日下部はこう述懐している。

「蔵」にもたくさんのお客が来たが、プロデューサーとして二点悔いが残った。宮沢りえが、正確にはりえママが、ビリング(クレジットの順番)がトップでなく、浅野ゆう子に次ぐ二番手なのが不満で、降りてしまった。それはありがちなことだからいいが、替りの女優の選択でいくぶん妥協をしてしまったのを未だに後悔している。本当は、あの盲目の少女役を松たか子さんにオファーしたかった。

もうひとつは、宮沢りえに主題歌を歌わせるというので酒井さんという音楽プロデューサーが参加したのだが、りえが外れても彼は残り、主題歌がさだまさしになったこと。さださんの歌は、「蔵」でのわたしの狙いに合わなかったと思う。

……妥協した選択、というかわいそうな言われ方なのは一色紗英。音楽プロデューサーの酒井さんとは、ソニーで山口百恵や郷ひろみを育てた酒井政利のことだろう。実は直前にNHKでつくられたドラマ版「蔵」では、松たか子が主役となっているので日下部の悔しさは倍加したはず。ちなみに、その松たか子の役の子ども時代を演じたのは井上真央でした。

映画づくりとは、かくのごとく妥協の連続であり、その飽和点をこえれば幻の企画となってしまう。社内プロデューサーとして、そして独立してからも、会社と監督のわがままのはざまで苦しみぬいた日下部の自伝は面白すぎる。

彼の現在の日本映画に対する眼はかなり厳しい。テレビ局主導で、製作委員会方式(数多くの企業が出資し、利益を分配するやり方。リスクが小さいがリターンも小さい)が多いものだから、毒のある企画が少なくなったではないかと。

まさしく、そのとおりだと思う。東宝のひとり勝ちである状況は

“おいしそうな企画はまず東宝に寄せられ、洗練された宣伝と、チカラのある劇場をおさえている”

ことによる。もしも東映が逆転を狙うとすれば、はったりでもいいから金をぶんどり、思うさま過激な作品をつくるしかないではないか。出でよ真のプロデューサー。その意味でも、この書は必読。

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シネマの極道~鬼龍院花子の生涯

2013-04-04 | 映画

Natsumemasakoimg01 「実録・共産党」篇はこちら

ある日、日下部プロデューサーに梶芽衣子が「これを読んでくれない?」と一冊の小説を持ってきた。昭和56年のこと。

女優が小説を持ってくるのは、言うまでもなく「これをあたしの主演で映画化して」という含みである。少し前に出た本のようで、名前のみ知っている作家だったが、読み始めるとぐいぐい引き込まれる。

梶芽衣子はもちろん中心人物である松恵をやりたいという。しかし年齢的に違いすぎて、それは無理だ。

「他の役ならどれでもいいから」

頭を下げに下げたが、梶さんはあの役に固執してついに折り合わず、降りてしまった。

……作者は宮尾登美子、作品はもちろん「鬼龍院花子の生涯」。松恵の役は夏目雅子にまわり、エキセントリックな父親は仲代達矢が演じた。実はわたしは五社英雄監督がどうも苦手なので(宮尾登美子はもっと苦手)観ていません。

この大ヒット作は、最初に大竹しのぶと若山富三郎で企画されたが、岡田社長から

「そんな暗い話、どうするんや」

と言われてボツ。しかし日下部は単身社長室にのりこんで

「暗いと言いますがね社長、これは高知のやくざを仲代さんにやってもらうんです。こいつは半ば女衒みたいなやつで、自宅の一階に本妻、二階に妾を二人置いて、妻妾同居でやりまくるわ、よさそうな娘は自分で水揚げするわ、まあすごいんですわ」

「お前会議でそれ言わへんかったやないか」

「会議で『上行ったり、下行ったりして、やりまくる話ですわ』って言いにくいですよ」

「それ、やろう」

さすが岡田茂(笑)。東映の、というか日本映画のもっともいい加減にしてもっとも弾けた部分はこの人の真骨頂ですかね。いまの二代目ではそうもいかない。なんか岡田裕介って、不動産業とかの方に嗜好があるような気がしてどうも。なめたらいかんぜよ映画を。以下次号

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シネマの極道~実録・共産党篇

2013-04-03 | 映画

Matsuzakakeikoimg1 仁義なき戦い篇はこちら

「実録・共産党」の企画は、岡田社長が「代々木の動員が見込める」といういい加減さで実現しそうになっていた。昭和49年のころ。主演は吉永小百合、脚本笠原和夫、監督深作欣二……まさに、夢の企画だけれど、いかにも危うい。

脚本は完成していたものの、やはり代々木から横やりが入り(入るに決まってるじゃないですか)、お蔵入り。

ところが、この企画がふたたび浮上する。角川春樹が「犬神家の一族」で映画界に殴りこんできたとき。タイトルは「いつか、ギラギラする日」と変えて第二弾はこれでいくと。主演は川口晶。

この話が再び動き出したのは、要するに角川さんが川口晶と親密だったからだ。川口晶は、こんな大きな映画のヒロインになれるなんてと意気込んでいた。わたしが笠原さん、作さん、角川さんと打ち合わせを重ねているうちに、なんだか変な雲行きになってきたなと思っていると、企画が突然空中分解してしまった。角川さんと川口晶が別れたのだ。それでおしまい。

