事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「ジャンゴ 繋がれざる者」Django Unchained (2012 SONY)

2013-04-11 | 洋画

Djangounchained シネコンの快適な椅子に座り、ドルビーだかSDDSのクリアなサウンドで冒頭から

「ジャンゴ~♪」

と歌い上げられ、しかもタイトルの文字は極彩色でお下品きわまりない。ものすごいミスマッチ。あの、60年代に隆盛を誇ったマカロニ・ウエスタンが現代によみがえるとは。

まあ、趣味人であるクエンティン・タランティーノだからこそ許される道楽だし、しかもこの新作はアメリカで大ヒットしてしまったのだ。おかしいなあ、マカロニ・ウエスタンは日本の方がはるかにファンが多いはずなのに(むこうではスパゲティ・ウエスタンと呼ばれます。どっちもでん粉です)。むしろ日本では興行収入が伸び悩んでいるので、この対比は興味深いところだ。

タランティーノがオマージュをささげているのは「続・荒野の用心棒」(「荒野の用心棒」の続編などではなかったんですけど)。

棺桶(中味はお楽しみ)を引きずって歩くヒーローの名がジャンゴ。あまりの残虐描写で問題になったカルト作品だ。オープニングから女性をいたぶる趣味的なシーンが多くて多くて……好きでしたわたしも(笑)。主演がフランコ・ネロで、彼はこの新作にも特別出演しています。

「ジャンゴ……スペルは?」

と今回のジャンゴであるジェイミー・フォックスに質問。

「D・J・A・N・G・O……Dは発音しないんだ」

「知ってる」

そりゃ、知ってますよね。

タランティーノのことだからまともなウエスタンになっているわけがなくて、大量の敵と戦う際に、盾とするのが敵の身体。おかげで必要以上に血しぶきが飛びまくり。夜の騎馬シーンでは変なカンテラをみんな下げている。史実かもしれないけれど、なんかおかしい。

音楽もあいかわらず楽しい。わたしの世代にとっては、ジム・クロウチの「I Got A Name」が使われていたでびっくり。あのタランティーノがジムの曲とはねえ。

役者はみんな達者。ディカプリオの大仰な悪役っぷりと、サミュエル・L・ジャクソンとのかけあいはさすがでしたよ。でもね、実はもうちょっと面白いのではと期待したんだけどなあ。

コメント
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