……そうだったのかあ。わたしは高校時代に、角川もすごい企画もってるなあと期待していたのに、こんなことでつぶれてしまったのか。思えば「犬神家の一族」のキャスティングも不可解なもので、どうしてここに恒と晶の川口兄妹(川口松太郎と三益愛子の子どもたち……まもなく大麻がらみでそろってフェイドアウト)を起用したのかと思ったら、そういうことだったのね。

愛人がらみでこんなネタも。

深作欣二監督の「青春の門」の時)わたしが、作さんと松坂慶子の仲を知ったのは、映画が出来上がった後だった。キャンペーンで札幌に行った時、一晩の締めくくりに大勢で有名なラーメン屋に入った。そこで監督の残したラーメンを女優が啜ったのを見て、(あっ、これは!)と感づいた。わたしが自分の目ざとさを周囲に自慢すると、みんな呆れ顔で「何を今さら言ってるんですか」。

鬼龍院花子の生涯篇につづく

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シネマの極道~仁義なき戦い篇

2013-04-02 | 映画

Jinginakitatakaiimg01 俊藤浩滋篇はこちら

「なにが博奕打ちなら!村岡が持っちょるホテルは何を売っちょるの、淫売じゃないの。云うなりゃあれらはおめこの汁で飯喰うとるんで。のう、おやじさん、神農じゃろうと博奕打ちじゃろうとよ、わし等うまいもん喰ってよ、マブいスケ抱く為に生まれてきとるんじゃないの。それも銭がなけにゃあ出来やせんので。ほうじゃけん、銭に体張ろう云うんが、どこが悪いの!?」

かの有名な「仁義なき戦い 広島死闘篇」における千葉真一のセリフ。これだけ下品でありながら崇高さすら感じさせる。脚本笠原和夫の真骨頂だ。

その「仁義なき戦い」は、もちろん深作欣二の代表作だが、キャスティングはもめにもめたらしい。

配役は若手で行くことにした。時代劇から任侠やくざ路線に切り替わった時のように、鶴田、高倉、若山に始まる固定した俳優ヒエラルキーを一気に若返りさせようとわたしは目論んだ。ここで一気に突破しよう。流れを変えよう。

当初、主役は<麻薬Gメン>映画以来の行きがかりもあったし渡哲也でと思ったが、丁度彼が肺を病んでの入院中でダメ。たまたま「週刊サンケイ」の連載を読んで映画化を進言してくるなど、やる気を見せていた菅原文太になった。

(原作者の)美能さんが憎んだモデルの山守義雄組長役は、予定されていた金子信雄がやはり病気のため、三國連太郎になりかけたが、連ちゃんとは親しいものの急に「やっぱり出ない」とかダマされたことがある岡田さん(社長)が反対で、今度は西村晃に決まりかけたところへ「この役は俺が」と病院から手も顔も震わせながら衣装合わせに駆けつけた(その様子がまたぴったりだった)金子信雄に逆転決定した。

……シリーズの撮影はかなりきつく、キャストの混乱は以降もつづいた。会社にこき使われた深作欣二は疲弊し、新機軸を求めるようになる。そこには幻の企画が存在した。かの有名な「実録・共産党」である。以下次号

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今月の名言2013年3月号~番組改編期

2013-04-01 | 芸能ネタ

Djkantaimg01 2013年2月号「陽気な船長さん」はこちら

「ミュージックステーション3時間スペシャル……よく考えたらタモリさんの次に年とってるよオレ。44才だから。次が……嵐の連中?」

トーキングFMにおける福山雅治の嘆き。ま、彼は開き直っているわけですが。いやしかしそれって変じゃないか日本の芸能界。44才以上のアーティストにゴールデンタイムは提供できないってか。

クルマが故障しているものだから、オヤジの車でこの1ヶ月ラジオ聞きまくり。iPod購入前にもどったみたい。ちょうど番組改編期なのでさまざまなご長寿番組が終了。

にしてもどうしてAvantiが終わらなければならないのかなあ。最終回に登場したアンジェロくんでは場が保たないとか、教授の肝臓がもう限界だとか?

もっと意外なのはFM山形。自社制作番組がほぼ総がわりな上に、規模縮小。どう考えても経費節減対策。だいじょうぶなのかな。特に、Sound Partyの終了でDJ. Kantaの低音がもう聴けなくなるかと思うとさみしい。障がいをもつ子の父親としての本音がたまに出てきて、じんわりいい感じだったのに。

「内向きも、ロボット任せの戦争も取らないとするなら、取られるべき解法は、相手国との交流か援助しかないではないか」

朝日新聞の論壇における酒井啓子千葉大教授のポスト・イラク戦争に関する提言。現実を直視していないのはマッチョなスローガンを掲げる方だったのは、イラク戦争以後の十年でつくづく承知した。

日本の外務省に人がいないわけではあるまい。現実的な(それはアメリカとの距離のとり方を慎重に考えるということだ)手法でいきましょうよ。

それにしても近ごろ朝日新聞は、酒井、高橋源一郎、藤原帰一、内田樹と、ロッキングオンのオピニオン誌「SIGHT」組を次々に起用しております。賛成です。渋谷陽一が喜んでいるかはわかりませんが。

4月号~「プロテインの味」につづく

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